ものづくり補助金平成27年度製造業広島県

国際進出を見据えたデザイン力を形にする試作品開発技術の強化

株式会社 チヨダパック

成果試作品提案の所要日数 27日→5日

この事例のポイント

  • 取引先から試作品を一度に複数案持参してほしいとの要求があるが、自社では対応できていない。
  • プラスチック容器の製造工程のうち、印刷とカットの工程を合理化するため、本社工場にプリンターとレーザーカッターを導入した。
  • 試作品提案の所要日数 27日→5日。試作品の提案回数と納期が改善され、初回の試作品提案で決定できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 チヨダパック
所在地広島県 北広島町
業種プラスチック製品製造業
技術分野デザイン,立体造形
従業員数71人
資本金1,600万円
設立1992年

事業の背景

当社はプラスチック容器の製造・販売を行い、デザイン力と設計力を強みとしている。発注元からは多品種少量生産への対応や、試作品の複数提案、短期の試作品提案が求められていた。当社のプラスチック容器は、洋菓子・文具・玩具・衣類など幅広いパッケージに使われている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術取引先から試作品を一度に複数案持参してほしいとの要求があるが、自社では対応できていない。
  • 納期・工程発注元から試作品提案までの期間を短くしてほしいとの要求があるが、カットとプリントを外注しているため対応が遅い。
  • コスト・採算カット技術・プリント技術は外注対応のため、小ロット生産は費用対効果の面から対応できないという課題がある。

やったこと

プラスチック容器の製造工程のうち、印刷とカットの工程を合理化するため、本社工場にプリンターとレーザーカッターを導入した。レーザーカッターはコムネット㈱製のSpirit GLSで、CO2レーザー40W、対象材料はアクリルとPET、最大加工寸法は400(巾)×650(奥)×15㎜厚である。プリンターは武藤工業㈱製のValueJet-1626UHで、ピエゾインクジェット方式、印刷可能寸法は幅1615㎜・高さ15㎜・長さ不問、4色(KCMY)+白+バーニッシュの計6色である。これにより試作品開発の内製化が可能となった。

加工機レーザーカッター(Spirit GLS、コムネット㈱製)
加工機プリンター(ValueJet-1626UH、武藤工業㈱製)

事業の効果

  • 試作品提案の所要日数 27日→5日

試作品の提案回数と納期が改善され、初回の試作品提案で決定できるようになった。導入前は3回の試作で納期と費用が3倍かかっていたが、導入後は短期化と複数提案が可能になった。発注元への提案の迅速さと早期対応が実現し、今後の販売と利益の増大が見込める。他社との差別化と競争力強化につながると期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    試作品開発能力の強化を事業の成長策と位置付け、デザイン・設計力に印刷・カット技術を加える方向性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    発注元の複数案・短期納品ニーズに対し、外注だった印刷・カット工程を内製化する強み補強の内容が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    試作提案の所要日数27日が新設備導入後に最大22日短縮(81%短期化)と数字で示され、課題と解決の効果が明確。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    付加価値や賃上げの目標値は示されていないが、81%の短期化や受注量増大を目指す記述はある。

  • 事業を進める体制2

    設備導入と社内での試作体制は書かれるが、人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    発注元の複数案・短期化・小ロット要求を三つ挙げ、製品価値と顧客ニーズ、他社との差別化理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    導入設備の仕様や導入後の業務フロー改善、今後の海外展開や営業スタイル変更の方向性が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種少量・小ロットへの対応や他社との差別化が書かれるが、分野の普及度や高水準の高付加価値化の根拠は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外進出や国際競争力の育成がうかがえるが、雇用創出や波及効果についての具体的記述はない。

  • 費用対効果4

    試作の回数や費用が3倍から1回に削減されるなど、費用対効果の改善が具体的な数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザーカッター・プリンターの導入は示されるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    北広島町の本社工場で事業を行うことは示されるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

提案型の営業へ移行し、デザインと製品販売量のマーケティング分析に着手する計画である。近年増えている新興国企業の類似商品との差別化を図り、海外進出を視野に国際競争力のある企業への育成を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。