ものづくり補助金平成29年度製造業大分県

最新鋭レーザマーカ・横フライス盤導入による製鉄テストピース加工リードタイムの大幅短縮

株式会社フクトクテクノス大分

この事例のポイント

  • シャルピーの識別番号の刻印は手作業で行われており、熟練度によってリードタイムに差が出やすかった。
  • シャルピーの識別番号刻印を手作業からレーザマーカ対応に切り替えるため、3軸同時レーザ制御システムを搭載した最新鋭レーザマーカを導入した。
  • レーザマーカの導入により、シャルピーの刻印作業が手作業から機械化され、熟練度によるリードタイムの差や刻印位置のズレが生じにくくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フクトクテクノス大分
所在地大分県 大分市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数29人
資本金2,000万円
設立1977年

事業の背景

株式会社フクトクテクノス大分は1977年に操業を開始し、小型の精密加工から発電・化学プラントの大型部品加工まで幅広く手がけてきた。とりわけ製鉄テストピース加工を得意とし、大手鉄鋼メーカーの一次取引先として、国内企業で多く用いられるJIS規格だけでも700種を超えるテストピースを加工している。近年はシャルピーと落重のテストピース出荷量が増加傾向にあり、海洋構造物や船舶に用いる超極厚鋼板の需要が高まっていることがその背景にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能シャルピーの識別番号の刻印は手作業で行われており、熟練度によってリードタイムに差が出やすかった。
  • 品質・精度ハンマーで打ち付ける刻印は位置にズレが生じることがあった。
  • 品質・精度手作業の刻印では作業員が怪我をするリスクもあった。
  • 生産能力Vノッチなどのスリット加工の工程に改善の必要があった。

やったこと

シャルピーの識別番号刻印を手作業からレーザマーカ対応に切り替えるため、3軸同時レーザ制御システムを搭載した最新鋭レーザマーカを導入した。立体形状やワイドエリアにも対応でき、ヘッドに内蔵された多機能カメラにより、これまで別々の機器で行っていた印字と撮像を単体で操作できるようにした。あわせてVノッチなどのスリット加工用に小型横フライス盤を導入した。この横フライス盤はロスタイムが生じにくく、ある程度の負荷による刃物の破損も防げる仕様となっている。

加工機最新鋭レーザマーカ(3軸同時レーザ制御システム搭載、多機能カメラ内蔵)
加工機小型横フライス盤

事業の効果

レーザマーカの導入により、シャルピーの刻印作業が手作業から機械化され、熟練度によるリードタイムの差や刻印位置のズレが生じにくくなった。シャルピーの作業時間は約40分短縮され、生産性が飛躍的に向上した。小型横フライス盤はロスタイムが少なく刃物の破損も防げるため、スリット加工の効率も改善された。作業員が怪我をするリスクも減り、作業環境の改善につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1977年操業以来の製鉄テストピース加工の実績と大手鉄鋼メーカーとの取引が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    JIS規格700種超のテストピースを加工できる技術力と、海洋構造物・船舶向けの需要増加が書かれており、強みと外部環境の関係は読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    シャルピーの刻印作業が手作業で熟練度差やズレ・怪我リスクがあるという課題と、レーザマーカ導入による約40分の短縮が書かれている。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    シャルピーの約40分短縮は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は大手鉄鋼メーカーで、需要増加の背景も書かれているが、ターゲットや選ばれる理由の整理は具体的ではない。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備と工程改善の内容はあるが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超極厚鋼板向けの試験需要が増えていると書かれるが、分野の認知度や高付加価値化の水準については触れられていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    海洋構造物や船舶の鋼材開発にかかわる試験を担うと書かれ、国が補助する理由はわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果2

    約40分の時間短縮と生産性向上は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    鋼材の研究開発や需要拡大との関連はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    大分市の企業として精密加工の受注拡大を図るとあるが、地域の雇用や経済成長への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

シャルピーと落重のテストピース需要の増大を見込み、新設備により受注拡大を狙う。あわせて作業員の環境整備と負担軽減によりワークライフバランスの促進につなげる意向である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。