ものづくり補助金平成27年度製造業岡山県

騒音作業を低減し作業環境を守る吸音材の開発

三乗工業株式会社

この事例のポイント

  • 吸音材の効果を測定する試験機が社内になく、岡山県工業技術センターで借用して測定しているため時間的なロスが生じている。
  • 吸音材の効果を測定する垂直入射吸音試験機と、騒音の発生位置と発生周波数帯を同時に計測し、発生周波数を色分けして画像で確認できる可視化騒音測定器を導入した。
  • 吸音材の効果を自社で迅速に測定できるようになり、移動時間や賃借料がかからず、いつでも測定が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名三乗工業株式会社
所在地岡山県 総社市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野製造環境
従業員数101人
資本金7,400万円
設立1958年

事業の背景

同社は材木業から始まり、自動車内装部品や住宅用の部材を製造してきた。その後、建材や自動車部品を再利用したリサイクル素材の開発に取り組み、防音(吸音・遮音)性に優れた素材を生み出している。平成24年に発売した簡易型防音ボックス「ミノリ・サイレンサー」は、建設・工事現場で夜間や住宅密集地の作業に使われている。防音効果が高く、より安価な製品が求められる中で、最適な製品を迅速に提案し市場拡大を目指している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力吸音材の効果を測定する試験機が社内になく、岡山県工業技術センターで借用して測定しているため時間的なロスが生じている。
  • 人手・技能設備のどの場所からどの周波数帯の騒音が出ているかを特定できる計測器がなく、開発中の吸音材の性能評価を効果的に進められていない。

やったこと

吸音材の効果を測定する垂直入射吸音試験機と、騒音の発生位置と発生周波数帯を同時に計測し、発生周波数を色分けして画像で確認できる可視化騒音測定器を導入した。垂直入射吸音試験機では、吸音材の厚みや組み合わせを変えて防音効果、重量、コストを分析し、製品の品質向上と最適化に役立てている。可視化騒音測定器はハンディタイプで、客先で騒音の発生位置と周波数帯を計測し、画像でリアルタイムに確認できる。

  • 検査測定垂直入射吸音試験機可視化騒音測定器

新しい製品・サービス:製造業向け防音パネル「ミノリ・サイレンサーFPシリーズ」、アルミ仕様の不燃タイプの防音ボックス(開発中)

事業の効果

吸音材の効果を自社で迅速に測定できるようになり、移動時間や賃借料がかからず、いつでも測定が可能になった。騒音の発生位置と周波数帯がリアルタイムに分かるため、新たな吸音材の開発や最適な製品提案が素早く行えるようになった。顧客へのアピール度が高まり、他社との差別化ができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち11観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け防音パネルや小型防音ボックスの用途、工事関係者の口コミで売上が大幅に伸びたことなど、顧客と選ばれる理由が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値騒音の発生位置と周波数帯を画像で可視化する測定器を使い、顧客への差別化を図る点が具体的に述べられている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員101人で開発・販売を行う体制はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述はない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の材木業から自動車内装・防音素材へ展開し、ミノリ・サイレンサー等の製品開発を続けてきた流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    防音効果が高くより安価な製品が求められる市場で、自社の素材開発力を活かす方向性がうかがえるが、競争優位の具体的な数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    開発と提案に使う測定機器がない課題を示し、試験機導入で評価時間を短縮する方針は読み取れるが、事業計画の定量的な成長目標は書かれていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    従業員101人で開発・販売を行う体制はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    防音パネルや小型防音ボックスの用途、工事関係者の口コミで売上が大幅に伸びたことなど、顧客と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    可視化騒音測定器の導入で新たな吸音材開発を素早く進める流れは示されるが、中長期の検証スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    騒音の発生位置と周波数帯を画像で可視化する測定器を使い、顧客への差別化を図る点が具体的に述べられている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    職場環境や病院、防災前線基地まで騒音対策の利用を広げる方針が示され、社会的な需要創出の意義がうかがえる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    騒音の発生位置と周波数を可視化する測定技術の活用が示されるが、サプライチェーン全体への貢献までは書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    岡山県総社市を拠点とする地域企業であることはうかがえるが、地域経済への波及効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

騒音対策は周辺環境だけでなく職場環境の改善の視点からも求められており、工事現場や職場、病院、防災前線基地まで幅広い利用を提案していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。