ものづくり補助金平成27年度製造業和歌山県

最新型レーザー加工機の導入で品質向上・生産工程の効率化を図り、取引先拡大を目指す

大亜鋼業 株式会社

この事例のポイント

  • ガス切断、シャーリング切断、プレス切断などを組み合わせて加工していたため切断時間が長く、寸法変化や歪みが生じていた。
  • 最新型のレーザー加工機を新たに導入し、自動で精度良く金属加工できるようにして品質向上と生産工程の効率化を図った。
  • 最新型レーザー加工機の導入により、ガス切断やシャーリング切断などの工程がほとんど省略でき、生産性が著しく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名大亜鋼業 株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数30人
資本金9,000万円
設立1951年

事業の背景

1951年の創業から各種耐火物の製造に強みを持ち、古くから住友金属工業(現新日鐵住金)の協力工場として運営されてきた。主要事業は製鋼用金物・製鋼用耐火物の製造で、連続鋳造設備に使われるロール・シールリングなどの治具を手掛け、製品の大半は新日鐵住金の和歌山工場に納入している。同社の売上の8割前後は製鐵所関連製品で、そのうち6割が粗鋼生産に直結している。車両関係部品やJR・私鉄の分岐器部品なども製造している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ガス切断、シャーリング切断、プレス切断などを組み合わせて加工していたため切断時間が長く、寸法変化や歪みが生じていた。
  • 品質・精度手作業による切断寸法のバラつきがあり、品質面の問題があった。
  • 生産能力ガス切断では放置冷却や手入れによる待ち時間が発生し、鉄板を1枚ずつ手作業で扱うため納期に相応の時間がかかっていた。
  • 人手・技能受注対応力と製造効率を高めるには手作業の工程を減らして自動化を進める必要があったが、社内の手作業工程が多く残っていた。

やったこと

最新型のレーザー加工機を新たに導入し、自動で精度良く金属加工できるようにして品質向上と生産工程の効率化を図った。ガス切断、シャーリング切断、プレス切断などのほとんどの工程を省略できるようになり、生産性は著しく向上した。機械に慣れるまでには時間がかかると覚悟していたが、若手社員が積極的に研修会に赴くなどしたため、早々にフル稼働を実現した。厚板の加工は従業員が退社した夜間に機械の自動運転で対処できるようになった。下工程との連携を密にしながらレーザー加工機を使う工程も含めて総合的に解決を図った。

加工機最新型レーザー加工機

事業の効果

最新型レーザー加工機の導入により、ガス切断やシャーリング切断などの工程がほとんど省略でき、生産性が著しく向上した。自動加工によって品質面の課題である寸法のバラつきや歪みが解消され、納期面の待ち時間も解決できるようになった。レーザー加工に関する案件ではグループ会社以外からの新規取引も増え、新たな引き合いにつながっている。夜間の自動運転により厚板加工にも対応でき、安全性も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    製鋼用金物・耐火物を新日鐵住金と長年作り変えてきた実績があり、事業の連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社には真似できないノウハウと技術力が最たる強みとあり、新規取引先も増えたと具体的に述べられている。市場動向の分析は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    ガス切断の放置冷却や手作業による寸法バラツキを課題として認識し、レーザー加工機導入で工程を省略し生産性が著しく向上したと述べている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、粗鋼生産量との関係で余力を得る意向がわずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    若手社員が研修会に赴きフル稼働を早期に実現したとあり、人材育成への取組は読み取れるが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質と納期の課題解決が取引先拡大につながったと書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けの説明は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展開として稼働率向上、工場拡張、人材確保・育成への注力が示されているが、スケジュールや方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    レーザー加工は一般的な技術とされ、高付加価値化や高価格化を図る記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    製鋼工場や鉄鋼生産量に直結する製品を扱うと書かれ、供給網への関与はうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    工程省略で生産性が著しく向上したとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー加工機導入による工程自動化は示されるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    和歌山市の地域企業として事業を営むことはうかがえるが、地域特性を活かした雇用創出や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は機械の稼働率をさらに高めることを目指し、人材の確保と育成にも注力する。生産性向上による余力で一般製缶品の得意先を増やし、粗鋼生産量の変動リスクを抑える意向である。新規受注への要望に応えきれていない案件もあるため、工場の拡張も視野に入れて好機を掴んでいきたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。