ものづくり補助金平成28年度製造業静岡県

自動車部品の品質の見える化と地域企業の品質保全に資する検査体制の確立

阿形工業株式会社

成果リードタイム 1日→0.5日

この事例のポイント

  • 目視による検査では人間の目に限界があり、ヒューマンエラーによって品質にばらつきが生じていた。
  • 同社はコネクタ6面画像検査装置を導入し、設備メーカーと検査装置の機能・性能について協議を重ねた。
  • リードタイム 1日→0.5日。新たな検査装置の導入により、射出成形後の部品を即時に検査できるようになり、検査待ちの在庫が大きく減少した。

事業者のプロフィール

事業者名阿形工業株式会社
所在地静岡県 菊川市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金1億円
設立1974年

事業の背景

同社は射出成形と板金加工を行い、自動車のコネクタ部品や配電盤の扉、メーターパネル等を製造している。成形加工の分野で31年の実績があり、熟練工の技術と多様な射出成形機の保有を強みとしている。自動車業界ではハイブリッド車や電気自動車の普及によりワイヤーハーネスの搭載数が増加しており、その先端のコネクタにも高い精度が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度目視による検査では人間の目に限界があり、ヒューマンエラーによって品質にばらつきが生じていた。
  • コスト・採算目視検査に時間がかかり従業員だけでは手が足りず、一部を外注するなど検査コストが増加していた。
  • 生産能力検査工程が生産のボトルネックとなっており、増加する需要に対応できる検査体制の整備が急務であった。
  • 納期・工程自動車メーカーの競争激化に伴い、短納期化・低価格化への対応が求められていた。

やったこと

同社はコネクタ6面画像検査装置を導入し、設備メーカーと検査装置の機能・性能について協議を重ねた。同装置は超深度カメラを搭載し、対象物全体にピントを合わせるとともに斜めの角度から撮影することで、人の目に近い検査を行える。射出成形後の部品を即時に検査装置にかけられる工程とし、検査の自動化に取り組んだ。補助事業終了後には、コネクタ以外の複数の製品に対応できる改良型の検査装置を導入した。

検査測定コネクタ6面画像検査装置
検査測定改良型の検査装置

事業の効果

  • リードタイム 1日→0.5日

新たな検査装置の導入により、射出成形後の部品を即時に検査できるようになり、検査待ちの在庫が大きく減少した。リードタイムは1日から0.5日に短縮し、目視によるヒューマンエラーもなくなった。さらに外注の削減や自動化で生じた余剰人員を他の製造工程に配置転換でき、生産性が向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    31年間の成形加工実績と熟練工・多様な射出成形機の保有が強みとして書かれ、検査自動化がその延長にあることがうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多様な顧客ニーズへの対応力と自動車メーカーの短納期化・低価格化への対応が急務と書かれ、外部環境と強みの関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    目視検査が生産のボトルネックで、不良の見逃しや外注増加が課題と明記され、検査装置導入で在庫減少とリードタイム1日から0.5日への短縮が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイムが1日から0.5日に短縮、不良品見逃しが0になる見通しと具体的な数字が示され、付加価値向上の目標達成が見込めるように読める。

  • 事業を進める体制2

    設備メーカーと協議を重ねたことはうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車メーカーの品質要求や自動車部品の高精度ニーズが背景として書かれ、顧客ニーズの裏付けはあるが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    検査装置の選定・検証、技術課題の解決、補助事業後の改良型装置導入と射出成形から検査までの一貫自動化という段階的な計画が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ワイヤーハーネス向けの高精度コネクタ検査という分野が示されるが、普及度や市場内での高付加価値化の水準は明確に書かれていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    自動車業界の電動化による需要増と地域企業の品質保全に触れるが、雇用創出や波及効果の記述は少ない。

  • 費用対効果4

    リードタイム短縮、外注削減、余剰人員の配置転換という効果が具体的に書かれ、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献4

    超深度カメラと斜め撮影による画像検査装置を導入し、人の目に近い検査を実現したと具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ハイブリッド車・電気自動車の普及に対応する自動車部品の検査という方向性がうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    菊川市に所在する地域企業であることは書かれるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

データを蓄積して判別精度を向上させ、不良品の見逃しは0となる見通しが立った。今後は射出成形から検査までの一貫した自動化に取り組み、企業の優位性を高めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。