ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業島根県

サンドブラストの商品開発と生産体制を確立して販路拡大を図る

有限会社太田硝子店

この事例のポイント

  • サンドブラストのフィルム製版をすべて手作業で行っていたため失敗が多く、工程上のネックになっていた。
  • 平成27年から新規事業としてガラスアート「サンドブラスト」の取り組みを始めた。
  • フィルム製版機の導入で、これまで手作業で行っていた製版工程が自動化され、作業が安定して失敗による製品ロスが減った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社太田硝子店
所在地島根県 松江市
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
従業員数6人
資本金450万円
設立1912年

事業の背景

日本のガラスの歴史とともに歩み、平成25年に創業100年を迎えた。昭和30年ごろまではガラスの卸、修繕、陳列ケースの製作が主で、高度成長期に住宅用サッシの施工や店舗改装などへ事業を広げた。近年はエコガラスや防犯ガラス、エクステリア施工、リフォームなど住まいに関する幅広い仕事を手掛け、全社員がガラス施工技能士1級の資格を持つ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度サンドブラストのフィルム製版をすべて手作業で行っていたため失敗が多く、工程上のネックになっていた。
  • 生産能力手作業の工程に時間がかかり、本業の建築ガラス業の繁忙期にはサンドブラスト商品の受注をこなせなかった。
  • 人手・技能退職年齢を迎える社員に会社に残ってもらい、育児期の母親なども働ける職場をつくる必要があった。

やったこと

平成27年から新規事業としてガラスアート「サンドブラスト」の取り組みを始めた。補助事業では、デザインした文字や模様をフィルムに転写し、露光部分を溶かし落とす作業を自動で行うフィルム製版機を導入した。製版機の導入により作業が安定し、ロスが減って納期も短縮された。細い線が描けるようになり、デザインの幅が広がって顧客のニーズにより応えられるようになった。

新しい製品・サービス:サンドブラストによるガラス工芸品(記念プレート、トロフィー、グラス、酒類のボトルなど)

事業の効果

フィルム製版機の導入で、これまで手作業で行っていた製版工程が自動化され、作業が安定して失敗による製品ロスが減った。納期が短縮され、繁忙期の建築ガラス業と並行してサンドブラスト商品の受注ができるようになった。細い線を表現できるようになったことでデザインの幅が広がり、県内の企業や団体から表彰状や記念品を定期的に受注している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 514観点のうち11観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制全社員がガラス施工技能士1級を持つと書かれているが、補助事業の遂行体制としての記述は限定的。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    創業100年の歴史と建築ガラス・サンドブラスト事業の経緯は書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全社員がガラス施工技能士1級、地域に根ざした企業姿勢が強みとして書かれているが、市場動向との関係は具体的でない。

  • 課題の認識と解決3

    製版の手作業による失敗やネックが課題として示され、製版機導入で解消したと書かれているが、高付加価値化の計画数値はない。

事業の実現可能性2.5
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    全社員がガラス施工技能士1級を持つと書かれているが、補助事業の遂行体制としての記述は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    記念プレートやトロフィー、グラス等の商品、県内企業や団体からの定期受注が書かれ、選ばれる理由も一部うかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    百貨店経由の販路開拓やネット販売の検討は触れられているが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    サンドブラスト工芸は幅広い商品展開が可能と書かれ、細い線描画で差別化されるとあるが、市場の普及度は不明。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用ー

    公開情報では判断できません。

  • 費用対効果3

    製版機導入で作業が安定しロスが減り納期短縮につながったと書かれているが、費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    フィルム製版機の導入は書かれているが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    地域の学校や企業、神社からの受注や地元での認知強化が書かれ、地域との結びつきはうかがえるが雇用創出の数値はない。

今後の展望

当面は地元での認知に力を入れ、将来的にはネット販売も視野に入れている。学校や官公庁、企業、各種団体への販路開拓や、大手百貨店を通じた販売も進めていく考えだ。

事業者の声

「豊かな経験は代え難い価値がある。体力は衰えても気兼ねなく仕事ができる場を作りたかった。融通が利く職場にして、育児期の母親たちにも加わってもらい、楽しくものづくりができる部署にしたい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。