ものづくり補助金平成28年度製造業北海道

日本一の羽幌産甘えびを最高の鮮度で加工するため機械設備導入

有限会社蝦名漁業部

成果充填作業能力 60個/時間→700個/時間

この事例のポイント

  • 充填作業は手作業で、1時間に60個しか瓶に内容物を詰められなかった。
  • 2016年の新工場建設にあわせて、6つの食品加工機械・機器を導入した。
  • 充填作業能力 60個/時間→700個/時間。新たに導入した機械で5つの新商品の開発に成功し、いずれも現在まで続く人気商品に育った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社蝦名漁業部
所在地北海道 羽幌町
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数13人
資本金300万円
設立1972年

事業の背景

同社は漁獲から加工、販売までを担う6次産業化に取り組み、甘えびの加工と販売を行ってきた。2017年4月まで町の公共施設の加工室を借りて製造していた。漁業は価格を自分たちで決められず、燃料や資材が高騰しても甘えびの値段は変わらないという危機感があった。商品はイオンやコープさっぽろのギフト商品として採用され、シーズンには1カ月で1万箱の購入がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力充填作業は手作業で、1時間に60個しか瓶に内容物を詰められなかった。
  • その他2017年4月まで町の公共施設の加工室を借りて製造しており、自前の工場が必要だった。
  • 新製品・新技術看板商品以外の新商品を開発し、生産アイテムを増やす必要があった。

やったこと

2016年の新工場建設にあわせて、6つの食品加工機械・機器を導入した。導入したのは、容器に液体・粘体を一定量入れる充填機、充填後の容器のキャップを閉める キャッパー、水分を抜いて乾燥させる電気乾燥機、熱風と蒸気を使い蒸す・焼く・煮る・炒める・茹でる・揚げるを一台で行えるスチームコンベクションオーブン、パンを一律の厚みにカットするパンスライサー、食材を粗くも細かくも粉砕しパウダー状にできるフリースピードミルの6つである。電気乾燥機は看板商品の甘えび酒蒸しの製造にも使われ、一度酒蒸ししたえびを丸ごと乾燥させて粉末にしたえびパウダーを作り、甘えびのラスクやフレークに使っている。

  • 加工機充填機キャッパー電気乾燥機スチームコンベクションオーブンパンスライサーフリースピードミル

新しい製品・サービス:甘えびラスク、甘えびのオイル漬け、食べる甘えびラー油・パスタソース、甘えびドライパスタフレーク、甘えび油の5つの新商品。甘えび油をベースにOEMで作った「万能香味えび油」は小売店舗カルディから委託された商品である。

事業の効果

  • 充填作業能力 60個/時間→700個/時間

新たに導入した機械で5つの新商品の開発に成功し、いずれも現在まで続く人気商品に育った。充填作業は1時間に60個から700個へと大きく向上した。OEMの万能香味えび油はテレビや動画で紹介されて販売数が激増し、売上の大幅な増加につながった。新工場の全面稼働で生産量が増え、加工工程の歩留まりも向上し、地元雇用も広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    地域経済への波及羽幌の甘えび水揚げ日本一という地域特性を活かし、直営店で観光拠点を目指すなど、地域の賑わいと雇用に貢献する事業として明確に描かれている。
  • 4
    これまでの取組との一貫性2014年の酒蒸し甘えびの商品開発、2017年の直営店開業、6次産業化への取組など過去の事業の延長に新工場投資を位置付けている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性羽幌は甘えび水揚げ日本一で、シーズンには1カ月1万箱の購入やイオン・コープのギフト採用があり、自社の強みを外部環境に結びつけている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献スチームコンベクションオーブンや電気乾燥機などの導入は述べられているが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    2014年の酒蒸し甘えびの商品開発、2017年の直営店開業、6次産業化への取組など過去の事業の延長に新工場投資を位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    羽幌は甘えび水揚げ日本一で、シーズンには1カ月1万箱の購入やイオン・コープのギフト採用があり、自社の強みを外部環境に結びつけている。

  • 課題の認識と解決3

    手作業で1時間60個しか充填できなかった課題を充填機導入で700個に改善し、生産能力の制約を解消する計画になっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    充填作業が1時間60個から700個へ向上した実績を示し、生産性向上の見込みを具体的に述べている。付加価値額や賃上げの目標値は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    漁師夫婦が商品開発と加工を担い、既に直営店や通販を運営してきた実績があり、加工事業を遂行する体制は確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    カルディのOEM商品が芸能人紹介で販売数が激増した事実や、約40種類の商品展開を示し、選ばれる理由と顧客の反応が裏付けられている。

  • 事業化までの道筋3

    2016年の新工場建設にあわせて設備導入し、2017年に稼働させたという時系列の遂行方法が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    甘えびを漁師自ら加工する手法は珍しく、甘えびラスクやパウダーを殻ごと乾燥させる製法など、同分野で高付加価値の商品を展開している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    漁業者の生計と若い漁師の雇用を守る目的で、加工の仕事が子育て中の漁師の妻の雇用の場になると述べ、地域の雇用創出に言及している。

  • 費用対効果3

    生産量の増大や歩留まり向上、地元雇用の拡大が成果として挙げられており、投資に対する効果の方向性は示されている。費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    スチームコンベクションオーブンや電気乾燥機などの導入は述べられているが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及は薄い。

政策面3.5
  • 成長分野への進出2

    6次産業化の推進という方向性は示されているが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及5

    羽幌の甘えび水揚げ日本一という地域特性を活かし、直営店で観光拠点を目指すなど、地域の賑わいと雇用に貢献する事業として明確に描かれている。

今後の展望

次の目標は、甘えびファクトリーを全道・全国の人に愛される観光拠点に育てることである。地域と連携して町の賑わいづくりにも貢献していきたいとしている。

事業者の声

商品をきっかけに羽幌に来ていただいて、本当に獲れたての甘えびを食べてもらいたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。