ものづくり補助金平成27年度製造業島根県

販路拡大を目指した生産プロセスの改善と新商品開発の取組み

有限会社井山屋製菓

成果生産能力 22個/分→32個/分

この事例のポイント

  • 出雲店が好評で増産体制を整える必要があったが、包あんから成形までの作業は能力に限りがあった。
  • 平成27年度の補助事業で最新式の包あん機と器具洗浄機を導入した。
  • 生産能力 22個/分→32個/分。包あん機の導入で生産能力が45%アップし、成形の品質も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社井山屋製菓
所在地島根県 出雲市
業種食料品製造業
従業員数14人
資本金500万円
設立1902年

事業の背景

明治35年に創業した老舗菓子店で、和菓子から洋菓子まで幅広く生産している。平成26年に出雲市江田町に直営の出雲店を開いたところ好評で、増産体制を整え新商品の開発に取り組む必要が生じた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力出雲店が好評で増産体制を整える必要があったが、包あんから成形までの作業は能力に限りがあった。
  • 人手・技能試作は手作業で行っており、開発に時間がかかっていた。
  • 品質・精度生地残量が1回当たり3.5キロと多く、廃棄ロスが出て原価率が高かった。
  • 新製品・新技術脂肪分の高い生クリームが使えず、ホイップクリームを使っていたため商品価値が上がらなかった。
  • 人手・技能器具の洗浄作業に2人で1時間半かかり、洗いにくい餅生地の洗浄にも手間がかかっていた。

やったこと

平成27年度の補助事業で最新式の包あん機と器具洗浄機を導入した。包あんから成形までのスピードが1分間に22個から32個に改善され、生産能力が45%アップした。成形の機械化により品質が向上し、生地残量は1回当たり3.5キロから2キロに減少して廃棄ロスが減り、原価率が改善した。従来は手作業だった試作も機械化でき、微調整が可能になって開発力と開発スピードが向上した。三重包あん装置を使い生クリーム大福などの開発にもつなげた。洗浄機は2人で1時間半かかっていた作業が1人で40分となり、1回当たり700リットルの節水となった。

新しい製品・サービス:生クリームを使った三重包あんの大福(スイーツ大福)、アップルパイ

事業の効果

  • 生産能力 22個/分→32個/分
  • 生地残量 3.5キロ/回→2キロ/回
  • 洗浄作業時間 90分→40分

包あん機の導入で生産能力が45%アップし、成形の品質も向上した。生地残量の減少により廃棄ロスが減り原価率が改善した。試作の機械化で開発力と開発スピードが向上し、生クリーム大福などの新商品につながった。洗浄機の導入で作業人数と時間が減り、水道使用量も1回当たり700リットル節水された。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決生産能力45%アップ、原価率改善、年商2割増と課題に対する効果が数字で示され、高付加価値化につながっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け生クリーム大福は脂肪分の高い生クリームが使えなかった課題を解決し、旬の果物を挟むスイーツ大福が大幅な売上増につながっている。
  • 4
    費用対効果生産能力45%アップ、洗浄作業1時間半から40分、節水700リットルなど投資効果が数字で示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標年商2割増のペースは示されるが、今後の付加価値や賃上げの目標値は記載がなく、目標の実現可能性は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    明治35年創業の老舗で、出雲店開設を経て増産と新商品開発に取り組む流れが既存事業の延長として一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地元重視の姿勢と地元特産の柿・イチジクを使った商品で、地域に根ざした強みを活かす方向が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    生産能力45%アップ、原価率改善、年商2割増と課題に対する効果が数字で示され、高付加価値化につながっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    年商2割増のペースは示されるが、今後の付加価値や賃上げの目標値は記載がなく、目標の実現可能性は薄い。

  • 事業を進める体制3

    機器導入と出店・配達展開を進める体制はあるが、人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    生クリーム大福は脂肪分の高い生クリームが使えなかった課題を解決し、旬の果物を挟むスイーツ大福が大幅な売上増につながっている。

  • 事業化までの道筋3

    大田市への直営店構想や山陰道開通の影響を見据えた拠点計画が示され、中長期の課題認識がある。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    和菓子に加え生クリーム大福やアップルパイなど洋菓子の新商品を開発し、差別化された商品展開を行っている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    地元特産を使う商品開発や福祉施設への定期配達など、地域需要と雇用に関わる展開が読み取れる。

  • 費用対効果4

    生産能力45%アップ、洗浄作業1時間半から40分、節水700リットルなど投資効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による開発力向上は触れているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は弱い。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    地元特産を活かした商品と地元重視の販路拡大で、地域経済と雇用に寄与する事業として具体性がある。

今後の展望

近い将来、大田市に直営店を出す構想を持つ。近隣の福祉施設に入所するお年寄りなどから注文を取り、定期的に配達する新たな展開も見据えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。