ものづくり補助金平成27年度製造業山口県

世界初!黒毛和牛の熟成・抗酸化特殊冷凍システムによる保存・解凍後『完全復元』技術の開発

有限会社梶岡牧場

この事例のポイント

  • 牛肉生鮮品は一頭まるごと売り切る必要があり、賞味期限が短いため廃棄ロスが生じていた。
  • 微弱な電気をかけて肉の細胞を壊さずに冷凍する特許技術「抗酸化冷凍システム」を導入し、身が引き締まった状態で冷凍・解凍できるようにした。
  • 熟成ピークで冷凍して長期保存しても完全復元できるようになり、柔らかくおいしい熟成肉をロスなく消費者に届けられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社梶岡牧場
所在地山口県 美祢市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数8人
資本金800万円
設立1968年

事業の背景

梶岡牧場は黒毛和牛の繁殖・肥育から自社レストランでの提供まで一貫して行う経営をしている。牛肉生鮮品は通常、チルド部分肉の賞味期限が45日と短く、枝肉で2〜3週間のうちに売り切らなければロスになる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力牛肉生鮮品は一頭まるごと売り切る必要があり、賞味期限が短いため廃棄ロスが生じていた。
  • 品質・精度チルド部分肉は時間が経つと色味や風味が損なわれ、おいしさを維持できなかった。
  • 新製品・新技術和牛肉のおいしさと安全性を保ったまま、これまで前例のない熟成・冷凍システムを構築する必要があった。

やったこと

微弱な電気をかけて肉の細胞を壊さずに冷凍する特許技術「抗酸化冷凍システム」を導入し、身が引き締まった状態で冷凍・解凍できるようにした。雑菌の繁殖なく温度・湿度を高度に制御する精密熟成庫で、未利用部位を有効活用し、アミノ酸の増加による食味と柔らかさを向上させた。熟成のピークで抗酸化冷凍することで、長期保存後も完全復元できるようにした。

事業の効果

熟成ピークで冷凍して長期保存しても完全復元できるようになり、柔らかくおいしい熟成肉をロスなく消費者に届けられるようになった。経産牛など従来は硬く相場の低かった部位も付加価値の高い商品にできるようになった。ECサイトを通じて消費者のニーズに合ったタイミングで販売でき、売る機会を逃さず食品ロスゼロを実現する仕組みができた。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 5

この事例が強かった観点

  • 5
    新しさ・高付加価値一般的に劣化が早く味が落ちる内臓肉も抗酸化冷凍後に冷凍前とほぼ変わらない状態を保つ、前例のない高付加価値化を実現している。
  • 4
    これまでの取組との一貫性創業50年の節目に繁殖・肥育を始め、土づくりから提供まで一気通貫で経営してきた流れの上に、抗酸化冷凍と熟成の取組を位置付けている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性経産牛など相場の低い部位も熟成で柔らかくし高付加価値化できる、と自社の強みを活かした差別化が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値向上の方向性は示すが、売上増加率や付加価値額などの具体的な目標値は記載されておらず、実現可能性は判断しにくい。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    創業50年の節目に繁殖・肥育を始め、土づくりから提供まで一気通貫で経営してきた流れの上に、抗酸化冷凍と熟成の取組を位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    経産牛など相場の低い部位も熟成で柔らかくし高付加価値化できる、と自社の強みを活かした差別化が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    チルド部分肉の賞味期限45日・売り切りまで2〜3週間という課題を示し、熟成ピーク冷凍で廃棄ロスゼロを目指す解決策を提示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値向上の方向性は示すが、売上増加率や付加価値額などの具体的な目標値は記載されておらず、実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制3

    従業員8名の体制と、開発元と情報共有しながら技術改良を続ける連携が書かれており、遂行体制は一定程度確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ECサイトを通じて消費者ニーズに合ったタイミングで販売する仕組みや、おいしさの維持を訴求点として明確に整理している。

  • 事業化までの道筋3

    データ蓄積による経年変化の検証、他食品への応用、冷凍・レトルト商品の開発計画など、中長期の展開が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    一般的に劣化が早く味が落ちる内臓肉も抗酸化冷凍後に冷凍前とほぼ変わらない状態を保つ、前例のない高付加価値化を実現している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    県内外・海外へ梶岡牧場のおいしさを届けるとしており、地域の食や畜産の持続につながる一定の波及性が読み取れる。

  • 費用対効果2

    投資額と付加価値増加の関係は示されておらず、費用対効果を裏付ける数値は記載されていないため、判断材料が薄い。

  • イノベーションへの貢献3

    抗酸化冷凍という特許技術を用い、電荷の数値プログラムを変えて野菜や果物など他食品にも応用する構想が示されている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    食品ロス削減という社会的課題に触れているが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    山口県の自社ブランド和牛を地域で育て、自社レストランで提供する一気通貫の事業で、地域の付加価値を高めている。

今後の展望

冷凍状態での経月・経年変化を追ってデータを蓄積し、開発元と共有しながら技術改良を続ける。野菜や果物の冷凍保存、冷凍食品・レトルト食品などの開発も計画している。

事業者の声

「喜ばれる命のつなぎ方」を体現するために

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。