ものづくり補助金平成27年度鉱業、採石業、砂利採取業山口県

破砕設備の導入による新商品開発及びコンクリートリサイクル事業

有限会社三田産業

この事例のポイント

  • 既存の売れ筋商品の製造過程で設備能力が不足し、原石サイズの偏りもあって供給能力が需要に追いつかず、商機を逸していた。
  • 他県にある破砕機メーカーを訪問し、専門家に相談のうえ新商品の原材料となる岩の破砕実験を実施した。
  • 新規設備の導入により、既存商品の供給能力不足と岩の商品価値の低さという課題を解決した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社三田産業
所在地山口県
業種鉱業、採石業、砂利採取業
技術分野材料製造プロセス,複合・新機能材料,立体造形

事業の背景

自社の人気商品である「真砂」の製造過程で副産物として産出される岩は商品価値に劣っていた。既存の売れ筋商品は需要が高かったが供給能力が不足していた。近年の土木・建設業界ではエンドユーザーから高付加価値商品を求める声が高まっており、取引先からも同様のニーズがあった。また、既存商品の販売先の大半は公共工事に係るもので、天候等の外部環境に左右される傾向があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の売れ筋商品の製造過程で設備能力が不足し、原石サイズの偏りもあって供給能力が需要に追いつかず、商機を逸していた。
  • 品質・精度既存商品は粉分が多く草が生えやすく、風雨にさらされて時間とともに土に戻るなど耐久性に課題があった。
  • 生産能力近隣に同種商品を販売する事業者がおらず需要は高かったが、一定の在庫量を確保できず需要に応えられなかった。
  • 生産能力既存商品の掘削・篩分け等で必然的に発生する一定サイズ以上の岩は、自社設備では再加工できず商品価値の劣る岩として増加していた。

やったこと

他県にある破砕機メーカーを訪問し、専門家に相談のうえ新商品の原材料となる岩の破砕実験を実施した。商品の仕上がりや操作性を勘案して破砕機を選定し、新商品開発に関わる設備も導入した。導入した設備は既存設備より処理能力が高く、既存商品の製造過程で発生していた一定サイズ以上の岩を破砕・篩分けできるようになった。これにより新商品の「真砂砂利13mm~30mm」と「真砂石200mm~300mm」の開発・商品化・量産化に成功した。また、新商品の強度試験を実施し、既存商品より強度や耐久性が高いことを確認した。

新しい製品・サービス:「真砂砂利」(13mm~30mm)と「真砂石」(200mm~300mm)を開発。既存商品の課題である耐久性を克服し、庭園の化粧材や敷石のほか、インテリア材料や防犯用砂利などにも用途が広がった。

事業の効果

新規設備の導入により、既存商品の供給能力不足と岩の商品価値の低さという課題を解決した。岩を破砕して新商品「真砂砂利」「真砂石」を開発し、既存商品より強度・耐久性の高い商品として自社のトップ商品にすることに成功した。「真砂砂利」は予約待ちの状況となっている。また、導入設備でコンクリート廃材から再生砕石を生産でき、新事業にも取り組む方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性近隣に同種の商品を売る事業者がおらず需要は高いこと、既存商品より強度・耐久性が高いと試験で実証したことが書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決供給能力不足や岩の増加という課題を認識し、破砕設備導入で新商品を量産化して岩を新たなトップ商品にした、と具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け真砂砂利13〜30mm、真砂石200〜300mmの用途や、土木建設業界の高付加価値ニーズへの適合、予約待ちの状況が書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標数値目標や付加価値額の目標は書かれておらず、予約待ちや量産化への設備改良の方針がうかがえる程度である。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存商品の製造過程で出る副産物の岩を再加工する取組で、過去の商品との関係は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    近隣に同種の商品を売る事業者がおらず需要は高いこと、既存商品より強度・耐久性が高いと試験で実証したことが書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    供給能力不足や岩の増加という課題を認識し、破砕設備導入で新商品を量産化して岩を新たなトップ商品にした、と具体的に書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    数値目標や付加価値額の目標は書かれておらず、予約待ちや量産化への設備改良の方針がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力についての記述は乏しく、設備改良を行う方針がある程度しか読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    真砂砂利13〜30mm、真砂石200〜300mmの用途や、土木建設業界の高付加価値ニーズへの適合、予約待ちの状況が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    量産化に向けた設備改良やコンクリートリサイクル材の事業化、販路拡大の方針が示されているが、スケジュールや解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    近隣に同種商品の販売事業者がいないことや、既存商品より高い強度・耐久性を持つ商品として差別化されている点が書かれている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    公共工事に左右される販売構造への言及はあるが、雇用や波及効果など国が補助する積極的な理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    設備導入による費用対効果や付加価値額の増加を示す数値は書かれておらず、導入効果の記述は定性的である。

  • イノベーションへの貢献2

    コンクリート廃材から再生砕石を生産する新事業が示されるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は具体的でない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    地域の資源である岩を活かした商品である点はうかがえるが、地域経済や雇用への波及は書かれていない。

今後の展望

造園業者・ハウスメーカー・一般消費者へのプロモーションを強化し、公共工事に偏った販売先を官民バランスの取れた構成にしていく。量産化に向けた設備改良も行う。コンクリート廃材を用いた再生砕石「コンクリートリサイクル材」の事業化も目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。