ものづくり補助金平成30年度鉱業、採石業、砂利採取業宮城県

都市型建築物向け高強度・高耐久コンクリート用砕砂原料生産技術革新事業

株式会社桃生石産

この事例のポイント

  • 都市型建築物の高耐久化で品質の安定した砕砂の需要が見込まれるが、量産体制が整っていなかった。
  • 砕砂を量産するため、ミルブレーカーⅡ 1680型ボールミルを導入した。
  • 試験で砕砂の94.6%が粒度分布基準を満たし、納品先の要求を確実にクリアした。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社桃生石産
所在地宮城県 石巻市
業種鉱業、採石業、砂利採取業
技術分野製造環境,複合・新機能材料,材料製造プロセス

事業の背景

当社は宮城県北部の採取場で、中生代三畳紀の硬質な砂岩と粘板岩の互層からなる岩盤の石を採掘している。主力商品は20mm~5mmサイズの砕石2005と5mmアンダーの砕砂で、コンクリートから港湾基礎工事まで幅広く使われている。都市型建築物では従来の50年設計から80年程度まで耐用年数を延ばす高耐久化が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力都市型建築物の高耐久化で品質の安定した砕砂の需要が見込まれるが、量産体制が整っていなかった。
  • その他宮城県内の砕石製造業者は僅かで、今後の高強度コンクリート需要に応える供給体制が不足していた。

やったこと

砕砂を量産するため、ミルブレーカーⅡ 1680型ボールミルを導入した。納品先が求める粒度分布基準は6.00mm~0.15mmに85%以上が分布することだったが、試験の結果94.6%が分布し基準を確実に満たした。年間5万tの生産能力目標にも対応できる機能性を確認した。工程管理を整備した結果、JIS認証も取得できた。

加工機ミルブレーカーⅡ 1680型ボールミル

新しい製品・サービス:高強度・高耐久コンクリート用の砕砂

事業の効果

試験で砕砂の94.6%が粒度分布基準を満たし、納品先の要求を確実にクリアした。年間5万tの生産能力目標に対応できる製造ラインを確立した。工程管理を整えてJIS認証も取得し、品質の高さを証明した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の砕石・砕砂事業の延長で砕砂量産に投資したことは読めるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    北上山系の硬質砂岩という自社資源の強みと、高強度建築への需要見込みが具体的に書かれ、競争優位が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    既存顧客の反応が弱いことと、宮城県内の砕石業者が僅かという課題認識が示され、量産体制で対応する流れが読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    年間5万tの生産能力目標、粒度基準85%に対し試験94.6%、JIS認証取得など数字つきで実現性が示されている。

  • 事業を進める体制3

    工程管理の整備や品質管理の実施は書かれるが、人材や事務処理体制についての具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    『桃生ブランド』の品質、納品先の粒度要求、無償サンプル提供によるPRなど、顧客への価値と選ばれる理由が具体的。

  • 事業化までの道筋3

    隣の山の購入で50年分の原石を確保する方針は示されるが、導入後のスケジュールや遂行方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高強度・高耐久コンクリート向けの砕砂という分野で、粒度基準を大きく上回る品質を示しており高付加価値性がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    建築物の耐久化が求められる中、宮城県内で砕石業者が僅かという地域インフラ上の必要性が具体的に書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値増加の数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえるのみ。

  • イノベーションへの貢献2

    ボールミルや工程管理の導入は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンの革新についての記述はほぼない。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    高強度・高耐久建築の需要増に応える方向性は読めるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及4

    宮城県北部の地域資源を活かし、地域社会への還元や地域の砕石供給を担う事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

コロナ禍や仙台地域で高強度建築物への関心がまだ高まっていないため既存顧客の反応はいまひとつだが、試験を始めた工場もある。今後は無償砕砂サンプルの提供などでPRを進める計画である。隣の山を購入し50年分程度の原石を確保しており、品質を長期間維持できる体制を整えている。

事業者の声

「県内の同業他社の岩石と比べても品質のいい石が採れると自負している。『桃生ブランド』の石を硬質砂岩と呼んでおり、端的に言えば強度がよく出てコンクリートに最適な石です。」

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。