ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

半導体製造プロセスに係る石英ガラス製品工程の一部内製化による生産性の向上の実現

株式会社 福島石英

この事例のポイント

  • 石英ガラス製品を図面に基づく手作業の溶接加工で一つ一つオーダーメイドしており、手間と時間がかかっていた。
  • レーザー切断機、サンドブラスト機、電気炉を導入し、材料の切断やサンドブラスト加工を自社で行える体制を整えた。
  • レーザー切断機による切断・微細加工では作業時間が52%削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 福島石英
所在地福島県 郡山市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1995年

事業の背景

当社は40年ほど前から半導体製造で用いる石英ガラス製品を手がけてきた。従来は顧客の図面に基づき手作業で溶接加工し、一点ずつオーダーメイドで仕上げる方法を長く採ってきた。ノウハウは蓄積されたものの、外注委託費や工程の非効率が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力石英ガラス製品を図面に基づく手作業の溶接加工で一つ一つオーダーメイドしており、手間と時間がかかっていた。
  • コスト・採算工程の一部を外注しており、外注委託費とランニングコストが大きな負担になっていた。
  • 納期・工程金額や納期が合わず、受注を断念していた案件があった。

やったこと

レーザー切断機、サンドブラスト機、電気炉を導入し、材料の切断やサンドブラスト加工を自社で行える体制を整えた。導入した設備で4in石英バッフル板を試作して作業時間とコストを検証し、機械操作のスタッフ教育とメーカーでの研修を実施した。電気炉は最高温度1300℃で、熱処理工程を内製化した。切断・微細加工、サンドブラスト処理、熱処理の加工時間を30〜50%短縮し、外注費20%、消費電力30%、消耗品50%の削減を目標とした。

加工機レーザー切断機
加工機サンドブラスト機
加工機電気炉

新しい製品・サービス:石英ガラスに意匠を施した工芸品やインテリア用品

事業の効果

レーザー切断機による切断・微細加工では作業時間が52%削減された。月平均200万円の売り上げで試算すると、月10〜16万円の外注委託費を減らせる見込みである。サンドブラスト機による遮光加工は62%の時間短縮、電気炉による熱処理は33%の時間短縮となり、消費電力も下がった。熱源の交換費用は年間20万円削減できることも分かった。すべての工程で作業時間短縮とコスト削減が実証された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    40年来の石英ガラス製造の蓄積を背景に内製化を進める方針が読み取れる。ただ明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    4in石英バッフル板の受注や、金額・納期が合わず断念していた案件への対応拡大など、強みと市場機会の関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    外注委託費・手作業の課題を挙げ、レーザー切断機等で作業時間を52%・62%・33%削減、委託費10〜16万円/月軽減と数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間30〜50%短縮、外注費20%・消費電力30%・消耗品50%削減の目標が数値で示され、試作での実証も記載されている。

  • 事業を進める体制3

    機械操作のスタッフ教育やメーカー研修の実施が記載されているが、体制の人数や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    半導体製造向け石英ガラス製品と工芸品の顧客ターゲットや、精密加工の差別化・ワンストップ対応の理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    研磨・研削工程の外注など残課題と一貫内製化の方向性は示されるが、スケジュールの記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    石英ガラス工芸品分野で先駆的な取組とされ、精密加工による高付加価値の意匠製品を展開している点が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    半導体分野の競争力強化や美術工芸の普及に触れるが、経済波及や雇用創出の国の積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    年間20万円の熱源交換費削減や月10〜16万円の委託費軽減など費用対効果の一端は示されるが、補助金額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー切断機や電気炉の導入は述べられるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記述は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    グローバルな技術革新や再編が見られる半導体分野の競争力強化に触れるが、構造転換との関連は薄い。

  • 地域経済への波及3

    郡山市の事業者として工芸品・修理需要に取り組むことは読み取れるが、地域経済や雇用への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

研磨・研削工程を含めた一貫した内製化システムを立ち上げることが今後の経営課題である。石英ガラス製品の修理・改造依頼も増えており、電気炉を活用して新規顧客の獲得や技術開発を進める。

事業者の声

モノづくりの世界には「これで良い、と思ったら成長は止まる」という戒めが生きているように感じます。石英ガラスに特化し、さまざまな加工技術を発揮する私たちは培ってきた技能の研鑽と継承に努めるとともに、たゆまぬ進歩を求め、現場からの発想を実践に活かしています。グローバルな技術革新、再編の波が見られる半導体分野において石英ガラス製品の競争力を高めていきます。また、巧みなセンスが活きる美術・工芸製品を通し、優れた持ち味の素材を知っていただく機会が増えるよう願っています。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。