ものづくり補助金平成27年度製造業和歌山県

生産性・品質・コストでの優位性を向上させる デジタル捺染システムの構築

和歌山染工株式会社

この事例のポイント

  • 株式会社ミヤコシ製のインクジェット捺染プリンター(MTP-1800)を導入した。
  • 導入したインクジェット捺染プリンターにより生産性が向上し、既存機と比べて2倍の速さで印刷できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名和歌山染工株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種繊維工業
技術分野デザイン,製造環境
資本金5,000万円
設立1907年

事業の背景

明治40年創業の和歌山県の染色加工会社で、同県の100年企業として表彰されている。主要製品は布団側地、アパレル服地、インテリア、雑貨などで、平成27年にファクトリーテキスタイルブランド「RIEKA」「和歌和花」を立ち上げ、自社オンラインショップ等で販売している。反応染料プリントの衣料分野におけるデジタル捺染市場は年々成長している。

課題と取り組み

やったこと

株式会社ミヤコシ製のインクジェット捺染プリンター(MTP-1800)を導入した。本機は粒状感のない高濃度で高精細な色表現が可能な最新型で、1時間で800平方メートルの印刷ができる。既存機と比較して生産性は2倍になった。色表現には倉敷紡績株式会社のデジタル捺染システムを採用し、loTによるメンテナンス効率化も実現した。導入後は月産50,000メートル以上の加工実績があり、それ以上の注文にも対応できる。

  • 加工機インクジェット捺染プリンターミヤコシ製 MTP-1800
  • その他デジタル捺染システム倉敷紡績株式会社

事業の効果

導入したインクジェット捺染プリンターにより生産性が向上し、既存機と比べて2倍の速さで印刷できるようになった。色表現も向上し、大手商社から細線の出方や黒系の濃色の表現について高い評価を得ている。loTによるメンテナンス効率化と生産スピードアップによりコストダウンも実現した。良質の製品を既存顧客に生地見本として評価してもらい、展示会への出展で新規顧客の獲得と受注増、収益性の向上につなげる狙いである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性明治40年創業の染色一筋の経営と現場主義、デジタル捺染を早くから採用してきた過去の取組が、今回の設備導入に一貫して結びついている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内でいち早く量産型デジタル捺染を導入した実績と、老舗の企画提案力・風合い加工技術を強みとして、海外アパレル市場も視野に入れている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標生産性は既存機の2倍、1時間800平方m印刷、月産50,000m以上の加工実績があり、目標の実現性が具体的な数字で裏付けられている。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    明治40年創業の染色一筋の経営と現場主義、デジタル捺染を早くから採用してきた過去の取組が、今回の設備導入に一貫して結びついている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内でいち早く量産型デジタル捺染を導入した実績と、老舗の企画提案力・風合い加工技術を強みとして、海外アパレル市場も視野に入れている。

  • 課題の認識と解決3

    小ロットから大量生産まで対応する柔軟性を課題解決の方向として示し、生産性2倍や受注増・収益性向上を目的に掲げている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性は既存機の2倍、1時間800平方m印刷、月産50,000m以上の加工実績があり、目標の実現性が具体的な数字で裏付けられている。

  • 事業を進める体制3

    既存のデジタル捺染運用経験と、既存顧客評価・展示会出展による新規獲得の進め方が示されているが、体制の人員面の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手商社から細線・濃色・粒状感のなさについて高評価を得ており、ファッション業界のニーズに応える選ばれる理由が明確である。

  • 事業化までの道筋3

    海外展示会出展や新分野(スカーフ、マフラー、ベビー用品)への進出など、遂行方法と展開の方向性が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    反応染料プリントの衣料分野でデジタル捺染市場が年々成長していると述べ、高水準の色表現で高付加価値化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    地場産業の染色業を支える取組として位置づけられ、業界の成長市場への対応を通じた地域産業への貢献が読み取れる。

  • 費用対効果3

    生産性2倍とコストダウン、受注増・収益性向上を目的としており、投入額に対する効果の方向性が示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    量産型デジタル捺染の導入やIoTによるメンテナンス効率化を実現し、業界のデジタル化を先導する取組である。

政策面3.5
  • 成長分野への進出3

    デジタル捺染の成長分野へ進出し、生産性向上を通じて繊維産業の構造転換に資する取組と読み取れる。

  • 地域経済への波及4

    和歌山の地場産業である染色業で、100年企業の技術と感性を活かし、企画・デザインや海外展開へ事業を広げている。

今後の展望

国内に加え海外のアパレル市場でも受注を推進する。従来の風合い加工技術を生かし、スカーフやマフラー、ベビー用品など新分野への進出も考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

北海道製造業平成25年度

黒千石大豆・道産米の発芽工程改善計画

発芽工程の設備として、洗穀洗浄機、発芽装置、雑穀脱水機、平面乾燥機、人金属探知機を導入した。

効果:発芽工程のコストを約1/10まで削減することが可能になる。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。