ものづくり補助金平成27年度製造業島根県

加工要素のデータ化と共有化による難削材加工技術開発とその品質保証の実現

馬潟工業有限会社

この事例のポイント

  • 鋼材から製品を削り出せるかどうかが、技術者の経験や勘に頼る部分があった。
  • 新たに大型の3次元座標計測機ACCURA-Iを導入した。
  • 3次元座標計測機の導入により、製品の大きさや形状を高精度に確認でき、規格内にあることを自社で保証できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名馬潟工業有限会社
所在地島根県 松江市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数39人
資本金1,000万円
設立1975年

事業の背景

松江市の大橋川河口に工場を構え、日立金属安来工場の協力工場として特殊鋼素材の機械加工を手がけ、業績を着実に伸ばしてきた。原子炉の制御棒を加工するなど技術力には定評がある。2012年にJISQ9100の認証を取得し、翌2013年には航空機産業を目指す島根県内の中小企業7社によるグループ「SUSANOO」の設立メンバーに加わった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力鋼材から製品を削り出せるかどうかが、技術者の経験や勘に頼る部分があった。
  • 品質・精度製品が規格内にあることを独自に確認し、品質を保証する手段が不足していた。

やったこと

新たに大型の3次元座標計測機ACCURA-Iを導入した。プローブと呼ばれるルビーの球体で製品表面に接触し、大きさや形状のデータを高精度で取得できる。非接触で鋼材の大きさや形状を測定できるレーザースキャナーも備えた。気温や湿度が測定結果に影響するため、空調の整った新工場に設置し、島根県産業技術センターの協力を得て測定技術の向上に努めている。形状の評価結果はネットワーク上で一括管理し、加工技術の高精度化や生産性の向上、実加工工程での即時対応に役立てる。基礎技術の習得に向けて要員養成を継続的に行う。

  • 検査測定三次元座標計測機ACCURA-Iレーザースキャナー

事業の効果

3次元座標計測機の導入により、製品の大きさや形状を高精度に確認でき、規格内にあることを自社で保証できるようになった。鋼材の形状を把握できるため、素材からの削り出しを数字の裏付けをもって判断できるようになり、作業への自信につながった。加工品の目標寸法と加工結果のずれが分かることで加工従事者の技術力向上にも役立ち、加工の高精度化と短納期化が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標加工効率や短納期化の向上が書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    1975年創業、日立金属安来工場の協力工場として特殊鋼の機械加工を続け、JISQ9100認証や航空機産業を目指す企業グループへの参加が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    原子炉の制御棒加工など技術力に定評があり、耐熱鋼や超耐熱合金に対応できる強みが書かれているが、市場動向の分析は見当たらない。

  • 課題の認識と解決3

    鋼材から製品を削り出す際に経験や勘に頼っていた課題を、3次元座標計測機で数字の裏付けを得る形で解決する流れが書かれている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工効率や短納期化の向上が書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    12年かけて継続的に要員を養成し、新規雇用による増員も検討していると書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    受託測量の受注実績や航空関連企業への新規開拓が書かれているが、顧客ターゲットの整理は詳しくない。

  • 事業化までの道筋3

    12年かけた要員養成や、形状データのネットワーク管理による高精度化の進め方が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    超耐熱合金や大型難削材の長尺品加工を得意分野とし、航空機部品を対象とする高付加価値の加工が書かれている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    航空機やエネルギー関連部品の加工に関わることがうかがえるが、国が補助する理由や波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果2

    加工精度の向上や短納期化が書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元座標計測機とレーザースキャナーを連携させ、データをネットワーク上で一括管理する取組が書かれている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    航空機産業を目指す取組が書かれているが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    島根県内の中小企業7社によるグループ参加や、島根県産業技術センターとの協力が地域の取組として書かれている。

今後の展望

大型の計測機を生かして受託測量を事業の柱に育て、航空関連で取引実績のある企業などを対象に新規取引先の開拓に取り組む考えだ。

事業者の声

数字の裏付けを得ることで自信を持って作業に取り組めるようになった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。