ものづくり補助金平成27年度製造業和歌山県

両面ジャカード編機導入による企画力と技術力の強化

丸和ニット株式会社

この事例のポイント

  • 繊維製品の低価格化で海外生産へのシフトが加速する中、国内で丸編ニッターとしてものづくりを続けるには、独自性の強い編地を製造する必要があった。
  • 国内随一の丸編機メーカーである福原精機製作所の両面選針コンピュータージャカード編機V-LEC3DGTY6型(34"14G 1496本)を導入した。
  • 両面ジャカード編機の導入により、複雑でオリジナリティのある編地がつくれるようになり、展開の幅が広がった。

事業者のプロフィール

事業者名丸和ニット株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種繊維工業
技術分野デザイン,立体造形
従業員数60人
資本金2,500万円
設立1951年

事業の背景

和歌山県はニットの一大産地である。昭和9年創業の丸和ニットは、メリヤスの中でも和丸編に特化し、新しい発想でオリジナリティのある商品を生み出してきた。繊維製品の低価格化で海外生産へのシフトが加速し、国内繊維業界の生産基盤は弱まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術繊維製品の低価格化で海外生産へのシフトが加速する中、国内で丸編ニッターとしてものづくりを続けるには、独自性の強い編地を製造する必要があった。
  • 人手・技能国内繊維業界の生産基盤が弱体化する中、自社の企画力と技術力を強化することが急務だった。
  • 人手・技能次世代の技術者を育成することも課題だった。

やったこと

国内随一の丸編機メーカーである福原精機製作所の両面選針コンピュータージャカード編機V-LEC3DGTY6型(34"14G 1496本)を導入した。編地の表裏両面にジャカード柄を表現でき、国内でこの機種を扱えるニッターはごくわずかで、国内初の導入となった。技術開発責任者とともに若手技術者を同行・同席させ、社内研修や福原精機製作所での技術指導を複数回実施し、機構と生産性への理解を深めた。技術者と販売担当者が連携して編地の特性やノウハウを共有し、販売力と技術力の強化体制を構築した。

  • 加工機両面選針コンピュータージャカード編機 V-LEC3DGTY6型34"14G 1496本

新しい製品・サービス:両面ジャカード(柄編)の編地、丸編でありながら横編(セーター編)のように見える編地、切替機能を使ったピッチの大きいダブルニット

事業の効果

両面ジャカード編機の導入により、複雑でオリジナリティのある編地がつくれるようになり、展開の幅が広がった。技術者と販売担当者の連携により販売力と技術力の強化体制が整い、編地商品のグレードを上げる環境ができた。同編機の可能性はまだ大きく、今後の展開が期待される。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内で扱えるニッターはごくわずかの両面ジャカード編機を、デザインシステムと精通スタッフを持つ自社の強みを踏まえ国内初導入している。
  • 4
    事業を進める体制技術開発責任者と若手技術者を同行させ、社内研修や福原精機製作所での技術指導を複数回実施し、技術者と販売担当者の連携体制も構築している。
  • 4
    新しさ・高付加価値国内で扱えるニッターがごくわずかの特殊な両面ジャカード編機を国内初導入し、横編風や切替機能を使ったダブルニットなど独自性の高い編地を実現している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標新規顧客の開拓・獲得を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の丸編・和丸編への特化と、国内丸編ニッターとしての「ものづくり」継続を掲げ、既存事業の延長に編機導入を位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内で扱えるニッターはごくわずかの両面ジャカード編機を、デザインシステムと精通スタッフを持つ自社の強みを踏まえ国内初導入している。

  • 課題の認識と解決3

    繊維製品の低価格化と海外シフトという課題を認識し、企画力・技術力強化と次世代育成で独自編地の高付加価値化を図る計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    新規顧客の開拓・獲得を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    技術開発責任者と若手技術者を同行させ、社内研修や福原精機製作所での技術指導を複数回実施し、技術者と販売担当者の連携体制も構築している。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    両面ジャカードの意匠性を生かした複雑な編地で、流行や販売先情報を参考に販売ターゲットに見合う商品づくりを進めると述べている。

  • 事業化までの道筋3

    機械の理解を深めた段階から、今後はクライアント要望や販売ターゲット情報の収集、差別化、販売先拡大へと進める道筋が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    国内で扱えるニッターがごくわずかの特殊な両面ジャカード編機を国内初導入し、横編風や切替機能を使ったダブルニットなど独自性の高い編地を実現している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    国内の繊維生産基盤が弱体化する中で国内ニッターとしての生産を維持し、Made in WAKAYAMAのアイテムを国内外に発信するとしている。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値額の増加や生産性向上など費用対効果を示す数字や記述は見当たらず、触れている程度にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    両面ジャカード編機の切替機能と技術者・販売担当者の連携により、新しい編地を生み出す体制を構築し、地域産地のものづくりに貢献し得る。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    国内繊維業界の生産基盤維持は触れられているが、成長分野への進出や日本経済の構造転換への言及は弱い。

  • 地域経済への波及4

    和歌山県のニット一大産地で、地域の特性を生かしたMade in WAKAYAMAのブランド展開により地域の付加価値向上を目指している。

今後の展望

今後はクライアントからの要望や販売ターゲットに見合う情報収集と編地づくりに力を入れ、他社との差別化を図りながら販売先の裾野を広げ、新規顧客の開拓・獲得を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。