ものづくり補助金平成27年度製造業和歌山県

桃の風味を最大限に引き出したピューレの低温殺菌処理加工技術の開発

株式会社八旗農園

成果殺菌処理を自社で行うようになり、外注費約90万円(平成27年度)を削減した。

この事例のポイント

  • 桃の風味を最大限に生かした加工品を作るため、加熱殺菌や急速冷凍を行う設備が必要だった。
  • 桃の風味を生かすため、ピューレ製造工程で加熱殺菌を行うスチームコンベクション FCCMP201G、加熱処理後の商品を急速冷凍するリキッドフリーザー RAPIDFREEZER SF…
  • 殺菌処理を自社で行うようになり、外注費約90万円(平成27年度)を削減した。冷凍桃と無添加ピューレの開発に成功し、従来商品に加えて新しい商品アイテムが増えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社八旗農園
所在地和歌山県 紀の川市
業種食料品製造業
技術分野材料製造プロセス,製造環境
従業員数23人
資本金998万円
設立2014年

事業の背景

「八旗農園」は平成21年に桃農家と流通業者による任意団体として始まり、平成26年に株式会社化した。紀の川市桃山町の「あら川の桃」は全国的に知名度が高く、自社工場でジュースやピューレ、コンポートなどの加工品を製造・販売している。従業員は正社員3人、パート約20人である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力桃の風味を最大限に生かした加工品を作るため、加熱殺菌や急速冷凍を行う設備が必要だった。
  • 人手・技能ピューレの充填作業を手作業で行っており、機械化が求められていた。
  • コスト・採算殺菌処理を外部に委託していたため、費用がかかり利益率が低かった。
  • 新製品・新技術取引先からの要望があった冷凍桃や無添加ピューレを製造できる体制がなかった。

やったこと

桃の風味を生かすため、ピューレ製造工程で加熱殺菌を行うスチームコンベクション FCCMP201G、加熱処理後の商品を急速冷凍するリキッドフリーザー RAPIDFREEZER SF20、充填作業を機械化する小型充填機 8ZRE の3種類の機械を導入した。これにより低温殺菌処理、ポリフェノール酵素失活処理、急速冷凍処理が可能となり、自然の風味を残したピューレと解凍後も品質を保つ冷凍桃を製造できるようになった。細菌の増殖も抑えられ、衛生的で効率的な製造につながった。

  • 加工機スチームコンベクション FCCMP201Gリキッドフリーザー RAPIDFREEZER SF20小型充填機 8ZRE

新しい製品・サービス:冷凍桃と無添加ピューレ

事業の効果

  • 殺菌処理を自社で行うようになり、外注費約90万円(平成27年度)を削減した。
  • 平成27年度と28年度を比べると給与総額が1.8%増加した。

冷凍桃と無添加ピューレの開発に成功し、従来商品に加えて新しい商品アイテムが増えた。輸送に時間がかかり難しかった海外輸出も可能になり、香港企業との商談が成立した。殺菌処理を自社で行えるようになったことで外注費が削減され、利益率が向上した。さらに通年で加工品を製造できるようになり、従業員の年間を通した雇用と所得の安定につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け自然の風味を残したピューレや無添加、解凍後も同じ品質の冷凍桃など、製品の価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値無添加ピューレや冷凍桃を、加熱殺菌・酵素失活・急速冷凍の組み合わせで高品質に製造する点が高付加価値化として具体的に読み取れる。
  • 4
    地域経済への波及紀の川市の地域特産「あら川の桃」を活かし、地元フルーツの加工や地元雇用の促進を図る点が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標給与総額1.8%アップの実績はあるが、付加価値額の増加目標や今後の数値目標は示されていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    平成21年の農家3人と流通業者による任意団体から平成26年の法人化、自社工場での加工品製造へと一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「あら川の桃」の全国的な知名度と、取引先からの要望、香港企業との商談成立が書かれ、強みの活用はうかがえる。

  • 課題の認識と解決3

    外部委託していた殺菌処理を自社化し約90万円の外注費削減と利益率向上が書かれ、課題解決の方向は読み取れる。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    給与総額1.8%アップの実績はあるが、付加価値額の増加目標や今後の数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    正社員3人・パート約20人の人員構成は書かれているが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自然の風味を残したピューレや無添加、解凍後も同じ品質の冷凍桃など、製品の価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は工程の効率化や地元雇用の体制整備を考えるとあるが、スケジュールや遂行方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    無添加ピューレや冷凍桃を、加熱殺菌・酵素失活・急速冷凍の組み合わせで高品質に製造する点が高付加価値化として具体的に読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地元産フルーツの加工や従業員の年間通じた雇用、地元雇用促進への貢献が書かれ、地域への波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果3

    外注費約90万円の削減と給与総額1.8%アップという数字があり、費用対効果の一端は読み取れるが投入額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    殺菌・急速冷凍の機械導入は書かれているが、先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルの記述は見当たらない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    紀の川市の地域特産「あら川の桃」を活かし、地元フルーツの加工や地元雇用の促進を図る点が具体的に書かれている。

今後の展望

自社工場の作業工程を効率化し、地元の雇用促進に貢献できる体制を整える。地元産のキウイやイチゴのピューレなども製造し、紀の川市がフルーツ王国であることを顧客に伝えて販路拡大を狙う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。