ものづくり補助金平成27年度製造業和歌山県

高品質・多品種・小ロットへの迅速な対応を実現世界に「Made in 高野口」の普及を目指す

有限会社 ティ・ティ・エム

この事例のポイント

  • デザインを織物用のドット図案に修正する工程に多くの時間がかかり、生産量を増やせない原因になっていた。
  • 原画(製品イメージ)から生産機用制御データの作成、シミュレーション、商品イメージ画像の作成が可能なデザインシステムを新たに導入した。
  • デザインシステムの導入により、得意先の要望をもとに仕上がりイメージを迅速に提示できるようになり、製品化までの時間を短縮できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 ティ・ティ・エム
所在地和歌山県 橋本市
業種繊維工業
技術分野デザイン,情報処理
従業員数9人
資本金300万円
設立2007年

事業の背景

同社は1997年に再織(生地に裏表がない織り方)による特殊織物製法の生産と新分野・新用途の開発を目的に設立された企業グループの流れを汲み、主力製品はハンカチである。ハンカチのほか、バッグやポーチ、スリッパなども製造し、受注はOEM生産が主である。ハンカチは2000枚程度を最低ロットとして受注しており、縫製工場(問屋)を経由して都市部の百貨店に流通している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力デザインを織物用のドット図案に修正する工程に多くの時間がかかり、生産量を増やせない原因になっていた。
  • 生産能力得意先の製品イメージを受けてから仕上がりイメージを作るのに時間がかかり、納期面で満足してもらいにくかった。
  • 新製品・新技術これまで手掛けてきた製品は先行するデザインを後追いするもので、独自性のあるデザインを提示できていなかった。

やったこと

原画(製品イメージ)から生産機用制御データの作成、シミュレーション、商品イメージ画像の作成が可能なデザインシステムを新たに導入した。このシステムにより、得意先の要望をもとに仕上がりイメージを迅速に提示できるようになった。導入後は新たに3名の研修を行い、導入機器を使いこなせるようにした。修正工程は複数人で手分けできるようになり、短時間でこなせるようになった。

ソフトデザインシステム
その他デザインシステム用パソコン

事業の効果

デザインシステムの導入により、得意先の要望をもとに仕上がりイメージを迅速に提示できるようになり、製品化までの時間を短縮できた。修正工程を複数人で分担できるようになったことで、短時間で作業をこなせるようになり、コスト低減にもつながった。色・柄・商品イメージを迅速に製品開発できるため、従来より一歩踏み込んだ製品づくりを得意先と共同で行えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    再織の生産と新分野・新商品開発を目的に設立された経緯、ハンカチ主力・OEM生産の事業内容は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高品質・多品種・小ロットと手間のかかる製品に注力する強みや、再織と新システムの融合で安価な海外製品との差別化を図る方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    デザイン修正工程に多くの時間を割き生産量を増やせなかった課題を認識し、デザインシステム導入で製品化までの時間短縮とコスト低減を図っている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の目標数値は書かれておらず、製品化時間短縮という定性的な効果のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制4

    新たに3名の研修を行い導入機器を使いこなせるようにし、修正工程を複数人で手分けする体制を整えたことが具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    得意先から持ち込まれる完成品イメージをもとに迅速に仕上がりを提示でき、アパレルメーカーからの新たな引き合いも得ている。

  • 事業化までの道筋3

    新技術の習得に励み、それぞれのケースに適した使い方を目指すという今後の方針は示されるが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    従来は先行デザインを後追いしていたとあり、独自性は高くないが、再織という特殊織物製法を用いる点がうかがえる程度である。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    高野口の伝統技術である再織を活かし「Made in 高野口」の普及を目指す点はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    コスト低減や生産量増加の方向性は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    デザインシステムの導入で感性に働きかける色・柄・商品イメージを迅速に作成できるようになり、伝統技術との融合が示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    橋本市高野口の伝統的な再織技術を活かし、高付加価値の製品づくりと「Made in 高野口」の普及を目指す地域特性の活用が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

デザインシステムの機能を部分的に使うだけでなく、それぞれのケースに適した使い方ができるよう新技術の習得にも励んでいく。自社オリジナル品の発表も目指し、再織と新システムを融合させて安価な海外製品との差別化を図り、「Made in 高野口」の普及を狙う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。