ものづくり補助金平成29年度鉱業、採石業、砂利採取業北海道

天然資源砂利の安定供給 機械導入による有効資源の活用事業

丸十岡山砂利株式会社

この事例のポイント

  • 陸砂利の割合が増え、採取地が原石の産地から遠くなったため、車輌費・人件費・燃料費などの物流・輸送コストが大幅に増大していた。
  • 骨材生産(砂利洗浄)プラントに、最新型の分級機(ハイメッシュセパレーター)を導入した。
  • 分級機の導入により、従来機と比べて1時間当たり1.79トンの増産となる計算になった。

事業者のプロフィール

事業者名丸十岡山砂利株式会社
所在地北海道 栗山町
業種鉱業、採石業、砂利採取業
技術分野製造環境,機械制御,材料製造プロセス
設立1933年

事業の背景

丸十岡山砂利は2023年4月に創業90年を迎えた、夕張川流域の砂利採取・販売事業を主軸とする会社で、土木事業、古石事業、運送事業、産業廃棄物の収集・運搬事業も展開している。創業以来、天然資源である砂利にこだわり、骨材を生産して北海道の公共工事のインフラ整備にも採用されてきた。昭和40年代は良質な河川砂利が主流であったが、需要増と河川の採取規制により供給が追いつかず、採取地が陸へと変化して陸砂利の割合が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算陸砂利の割合が増え、採取地が原石の産地から遠くなったため、車輌費・人件費・燃料費などの物流・輸送コストが大幅に増大していた。
  • コスト・採算物流・輸送コストの増大により骨材の販売価格が上がり、利益率が悪化していた。
  • 新製品・新技術設備の近代化が遅れていた。
  • 品質・精度従来の分級機では砂とヘドロの分離精度が十分でなく、排水に製品の砂が流出していた。
  • 人手・技能労働力の確保が難しい状況にあった。
  • 品質・精度品質管理体制の整備が課題になっていた。
  • コスト・採算ヘドロ処理にかかる経費と機器のメンテナンス費用が負担になっていた。

やったこと

骨材生産(砂利洗浄)プラントに、最新型の分級機(ハイメッシュセパレーター)を導入した。この分級機は、物体中における粒子の沈降速度を利用して砂製品とヘドロを分離し、砂を洗浄・脱水して回収する設備である。新設備の導入により高度な分級が可能になり、砂利洗浄工程の排水への製品の流出を最小限に抑えた。従来機と比較すると1時間当たり1.79トンの増産となる計算で、砂回収率も非常に高くなった。繁忙期には1日にダンプ100台分に相当する約600m³の骨材を生産している。

  • 加工機ハイメッシュセパレーター最新型分級機

新しい製品・サービス:砂単体での商品化

事業の効果

分級機の導入により、従来機と比べて1時間当たり1.79トンの増産となる計算になった。砂回収率が非常に高く、品質も大きく向上したため、以前は行っていなかった砂単体での商品化に成功した。排水への砂の流出が減ったことで後処理の濁水(ヘドロ)処理の負担も軽くなり、省エネ・省コスト化に寄与した。設備の全体構造が簡便でメンテナンスも容易になり、ランニングコストの削減にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決運搬費・燃料費の増大や設備の近代化の遅れを課題と認識し、分級機導入で1時間当たり1.79トンの増産と濁水処理経費削減を示している。
  • 4
    これまでの取組との一貫性創業以来一貫して天然資源の砂利にこだわってきたと書かれ、骨材事業を主軸とする過去からの取組との一貫性がうかがえる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性陸砂利の増加で運搬コストが増大した外部環境を踏まえ、南空知地区の採取事業者が3社のみという地域での立場も示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産性・利益率の向上は目指すとあるが、具体的な目標値や賃上げ目標は示されておらず、実現可能性は判断できない。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来一貫して天然資源の砂利にこだわってきたと書かれ、骨材事業を主軸とする過去からの取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    陸砂利の増加で運搬コストが増大した外部環境を踏まえ、南空知地区の採取事業者が3社のみという地域での立場も示されている。

  • 課題の認識と解決5

    運搬費・燃料費の増大や設備の近代化の遅れを課題と認識し、分級機導入で1時間当たり1.79トンの増産と濁水処理経費削減を示している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性・利益率の向上は目指すとあるが、具体的な目標値や賃上げ目標は示されておらず、実現可能性は判断できない。

  • 事業を進める体制3

    採取・洗浄・運送まで自社で担う体制と創業90年の経験が書かれているが、事業遂行の人材や事務体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    砂単体での商品化に成功し品質が大きく向上したこと、北海道の公共工事で採用されていることが、製品の価値として示されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の運用やメンテナンス容易性は触れられているが、導入スケジュールや中長期の検証方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    砂とヘドロの分離精度を高め砂単体の商品化を実現したと書かれているが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用4

    砂利がなければインフラ整備や建設工事が止まると述べ、社会資本形成に不可欠な資源の安定供給という国が補助する理由がうかがえる。

  • 費用対効果3

    増産量や濁水処理の負担軽減、ランニングコスト削減が書かれているが、補助金投入額との比較による費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    有効資源の活用や持続可能な社会への貢献は書かれているが、成長分野への進出や産業構造の転換に関する記述はない。

  • 地域経済への波及3

    夕張川流域の良質な砂利産地という地域特性を活かし、地元経済の発展や地域づくりに貢献する姿勢が書かれている。

今後の展望

限りある天然資源の有効活用に取り組みながら、地域の発展と持続可能な社会の実現に貢献し、100年企業を目指すとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。