ものづくり補助金平成27年度製造業和歌山県

「SUS容器TIG溶接ロボットシステム」 導入による生産能力及び付加価値の向上

株式会社メイワ

この事例のポイント

  • 列車空調ユニットに搭載するSUS製圧力容器の溶接は高い安全性と品質が求められ、認定を受けた作業者しか従事できない状況だった。
  • 列車の空調ユニットに搭載されるSUS製圧力容器を溶接する「SUS容器TIG溶接ロボットシステム」を導入した。
  • SUS製圧力容器の生産能力が向上し、品質も安定した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社メイワ
所在地和歌山県 紀の川市
業種業務用機械器具製造業
技術分野製造環境,接合・実装
従業員数150人
設立1973年

事業の背景

1967年(昭和42年)の創業以来、食品・繊維および冷凍・空調業界向けに製品を届けるメーカーである。自動機事業と冷熱事業を会社の柱に、チラーや圧力容器、自動包装機械の開発・設計・製造を行っている。経済産業省の地域未来牽引企業にも選定された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能列車空調ユニットに搭載するSUS製圧力容器の溶接は高い安全性と品質が求められ、認定を受けた作業者しか従事できない状況だった。
  • 生産能力1995年製の旧設備では溶加棒を用いたTIG溶接ができず、溶接作業に限界があった。
  • 生産能力手作業では効率やスピードに限界があり、作業者不在によるタイムロスも懸念されていた。

やったこと

列車の空調ユニットに搭載されるSUS製圧力容器を溶接する「SUS容器TIG溶接ロボットシステム」を導入した。このロボットは、これまで手作業で行っていたSUS容器と単品ワークの溶接を自動で行う装置である。TIG溶接で重要な溶接ねらい位置の精度を、ワーク位置検出センサー(タッチセンサー)によって確保する。溶接電流の安定化には、TIG溶接用の倣いセンサー(TIGアークセンサー)を用いる。

  • ロボットSUS容器TIG溶接ロボットシステム
  • 検査測定ワーク位置検出センサータッチセンサーTIGアークセンサー

事業の効果

SUS製圧力容器の生産能力が向上し、品質も安定した。溶加棒を用いた溶接にも対応でき、認定作業者でなくても安全性と高品質を兼ね備えた製品精度を維持できるようになった。SUS製圧力容器のTIG溶接工程のサイクルタイムは125秒/台削減され、生産能力は20.1%向上した。他部品のTIG溶接加工を年間700〜800時間ほど取り入れられるようになり、外注していた溶接加工を内製化して品質と安全性の付加価値を高めた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制素人工によるオペレーションで人材確保できる旨は触れられているが、体制の具体的な記述は薄い。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    1995年製の旧設備の限界から溶接自動化へ進む流れが示され、冷熱事業の既存取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    認定作業者のみで溶接する体制の限界を踏まえ、自社の冷熱器部品製作の技術を活かす方向が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    溶接工程のサイクルタイムを125秒/台削減し生産能力20.1%向上を見込み、課題に対する解決が示されている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産能力20.1%向上、サイクルタイム125秒/台削減の目標値が示されているが、実績の裏付けは限定的。

  • 事業を進める体制2

    素人工によるオペレーションで人材確保できる旨は触れられているが、体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    列車空調ユニットの高い安全性・品質要求に応える点が示され、顧客ニーズと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の他部品溶接取り込みや内製化の見込みは触れられているが、スケジュールや検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    SUS製圧力容器の認定作業者による高品質溶接をロボット化し、高付加価値・高品質水準の製品を目指す点が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地域未来牽引企業に選定された中核企業の取組で、他部品溶接の受注拡大や外注の内製化による波及が示される。

  • 費用対効果2

    投資額に対する付加価値増加の数値は示されず、年間700〜800時間の加工取り込みと内製化効果のみ触れている。

  • イノベーションへの貢献3

    TIGアークセンサーやワーク位置検出センサーを用いたロボット溶接で、高品質な溶接を自動化する技術が示されている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    自動機事業と冷熱事業を統合し第三の柱の確立と海外進出を目指す方針が示され、構造転換の方向と読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    地域未来牽引企業として地域経済を担う旨は触れられているが、地域の特性を活かした雇用創出の具体的記述は少ない。

今後の展望

自動機事業と冷熱事業を統合したプロジェクトを発足し、第三の柱となる事業の確立と海外進出を目指す。地球温暖化対策として高効率機器の開発が求められる中、「デジタル化」と「グリーン化」をキーワードに、開発・設計の段階から時代の要求に応える製品づくりに取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。