ものづくり補助金平成27年度製造業島根県

マシニングセンターによる複合的加工ノウハウを用い、金型部品加工へ進出

有限会社キタイ

この事例のポイント

  • 量産品が中心の受注構造から単品物の付加価値を高める必要があった。
  • 新たに高回転主軸の機械で工具を自動交換する立形マシニングセンタVm53R(OKK製)を導入した。
  • マシニングセンタの導入により、既存設備では対応できなかった加工精度が向上し、加工時間も短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社キタイ
所在地島根県 出雲市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数6人
資本金300万円
設立1939年

事業の背景

有限会社キタイは1939年に焼玉エンジンの製造・取り付けを業務として創設され、戦後は機械部品製造や鋳物鋳造を手がける鉄工所として操業してきた。約20年前に業種を金属製品の製造に一本化した。家業に入った14年前は量産物が売上の9割を占めていたが、単品物は付加価値が高いため、図面の異なる金型部品加工に取り組むようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術量産品が中心の受注構造から単品物の付加価値を高める必要があった。
  • 生産能力既存設備では高精度・短時間の金型部品加工に対応できず、新市場を開拓するには高回転主軸の機械が必要だった。

やったこと

新たに高回転主軸の機械で工具を自動交換する立形マシニングセンタVm53R(OKK製)を導入した。マシニングセンタは高い精度が求められる金型製造に使われる工作機械で、既存設備では対応できなかった加工精度の向上と加工時間の短縮が可能になった。導入後、複合的な加工を経験することでノウハウが蓄積された。加工サンプルを取引見込みのある関連企業に提案し、高い評価を得ている。

  • 加工機OKK 立型マシニングセンタ Vm53R

新しい製品・サービス:複合的加工ノウハウを用いた金型部品加工

事業の効果

マシニングセンタの導入により、既存設備では対応できなかった加工精度が向上し、加工時間も短縮された。図面を見てから作業に取りかかるまでの時間が短くなり、作業中のミスも減って製造コストが下がってきている。単品物の受注が増え、量産品との製品割合は半々となった。今後は金型を一貫製作するメインユーザーから金型部品加工の受注を獲得し、収益拡大を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性約20年前に業種を金属製品製造に一本化し、14年前に家業入り後も単品物の付加価値に着目して金型部品加工へ段階的に挑戦しており、一貫した流れが読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性既存の複合的加工ノウハウと高回転主軸の機械を、農機・船舶向け金型部品という市場に結びつけ、低コスト・高精度・短納期の強みで優位性を確保する方針が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け関連企業への加工サンプル提案で高評価を得ており、金型を一貫製作するメインユーザーからの受注獲得を狙うなど、顧客ターゲットと選ばれる理由が明確である。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標収益拡大を目指すとあるが、付加価値額や賃上げなどの具体的な目標値や数字が示されておらず、実現可能性の判断材料が薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    約20年前に業種を金属製品製造に一本化し、14年前に家業入り後も単品物の付加価値に着目して金型部品加工へ段階的に挑戦しており、一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存の複合的加工ノウハウと高回転主軸の機械を、農機・船舶向け金型部品という市場に結びつけ、低コスト・高精度・短納期の強みで優位性を確保する方針が示されている。

  • 課題の認識と解決3

    既存設備では加工精度と時間の課題があり、マシニングセンタ導入でそれを解決した点が書かれ、単品物受注の拡大による収益向上を目指している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    収益拡大を目指すとあるが、付加価値額や賃上げなどの具体的な目標値や数字が示されておらず、実現可能性の判断材料が薄い。

  • 事業を進める体制2

    専務取締役が事業を主導している点は触れられているが、従業員6名の体制での補助事業遂行能力や事務処理体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    関連企業への加工サンプル提案で高評価を得ており、金型を一貫製作するメインユーザーからの受注獲得を狙うなど、顧客ターゲットと選ばれる理由が明確である。

  • 事業化までの道筋3

    加工サンプルの提案から取引見込みを得る段階を経ており、ノウハウ蓄積やコスト低減の実績も示され、遂行方法は具体的である。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    金型市場は概ね拡大していると書かれ、市場は大きいが、同分野で高付加価値化・高価格化を図る根拠はやや一般的な記述にとどまる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の鉄工所として雇用を支えてきた歴史は触れられているが、経済波及効果や新たな雇用創出を国が補助する理由としては明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    高回転主軸の機械導入でサプライチェーンに関わる金型部品加工へ進出するとあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルによる貢献は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    量産中心から単品物の金型部品加工へ事業構造を転換しており、成長が見込まれる金型分野への進出として一定の構造転換が読み取れる。

  • 地域経済への波及3

    出雲市大社町の地域の鉄工所として操業し、地域の製造業の一角を担う点は読み取れるが、地域特性を活かした成長牽引の記述は限定的である。

今後の展望

農機・船舶などの産業機械向け金型部品加工を主なターゲットとし、低コスト・高精度・短納期の強みで優位性を確保することを視野に入れている。金型市場は概ね拡大しており、今後も需要が見込まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。