ものづくり補助金平成27年度製造業広島県

食品業界向けジッパー付三方シール袋製造の自動化と高付加価値化による受注拡大計画

株式会社小早川

成果三方シール袋のショット数 80枚/分→120枚/分

この事例のポイント

  • 製袋時に原反のズレが生じ、圧着不足や印刷ズレ、商品ロスが発生している。ズレ防止とロス率低減の刃物制御や圧着・切断位置の微調整を熟練技能者の経験と勘に頼っている。
  • 高速三方・チャック兼用自動製袋機を導入し、ジッパー加工・かど丸加工の複合加工機能を持たせた。
  • 三方シール袋のショット数 80枚/分→120枚/分。新機種の導入で、三方シール袋のショット数が従来より1.5倍以上になり、納期の短縮や新たな発注の要望に応えられるようにな…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小早川
所在地広島県 大竹市
業種プラスチック製品製造業
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

食品用ポリ袋は異物混入や充填不良を防ぐため、製造過程で高い精度と加工技術が求められる。同社は3台のラミネート製袋機を有して加工を行ってきたが、いずれも旧機種だった。当初は三方のみの中古機械しかなく、受注は近隣に限られていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度製袋時に原反のズレが生じ、圧着不足や印刷ズレ、商品ロスが発生している。ズレ防止とロス率低減の刃物制御や圧着・切断位置の微調整を熟練技能者の経験と勘に頼っている。
  • 人手・技能熟練技能者以外の従業員では技能習得に多くの経験と時間を要するため、新たな受注や納期短縮の要望に応えられない。
  • 生産能力当初は三方シールのみの中古機械しかなく、近隣からの受注にしか対応できなかった。
  • 新製品・新技術かど丸三方シール加工やジッパー付き三方袋の加工ができず、ラミネート製袋加工の事業展開に支障があった。

やったこと

高速三方・チャック兼用自動製袋機を導入し、ジッパー加工・かど丸加工の複合加工機能を持たせた。熟練技術者の経験・ノウハウをもとに各部の条件設定・調整を行い、各種材料の圧着、ズレ、切断試験を実施して、最終的に要求仕様に適合していることを確認した。正常動作確認検証と導入後のメーカーによるオペレーター指導には、熟練技能者以外の従業員を多数参加させ、加工・生産ができる人数を増やした。

加工機高速三方・チャック兼用自動製袋機

新しい製品・サービス:ジッパー付き三方シール袋・かど丸加工袋

事業の効果

  • 三方シール袋のショット数 80枚/分→120枚/分
  • 不良品率 2%→1%
  • 1ロット製袋時間 2時間→1時間

新機種の導入で、三方シール袋のショット数が従来より1.5倍以上になり、納期の短縮や新たな発注の要望に応えられるようになった。不良品率は目標の0.5~1%をクリアし、1ロット製袋時間も従来の1/2以下になった。手動停止だった原反終了時の作業が自動停止になり、再セットに2~3時間かかっていた時間のロスが大幅に減った。ジッパー付かど丸三方シール加工も1日4千mまで可能になり、新たな需要に対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    ラミネート製袋機3台を有し加工を続けてきたこと、旧機種の課題から設備投資に至った経緯は読み取れるが、中長期の経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「食品業界では高齢者、子供のケガ防止や輸送中の製品保護のロス率軽減のため「かど丸加工」が増加」と市場動向に触れるが、競争優位性の根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    ズレによる不良・納期遅れを課題とし、ショット数30~80枚/分を80~120枚/分にする等、課題に対応した具体的な目標が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1ロット製袋時間を2時間から1時間へ、不良品率を2%から0.5~1%とする数値目標があり、結果で三方シール120ショット等の実績も示されている。

  • 事業を進める体制2

    熟練技術者の経験を自動化し、従業員を多数参加させて導入後の指導を行う方針はうかがえるが、人材体制の詳細は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    かど丸加工・ジッパー付三方シール袋の需要増加、食べ残し用・衛生面での利点など、製品の価値と顧客ニーズが具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の正常動作確認やメーカーによる指導、原反終了時の自動停止など遂行方法の記載はあるが、スケジュールの記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ジッパー付三方シール袋は新分野として位置付けられ、海外製品との差別化や高付加価値製品を目指すとあるが、普及度の数値的根拠は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    食品の安全性や製品保護に関連する記述はあるが、国が補助する波及効果や雇用創出の具体的記載は見当たらない。

  • 費用対効果4

    1ロット製袋時間の半減、原反再セット時間の大幅削減、日産4千mの生産能力など、投資に対する生産性向上が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    最新の製袋機と熟練ノウハウの自動化は示されるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    県内全域から受注し中四国全域へ事業を広げる構想があり地域性はうかがえるが、雇用や地域経済成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

最新機種の能力向上により納期短縮と新規の発注要望に対応する。ジッパー付三方シール袋の加工も可能となり、新分野製品での新規取引先開拓を進める。今後は海外製品との差別化を図り、高品質・高信頼性の高付加価値製品の加工を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。