ものづくり補助金平成27年度製造業和歌山県

乾燥工程の内製化を図り、多品種・小ロット粉砕受託に対応和歌山の県産品の紛体加工にも挑戦する

株式会社 紀州美食

この事例のポイント

  • 果物や野菜の雑菌処理に塩素を使っていたため、塩素の匂いが製品に残ってしまう問題があった。
  • 活水化装置一式を導入し、果物や野菜の表面に付着する雑菌を除去できるようにした。
  • 雑菌処理の方法が変わり、天産物が本来持つ匂いを残したまま雑菌を減らせるようになって品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 紀州美食
所在地和歌山県 田辺市
業種食料品製造業
従業員数10人
資本金2,000万円
設立2003年

事業の背景

主力は葉類(緑茶、ほうじ茶、紅茶など)、穀類(大豆、鳩麦など)、米麹の粉体加工で、支給された原料を乾燥・粉砕して返す委託加工が中心である。納品された粉体は食品メーカーや健康食品メーカーの製品(飲料、スイーツなど)に使われる。粉体の大きさはシングルミクロンから30ミクロン程度のものが多く、近年は果物の粉体加工にも取り組んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度果物や野菜の雑菌処理に塩素を使っていたため、塩素の匂いが製品に残ってしまう問題があった。
  • 品質・精度取引先の健康食品メーカーは菌検査を行うため、菌数を基準値以下にする必要があったが、匂いを残したまま菌数を減らせる方法が見つかっていなかった。
  • 生産能力乾燥・粉砕は自社で対応できず外注に頼っていた。
  • 新製品・新技術中長期的に自社オリジナルの食品粉体加工品を販売するため、その基礎として雑菌処理方法を確立する必要があった。

やったこと

活水化装置一式を導入し、果物や野菜の表面に付着する雑菌を除去できるようにした。あわせて、活水化装置に付帯する乾燥機として低温乾燥機装置を導入し、水分を多く含む空気をスムーズに入れ替えられるようにした。また、低温気流式粉砕機装置を導入し、40℃〜50℃程度の低温で粉砕できるようにした。これにより、これまで外注していた乾燥・粉砕を内製化した。

その他活水化装置一式
加工機低温乾燥機装置
加工機低温気流式粉砕機装置

新しい製品・サービス:自社オリジナルの食品粉砕加工品(スイーツ、介護食、離乳食をターゲット)

事業の効果

雑菌処理の方法が変わり、天産物が本来持つ匂いを残したまま雑菌を減らせるようになって品質が向上した。乾燥機の導入により空気の入れ替えが可能になり、乾燥効率も向上した。これまで扱えなかった海藻類、根昆布、柿の皮、柑橘系果物の皮の乾燥や粉砕もできるようになり、加工品の幅が広がった。乾燥・粉砕を内製化できた意味も大きい。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    2003年の豆腐関連経験を起点に食品粉体加工へ参入した経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の明確な位置づけは読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    40〜50℃の低温粉砕で香りや色を残せる点が他社より優れると書かれ、競争優位の根拠が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    雑菌処理の課題と乾燥効率の問題を認識し、乾燥工程の内製化や果物粉砕への挑戦で高付加価値化を図る方向が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、わずかに販売拡大への期待がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    設立時従業員10人と記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    風味を残す低温粉砕という特徴と、得意先からの小袋分け要望など顧客ニーズの裏付けが読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    小袋販売体制の整備や自社オリジナル品の展開方針は示されるが、スケジュールや課題解決の具体的方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    果物粉砕や海藻・柑橘皮の加工に挑む点は読み取れるが、高水準の高付加価値化を示す数値的根拠は乏しい。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    県産品の加工や地域農産物の活用、和歌山県のPRへの期待が書かれ、地域波及の意義はうかがえる。

  • 費用対効果1

    補助金額や付加価値増加、生産性向上の数値が書かれておらず、費用対効果は読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    活水化装置や乾燥機の導入で雑菌処理を改善した点はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山県の県産品を活かす果物加工への挑戦が書かれ、地域の特性活用と生産者支援につながる方向は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

指定グラム数で小袋に分けて販売できる体制を整え、自社オリジナル品の販売を進める。果物の粉砕にも挑戦し、梅や桃などの県産品を積極的に扱っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。