ものづくり補助金平成27年度製造業山口県

体験型観光客受け入れの効率化を目的としたレーザー加工機の導入

萩ガラス工房有限会社

この事例のポイント

  • ガラス彫刻体験は所要時間が平均70〜90分かかり、時間制限のあるツアーの団体観光客には不向きで、体験希望があっても断っていた。
  • サンドブラスト手法によるガラス彫刻体験の所要時間短縮を主眼に、レーザー加工機を導入した。
  • ガラス彫刻体験の所要時間が短縮され、時間制限のある団体観光客も受け入れ可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名萩ガラス工房有限会社
所在地山口県
業種窯業・土石製品製造業
技術分野デザイン,精密加工

事業の背景

当社は創業当初からガラス体験教室を開催し、海外で人気のあった体験型観光のヒントを得て観光客から支持を集めてきた。近年は体験型観光への関心の高まりから体験教室への申込者が増加している。特に希望者の多いガラス彫刻体験は時間を要するため、団体観光客への対応が課題になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ガラス彫刻体験は所要時間が平均70〜90分かかり、時間制限のあるツアーの団体観光客には不向きで、体験希望があっても断っていた。
  • 品質・精度自動カッティングシート機では大まかな絵柄には対応できたが、複雑で微細な絵柄や模様には対応が難しかった。
  • 納期・工程微細で複雑な図案の作図は自社で行えず、すべて外注に頼っていたため納期がかかっていた。

やったこと

サンドブラスト手法によるガラス彫刻体験の所要時間短縮を主眼に、レーザー加工機を導入した。レーザー加工機では、パソコンで絵本や模様などの図案を取り込み、マスキングシートを作図できるようになった。従来は最も時間を要していた、マスキングシートをカッターナイフで切り抜く工程を置き換えた。国内で印章・ゴム印製作用として一般に用いられている機種で、操作が簡単でガラス工芸の用途にも優れている。これにより複雑かつ微細な絵柄、模様、文字まで対応できるようになった。

事業の効果

ガラス彫刻体験の所要時間が短縮され、時間制限のある団体観光客も受け入れ可能になった。その効果もあり、現在は体験教室全体で年間1万人程度の利用客を確保している。これまで外注していた微細で複雑な図案を内製化でき、納期短縮と業務改善にもつながった。さらに当社製品がJR西日本の「瑞風」の車内備品に採用され、平成30年3月からは車内販売も行われる予定となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決ガラス彫刻体験が70〜90分かかり団体客を断っていた課題を認識し、レーザー加工機導入で短縮し年間1万人規模の利用客確保につなげたと具体的に読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け体験型観光の人気、ガラス彫刻体験の団体観光客ニーズ、瑞風の車内備品採用という選ばれる理由が事例中に整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性創業当初からの体験教室を継続し、体験型観光への関心が高まる中で設備導入を決めた経緯があり、事業との一貫性がうかがえる。ただし経営戦略上の位置付けは明記されていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    創業当初からの体験教室を継続し、体験型観光への関心が高まる中で設備導入を決めた経緯があり、事業との一貫性がうかがえる。ただし経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    観光団体客のニーズや体験教室の申込増加、国内で唯一採掘できる石英玄武岩という経営資源に触れているが、競争優位としての分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    ガラス彫刻体験が70〜90分かかり団体客を断っていた課題を認識し、レーザー加工機導入で短縮し年間1万人規模の利用客確保につなげたと具体的に読み取れる。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    年間1万人程度の利用客確保と団体客受け入れ可能化は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    体験型観光の人気、ガラス彫刻体験の団体観光客ニーズ、瑞風の車内備品採用という選ばれる理由が事例中に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の内製化による納期短縮に触れるが、中長期の課題検証や遂行スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    石英玄武岩を用いた独創的な製品開発や高付加価値化を目指すとあるが、ジャンルの普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の観光資源や観光団体客の受け入れに触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果2

    作業時間短縮や外注内製化による効果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー加工機やパソコンでの図案取り込みというデジタル活用がうかがえるが、地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    国内唯一採掘の石英玄武岩を活かした製品と観光との結びつきが書かれ、地域特性の活用はうかがえるが、雇用や地域成長への言及は薄い。

今後の展望

今回のレーザー加工機の導入を発展の一つのステップと捉え、高付加価値で独創的な製品を世に送り出していく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。