ものづくり補助金平成28年度製造業福岡県

大スパン高層建築を実現する建築構造用高性能鋼板の高精度高効率加工技術開発事業

トキワスチール株式会社

成果従来は鋼板の切断後に穴開けをしていて鋼板1枚あたりの加工時間は1.9時間だったが、従来の約半分に短縮できた。

この事例のポイント

  • 従来はガス溶断とプラズマ切断機を使っており、鋼板の切断後に穴開けを別工程で行っていた。
  • CO2レーザー切断機を初めて導入し、高効率の加工システムを構築した。
  • 従来は鋼板の切断後に穴開けをしていて鋼板1枚あたりの加工時間は1.9時間だったが、従来の約半分に短縮できた。レーザー切断機の導入で加工時間が従来の約半分に短縮され、段取り時間と切断後の補修時間も削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名トキワスチール株式会社
所在地福岡県 須恵町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数50人
資本金7,300万円
設立1980年

事業の背景

ゼネコンからの鋼構造物の設計は厳しく、最終検査も厳しい。レーザー切断が条件となる場合もある。国内では高層建築物の大スパン化や商業スペース、オフィスの重層化が進み、東京や福岡、熊本などで再開発案件がある。鉄鋼業界の需要は5〜10年は続くと予測されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来はガス溶断とプラズマ切断機を使っており、鋼板の切断後に穴開けを別工程で行っていた。
  • コスト・採算レーザー切断機は装置自体のコストが高額で、経常利益と同額に近い機械の購入に踏み切れなかった。
  • 人手・技能加工の段取りや作業に人手がかかり、省人化と無人化が求められていた。

やったこと

CO2レーザー切断機を初めて導入し、高効率の加工システムを構築した。レーザー切断機は薄板の加工に向いており、熱影響が小さく切断面が美しく仕上がる。プログラムを組めば人がいなくても夜間を通して稼働でき、ゴミが入っても自動で止まる仕組みがある。レーザー切断機は鋼板の切断と穴開けの二つの作業を1台で行える。

加工機CO2レーザー切断機

事業の効果

  • 従来は鋼板の切断後に穴開けをしていて鋼板1枚あたりの加工時間は1.9時間だったが、従来の約半分に短縮できた。

レーザー切断機の導入で加工時間が従来の約半分に短縮され、段取り時間と切断後の補修時間も削減できた。ドロスフリーを実現し、後処理の手間が少なくなった。24時間の無人運転が可能になり、省人化と無人化を実現して従業員の負担も軽減された。レーザー切断機を保有していることが取引先に好印象を与え、建築以外の非建築ユーザーから新規取引が始まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存設備の得意な加工条件を踏まえて切断設備を選んだと書かれ、経営戦略上の位置づけは具体的には示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    建築需要が5~10年続くと予測し、レーザー切断機を保有したことで取引先に好印象を与え、非建築ユーザーからの新規取引が始まったと書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    従来は切断後に穴開けをしていた工程をレーザー1台で行えるようにし、段取り時間を削減、加工時間を1.9時間から約半分に短縮したと書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間の短縮や24時間無人運転など目標に近い効果は書かれているが、目標値の設定と実現見込みの根拠は明示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員は段取りと片付けの作業で済むとあるが、補助事業を遂行する体制や人材の確保についての記述はうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    加工品の品質向上、ドロスフリー、トレーサビリティーなど顧客が選ぶ理由が整理され、ゼネコンや発注先のニーズに対応していると書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    補助金申請の準備や導入の経緯は書かれているが、中長期の課題検証や遂行スケジュールの記述は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    レーザー切断機の性能向上は知っていたと書かれているが、普及度や高付加価値化の水準についての記述は少ない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    高層建築の大スパン化や耐震強度の向上、再開発案件の増加など、建築分野の需要拡大が書かれているが、国が補助する理由は述べられていない。

  • 費用対効果3

    ガス溶断からレーザーへの置き換えで加工時間が約半分になったと書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザー切断機と無人運転による省人化・無人化の取組は書かれているが、サプライチェーンへの波及効果は示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    福岡県須恵町の企業で、東京や福岡、熊本の再開発案件に触れているが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高額な設備導入時は今後も補助金を申請していきたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。