ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業新潟県

3Dレーザースキャナ搭載マルチコプターの試作開発による新サービスと業種拡大

金井度量衡株式会社

成果地上計測との精度比較で平均誤差±1.2mm、最大誤差±2.2mm

この事例のポイント

  • 従来の地上計測は設置箇所が限定的で非効率であった。
  • 純国産マルチコプターにレーザースキャナを搭載し、千葉大学発ベンチャーの㈱自律制御システム研究所の指導を受けて、安全運航の準備と自律飛行制御を整えた。
  • 地上計測との精度比較で平均誤差±1.2mm、最大誤差±2.2mm。計測作業の時間は300秒から73秒に短縮され、作業経費は約30%削減された。

事業者のプロフィール

事業者名金井度量衡株式会社
所在地新潟県 新潟市
業種機械器具卸売業
従業員数44人
資本金3,000万円
設立1959年

事業の背景

「ハカリ」の製造販売をルーツとし、各種測量機器や計量機器の販売・保守、環境・気象・土木計測機器の設置・設計施工まで手がけてきた。建設分野では3Dレーザー計測の各手法が一般化しつつあった。マルチコプターは測量分野などで活用が進み始めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の地上計測は設置箇所が限定的で非効率であった。
  • コスト・採算有人航空機や車載計測は小回りが利かず、双方費用対効果が課題であった。
  • 新製品・新技術災害やインフラ等の調査業務の安全性と効率を高める新しい計測手段が求められていた。

やったこと

純国産マルチコプターにレーザースキャナを搭載し、千葉大学発ベンチャーの㈱自律制御システム研究所の指導を受けて、安全運航の準備と自律飛行制御を整えた。下方向から上方向まで330°の広角計測が可能な小型レーザースキャナ、レーザーデータ合成や3D化などの後処理ソフトウェアを設備した。レーザースキャナ及び関係部品と同重量のダミーウェイトを用いて試験飛行を行い、取付ジグで仕掛品をマルチコプターに実装して取付調整・バランス調整を実施した。屋内実験場と屋外で飛行試験と自律飛行制御のチューニングを行い、従来方法との比較実証を実施した。

その他3Dレーザースキャナ搭載マルチコプター
検査測定小型レーザースキャナ(330°広角計測)
ソフトレーザーデータ後処理ソフトウェア
その他特殊映像伝送装置・カメラ・大容量バッテリー

新しい製品・サービス:純国産マルチコプターにレーザースキャナを搭載した3D計測用の計測用マルチコプター(新サービス)

事業の効果

  • 地上計測との精度比較で平均誤差±1.2mm、最大誤差±2.2mm
  • 30,000m2の計測作業時間 300秒→73秒
  • 作業面積 1倍→3倍
  • 作業時間の短縮及び計測補助人員1名、技術管理費、安全管理費の削減により作業経費は約30%削減

計測作業の時間は300秒から73秒に短縮され、作業経費は約30%削減された。スキャンによる全周計測で作業面積は約3倍に拡大し、交通量の多い市街地や被災地などでも安全に計測できるようになった。計測精度は実用可能な水準が得られた。アンケートでは期待を示す先が60%あり、トンネル・橋梁・災害調査に強い関心が寄せられている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    「ハカリ」の製造販売をルーツとし測量機器の販売保守に取り組んできた経緯はあるが、ドローン事業の位置づけを経営戦略として明示する記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ドローン分野で千葉大と連携し2011年からコンソーシアムに関わった経緯があり、市場や強みに触れるが、競争優位の具体的な数字は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    地上計測は設置箇所が限定的、有人機や車載は小回りが利かないと課題を整理し、実効性は読み取れるが事業計画の数値目標は見当たらない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    30,000m2の計測時間が300秒から73秒に短縮、作業経費は約30%削減と数字で成果が示されており、付加価値向上の実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    千葉大学発ベンチャーの知識を取り入れ、ドローンスクールで人材育成を進めると読み取れるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    トンネル・橋梁・災害調査で各社が強い関心を示し、アンケートで期待を示した先が60%と数字で顧客ニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    社内研修や見本市出展、安全ガイドライン策定など段階的な進め方は示されるが、スケジュールの具体的な期間は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    マルチコプターへのレーザースキャナ搭載は新市場の取り組みと読めるが、普及度の比較データは示されていない。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    災害やインフラ等の調査の安全性向上を目指すとあり社会的意義は読み取れるが、経済波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    作業時間の短縮と計測補助人員1名、管理費等の削減で作業経費約30%減と、費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    マルチコプターにレーザースキャナを搭載し、遠隔操作で安全性を高める新たなサービスを示しており、先端技術による業界貢献が読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ドローン事業への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換にどう資するかの記述は薄い。

  • 地域経済への波及2

    新潟の本社所在地は示されるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

トンネル・橋梁・災害調査など各社の関心に応え、新サービスと業種拡大を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。