ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業愛媛県

無人航空機の自動制御システムの開発と導入

株式会社ジツタ

この事例のポイント

  • ドローンの構造物点検では建物等の障害により人力での操作が必要で、高度な熟練技術を要する。
  • ドローンを制御するため、自動的にドローンを追尾する機能を有する測量器械、ドローン自動追尾トータルステーションを購入した。
  • 2台の自動追尾型トータルステーションの各々に人を配置することで、正確で安全な飛行を熟練技術を必要とせずに行う方法の確立に向けて、相互に受け渡すことができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ジツタ
所在地愛媛県 松山市
業種機械器具卸売業
従業員数45人
資本金1,600万円
設立1949年

事業の背景

当社は法人向けにシステムやサービスを提供しており、社会インフラ構築に係る自動化システムやICTソリューションの提供、森林林業界向けのシステムやサービス、公共機関や民間企業からの委託研究開発の3事業を営んでいる。ドローンは「空の産業革命」と称され将来性が高く評価されているが、自立航法はGPSに依存しており、構造物付近での精度低下が弱点となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能ドローンの構造物点検では建物等の障害により人力での操作が必要で、高度な熟練技術を要する。
  • 生産能力GPSは構造物に接近すると精度が低下するため、熟練操縦者の有無がドローンビジネスの可能性を制限している。

やったこと

ドローンを制御するため、自動的にドローンを追尾する機能を有する測量器械、ドローン自動追尾トータルステーションを購入した。同機でドローンを追尾し、自社開発のドローン制御用ソフトウェアによって自動で制御する手法を構築した。また、2台以上のトータルステーションを使い、ドローンが構造物の裏側に回る前に2台目のトータルステーションに追尾を受け渡す手法を構築した。

検査測定ドローン自動追尾トータルステーション
ソフトドローン制御用ソフトウェア(自社開発)

新しい製品・サービス:無人航空機の自動制御システム

事業の効果

2台の自動追尾型トータルステーションの各々に人を配置することで、正確で安全な飛行を熟練技術を必要とせずに行う方法の確立に向けて、相互に受け渡すことができた。複数台を用いる場合も1名の作業者で対応できる機能など、各種業務への採用に必要な機能を把握できた。今後はソフトウェアの2次開発・改良により効率化・高精度化につなげる予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の測量機器・林業向けシステム開発の延長として位置づけられるが、経営戦略上の明確な位置づけは文章からは読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    GPSが構造物付近で精度低下するという弱みを、トータルステーション併用で補う手法を示し、400万円台+320万円で700万円台の価格競争力を示している。

  • 課題の認識と解決3

    ドローン操縦の熟練依存という課題は認識されているが、高付加価値化や成長につながる具体的な計画数値は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売価格目標は示されているが、付加価値額の増加や賃上げにつながる目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員45名の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    熟練操縦者不足という課題、運搬・点検・測量等の用途、700万円台の販売価格目標など、顧客と選ばれる理由が具体的に読める。

  • 事業化までの道筋3

    2台目への受け渡し手法や今後のソフトウェア2次開発の方向は示されているが、スケジュールや期限は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存の測量ドローン市場で高額なIMU方式より安価な方式を示し、1,300万〜4,000万円に対し700万円台と高付加価値より低価格化を図る内容が読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    物流・点検・測量・警備・農林業など幅広い分野への効率化波及が述べられているが、国が補助する理由としての定量的根拠は薄い。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す付加価値額や生産性の数値は書かれておらず、効果は定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    自動制御ドローンという先端技術の活用は読み取れるが、サプライチェーンや地域全体へのイノベーション波及の記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    ドローンが「空の産業革命」と位置づけられる成長分野への進出はうかがえるが、構造転換への言及は限定的。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後ソフトウェアの2次開発・改良に取り組み、効率化・高精度化の実現に繋げていく。700万円台での販売開始を目指し、ソフトウェアの開発と改良に尽力していく。

  • 目標:計測装置の価格 1,300万円→700万円

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。