ものづくり補助金平成27年度製造業福井県

細幅織物(リボン)の染色工程における生産性向上事業

井上リボン工業株式会社

この事例のポイント

  • 染色サンプルを作るたびに生産ラインを止めて作業を割り込ませなければならなかった。
  • 約5〜10m分の染色ができる連続染色機を導入した。
  • デジタル化により染色時の温度管理や染料の調合割合が自動で行えるようになり、画面上での確認作業も可能になったため、ミスの軽減につながった。

事業者のプロフィール

事業者名井上リボン工業株式会社
所在地福井県
業種繊維工業
技術分野機械制御,情報処理,製造環境,測定計測
従業員数139人
資本金4,000万円
設立1963年

事業の背景

井上リボン工業は創業からリボンを主に製作しており、アパレル分野で高いシェアを持つ。繊維業界ではアパレル分野と工業分野の売上の割合は五分五分と言われており、同社でも近年OA機器のトナークリーニングブラシや自動車のドア回りの補強材などを手掛けるようになって、工業分野の売上は全体の20%程度まで伸びている。売上高は21億9600万円である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程染色サンプルを作るたびに生産ラインを止めて作業を割り込ませなければならなかった。
  • 人手・技能染色サンプルごとに染料の調合作業が増え、染料を切り替えるたびに割合を入力する手間がかかっていた。

やったこと

約5〜10m分の染色ができる連続染色機を導入した。これにより短い染色サンプルをスピーディーに作れるようになり、生産ラインと作業を切り離せるようになった。また、染料を調合する自動調合機も導入し、染料を切り替えるたびに割合を入力する手間を省いた。連続染色機と自動調合機には新しいパソコンを導入し、染色時の温度や湿度を画面で細かく表示できるようにした。自動調合機では染料の残量や割合が視覚的に分かるようになった。

事業の効果

デジタル化により染色時の温度管理や染料の調合割合が自動で行えるようになり、画面上での確認作業も可能になったため、ミスの軽減につながった。連続染色機の導入で染色サンプルの製作がスピーディーになり、生産ラインを止めずに作れるようになって効率が上がった。納期にも柔軟に対応できるようになった。作業効率の向上により生産性の向上も見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決染色サンプル製作時に生産ラインを止める課題を、約5~10mの連続染色機導入で解決すると具体的に書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標工業分野の売上30%増と今後2030%の生産性向上が目標として示されている。『2030%』の表記は不明瞭だが数値目標はある。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋今後工業分野へ力を入れるという方向性はうかがえるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業からのリボン製作と工業分野への進出という流れが書かれ、工業分野の売上30%増を目指すとある。経営戦略上の位置付けはやや読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    独自の特許製品を生かしながら工業分野の売上を伸ばす方針と、工業分野の売上が全体の20%程度まで伸びたことが書かれている。強みの記述は一般的。

  • 課題の認識と解決4

    染色サンプル製作時に生産ラインを止める課題を、約5~10mの連続染色機導入で解決すると具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    工業分野の売上30%増と今後2030%の生産性向上が目標として示されている。『2030%』の表記は不明瞭だが数値目標はある。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車内装やコピー機部品など工業分野の用途が挙げられ、ニーズへの対応が述べられているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後工業分野へ力を入れるという方向性はうかがえるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    独自の特許製品『アコーディオ』テープや工業分野での用途が書かれているが、高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    工業分野の拡大に触れているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    導入で作業効率が上がり生産性が30%向上する予定と書かれ、投資額に対する効果の一部がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    機械にパソコンを導入しデジタル化したことは書かれているが、サプライチェーンへの貢献は述べられていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    池田町のグループ会社での編み製造など地域の取組が書かれているが、地域経済成長への牽引は述べられていない。

今後の展望

工業分野での売上30%増を目指しており、将来的には全体売上に占める工業分野の割合を50%にしたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。