ものづくり補助金平成27年度製造業山口県

幼稚園制服専門メーカーとしての品揃え充実とオリジナルニーズの対応力向上

中村被服株式会社

成果生産時間を約2割削減できた

この事例のポイント

  • 国内協力工場の廃業や担い手の高齢化により、生産体制の確保が年々厳しくなっている。
  • 多品種少量生産に対応するため、セル生産ラインを拡大し、「1本針本縫自動糸切りミシン」と「アイロン仕上げ台」を増設した。
  • 生産時間を約2割削減できた。セル生産ラインの拡大により多品種少量生産への対応力が高まり、生産時間は約2割削減された。

事業者のプロフィール

事業者名中村被服株式会社
所在地山口県 防府市
業種繊維工業
技術分野デザイン
従業員数123人
資本金6,000万円
設立1924年

事業の背景

大正13年創業の縫製メーカーで、幼稚園・保育園の制服の企画製造販売のほか、中学校や企業・官公庁の制服も扱っている。安価な大量製品はベトナムの協力工場で生産し、中ロットの計画的な生産は国内協力工場で行っていた。少子化が進む一方、個性化や多様性への理解が広がり、園からは特注デザインや個別マーク加工を施したオリジナル制服のニーズが増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力国内協力工場の廃業や担い手の高齢化により、生産体制の確保が年々厳しくなっている。
  • 人手・技能自社における多品種少量生産の効率化が課題となっていた。
  • 納期・工程3月の園児募集締切後の注文に対し、短納期・小ロットでの生産が求められていた。

やったこと

多品種少量生産に対応するため、セル生産ラインを拡大し、「1本針本縫自動糸切りミシン」と「アイロン仕上げ台」を増設した。帽子生産では「エアー式直線式接着プレス機」を導入し、表地と芯地を貼り合わせた状態でパーツ裁断を行えるようにした。オリジナル制服のマーク加工には「転写プリント機」「カッティングプロッター」「熱プレス機」を導入し、加工精度を高めた。

  • 加工機1本針本縫自動糸切りミシンアイロン仕上げ台エアー式直線式接着プレス機転写プリント機カッティングプロッター熱プレス機

新しい製品・サービス:オリジナル制服(マーク加工を施した特注デザイン制服)

事業の効果

  • 生産時間を約2割削減できた
  • 従来よりも半分の時間で帽子の縫製を行えるようになった

セル生産ラインの拡大により多品種少量生産への対応力が高まり、生産時間は約2割削減された。接着プレス機の導入で裁断作業が1回になり、帽子の縫製は従来の半分の時間でできるようになった。転写プリント機などによる加工精度の向上でオリジナル制服の短納期対応も実現した。少量多品種・短納期の注文が増え、多能工の育成にも役立っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性全国4,000園以上との取引実績や、園児募集締切後の短納期・小ロット注文への対応課題が示され、顧客動向と自社の強みを踏まえた内容がうかがえる。
  • 4
    課題の認識と解決国内協力工場の廃業や担い手高齢化、自社の多品種少量生産の効率化課題を明示し、セル生産導入で生産時間を約2割削減すると具体的に記している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産時間の約2割削減や帽子縫製の半分の時間という効果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業1924年の縫製メーカーで園児服の企画製造を手がけ、多品種少量生産への対応強化を課題としている点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国4,000園以上との取引実績や、園児募集締切後の短納期・小ロット注文への対応課題が示され、顧客動向と自社の強みを踏まえた内容がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    国内協力工場の廃業や担い手高齢化、自社の多品種少量生産の効率化課題を明示し、セル生産導入で生産時間を約2割削減すると具体的に記している。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産時間の約2割削減や帽子縫製の半分の時間という効果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員数123名や多能工の育成環境整備に触れているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    オリジナル制服の特注デザインや個別マーク加工へのニーズ増加、顧客の幼稚園・保育園が示されるが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として新入社員採用や在宅勤務整備に触れるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    幼稚園制服の分野で全国4,000園以上との取引や保冷ボックスのブランド展開に触れるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    衰退する縫製業界での国内生産体制の維持や国内循環の仕組みづくりに言及するが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    生産時間約2割削減や帽子縫製の時間半減など効果は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    転写プリント機やカッティングプロッターの導入で加工精度を高め短納期を実現したと書かれ、デジタル機器の活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は示されない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    山口県防府市の企業である点は示されるが、地域特性を活かした付加価値創出や地域経済成長への寄与は具体的に書かれていない。

今後の展望

自社生産品の製造コストを下げて市場に見合う価格設定を可能にし、国内外で縫製した製品にマーク加工を施して商品価値を高めていく。新入社員の採用を続け、在宅勤務など柔軟な働き方を整えて国内循環の仕組みやネットワークを強化したい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。