ものづくり補助金平成27年度製造業山口県

「かける」ヨーグルト連続生産ラインを確立による生産能力の拡大。

やまぐち県酪乳業株式会社

この事例のポイント

  • 主力の「そよ風ヨーグルト」はロングセラーだが、大手メーカーのプレーンヨーグルトの牙城を崩せずにいた。
  • 遊休設備として保管していたBF31ヨーグルト充填機を「かけるヨーグルト」専用の充填機として活用し、新設のラインを専用の連続生産ラインとして確立した。
  • 専用の連続生産ラインの確立により、時間当たり約2,800個の製造が可能となり、確立前と比べて月間800千個の生産能力が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名やまぐち県酪乳業株式会社
所在地山口県
業種食料品製造業
技術分野バイオ

事業の背景

主力の「そよ風ヨーグルト」は中国・九州地区を中心に販売するロングセラー商品だが、大手メーカーのプレーンヨーグルトの牙城は崩せずにいた。グラノーラ市場は近年急伸し、特にフルーツグラノーラは大きな伸びを見せていた。その中で、フルーツグラノーラにヨーグルトをかけて食べる消費者に着目し、カルビー株式会社の「フルグラ」をメインターゲットとして商品開発に着手し、平成27年1月に完成させた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信主力の「そよ風ヨーグルト」はロングセラーだが、大手メーカーのプレーンヨーグルトの牙城を崩せずにいた。
  • 生産能力「かけるヨーグルト」の大手コンビニ限定供給に続き大手流通チェーンへの供給も始まり、専用の連続生産ラインを確立しないと生産能力が追いつかない恐れがあった。
  • 品質・精度BF31ヨーグルト充填機は駆動部の振動で製品の中身が容器からこぼれる課題があった。
  • 品質・精度容器への印字は賞味期限のみで、トレーサビリティを確保するための製造情報コードを印字できなかった。

やったこと

遊休設備として保管していたBF31ヨーグルト充填機を「かけるヨーグルト」専用の充填機として活用し、新設のラインを専用の連続生産ラインとして確立した。充填機は駆動部のオーバーホールを実施し、駆動部からの振動を軽減して製品の液面揺れを抑えた。インクジェットプリンターを改良し、賞味期限に加えて製造情報を示すコードを印字できるようにした。文字検査装置を導入して印字ミスやドット欠けを監視し、バーコードリーダーを導入して異なる種類のカップの混入を防ぐ体制を構築した。テスト製造の結果、時間当たり約2,800個の製造が可能となり、確立前と比べて月間800千個の生産能力向上となった。ラインを分けたことで製品切り替え時の時間ロスが解消し、約1時間/日の作業時間短縮につながった。

新しい製品・サービス:かけるヨーグルト

事業の効果

専用の連続生産ラインの確立により、時間当たり約2,800個の製造が可能となり、確立前と比べて月間800千個の生産能力が向上した。製品切り替え時の時間ロスが解消され、約1時間/日の作業時間が短縮された。充填機のオーバーホールで製品の液面揺れが抑えられ、文字検査装置とバーコードリーダーにより印字ミスや異なる容器の混入を防ぐ体制が整った。インクジェットプリンターの改良によりトレーサビリティを確保できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性フルグラのかけるヨーグルト市場の伸びに着目し、大手コンビニで展開済みと具体的だが、競合分析や自社の強みの比較は薄い。
  • 4
    課題の認識と解決生産能力が追いつかない課題に対し、時間当たり約2,800個、月間800千個の能力向上と約1時間/日の時間短縮が数字で示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標月間800千個の生産能力向上と1時間/日の作業時間短縮という数値目標があり、テスト製造の結果も示されている。賃上げ目標は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制ライン確立やテスト製造の実施は書かれているが、補助事業を遂行する人材や体制の具体的な記述は読み取れない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    40年以上のヨーグルト製造技術の蓄積と「発酵のスペシャリスト」を掲げ、前発酵製品専用ラインを今後のシリーズ化に活かす方針が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    フルグラのかけるヨーグルト市場の伸びに着目し、大手コンビニで展開済みと具体的だが、競合分析や自社の強みの比較は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    生産能力が追いつかない課題に対し、時間当たり約2,800個、月間800千個の能力向上と約1時間/日の時間短縮が数字で示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月間800千個の生産能力向上と1時間/日の作業時間短縮という数値目標があり、テスト製造の結果も示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    ライン確立やテスト製造の実施は書かれているが、補助事業を遂行する人材や体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    かけるヨーグルトの開発経緯や、フルグラ購入者という顧客ターゲット、大手流通での展開など、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    スーパー等量販店への展開や供給地域拡大、生乳100%ヨーグルトのシリーズ化など中期の方針はあるが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    グラノーラ市場の急伸は書かれているが、ヨーグルトのジャンルでの高付加価値化や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    大手流通への供給拡大や地域展開に触れているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的な理由は読み取れない。

  • 費用対効果4

    遊休設備の活用と既存設備の改良で新規購入を抑えつつ、月間800千個増産と1時間/日の短縮という効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    トレーサビリティ確保のためのコード印字や文字検査、バーコードリーダー導入などの取組があるが、先端的デジタル技術の記述は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    山口県の企業として地域の乳業を担う事例だが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への波及の記述は薄い。

今後の展望

カルビーフルグラヨーグルトは大手コンビニで展開したが、今後はスーパー等の量販店への展開や供給地域の拡大を考えている。専用ラインの確立で前発酵製品の生産体制も整ったため、前発酵タイプの生乳100%ヨーグルトを新製品として開発し、シリーズ化していく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。