ものづくり補助金平成30年度製造業奈良県

連続二次加圧による複雑形状シェル中子の生産性向上

大谷シェル株式会社

成果独自技術により製品にもよるが不良品率は(前の数値は読み取れず)から2%程度まで低減

この事例のポイント

  • 複雑な金型では鋳物砂が隅々まで行き渡らず形成不良品が発生し、不良率が高い製品もあった。
  • 独自技術である連続二次加圧式を機能として組み込んだ造形機を導入し、鋳物砂の充填を自動で行えるようにした。
  • 独自技術により製品にもよるが不良品率は(前の数値は読み取れず)から2%程度まで低減。機械化と自動化により手作業による品質や作業時間の個人差がなくなり、品質が安定・向上した。

事業者のプロフィール

事業者名大谷シェル株式会社
所在地奈良県 桜井市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野精密加工

事業の背景

当社は油圧機器向けの複雑なシェル中子を得意とする専門メーカーである。数年前までは取引先がほぼ一社だったが、長年の技術力が評価され、コロナ禍の業界変動を乗り越えて複数の大手鋳物メーカーと取引を結んだ。近年は大手農機メーカーとも取引し、農業機械や建設機械のエンジン部品向けにも事業を広げている。建設機械業界では油圧機器に組み込まれる鋳造部品の複雑・高度化が加速している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度複雑な金型では鋳物砂が隅々まで行き渡らず形成不良品が発生し、不良率が高い製品もあった。
  • 生産能力独自技術を行使するために造形機での手動操作が必要で、作業効率が著しく落ちていた。
  • 人手・技能バリ取り工程は作業者による個人差が発生し、品質と作業時間にばらつきがあった。
  • 人手・技能中子業界は人材不足が深刻で、熟練のノウハウを承継する仕組みが課題だった。
  • 生産能力作業効率の低さから機会損失が発生しており、短納期・変量ロットへの対応力も不足していた。

やったこと

独自技術である連続二次加圧式を機能として組み込んだ造形機を導入し、鋳物砂の充填を自動で行えるようにした。これにより従来の手動操作を不要にして製造工程の効率化を図った。また焼成後のバリ取り・組立と塗型の工程にロボットを導入し、作業の機械化と自動化を進めた。

加工機独自技術を機能として組み込んだ造形機
ロボットロボット

事業の効果

  • 独自技術により製品にもよるが不良品率は(前の数値は読み取れず)から2%程度まで低減

機械化と自動化により手作業による品質や作業時間の個人差がなくなり、品質が安定・向上した。作業効率が上がり製造リードタイムも短縮された。不良品率が2%程度まで下がったことで原料を節約でき、コストダウンにつながった。人材不足の中で熟練のノウハウを数値化して技術承継を実現し、短納期・変量ロットへの対応力も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去のノウハウや独自技術「連続二次加圧式」を基盤に事業を拡大したと書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    油圧機器向けの複雑形状に強みがあり、他社が断る製品を完品納入できると書かれているが、市場動向との関係は具体的でない。

  • 課題の認識と解決3

    不良率が一割超から2%程度に下がったと数字で示されるが、高付加価値化・成長につながる事業計画としての記述は薄い。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    不良率の低減や効率化は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    人材不足や技術承継への言及はあるが、補助事業を遂行する体制や人員の記載は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    油圧機器やエンジン部品向けの顧客と、短納期・変量ロットへの対応力が挙げられているが、ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    自動化を今後も積極的に進めると述べるのみで、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    モノブロックコントロールバルブ等で製造できるメーカーが全国で数社のみという高難度分野で、不良率を大きく下げた点が書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    人材不足の解消や技術承継という社会的意義がうかがえるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    不良率を一割超から2%程度に低減し、原料節約とコストダウンにつながったと具体的な数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    ロボットによる自動化と造形機への独自技術の組み込みが書かれ、デジタル技術の活用がうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は述べられていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県桜井市の事業者であることは書かれているが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

機械化・自動化により将来的には価格競争力の向上につながるとみており、今後も積極的に自動化を進めていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。