ものづくり補助金平成27年度製造業佐賀県

丸印専用半自動精密研磨機の導入による量産技術の確立

株式会社 アイテク

成果作業効率 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 丸棒印の仕上げ作業を手作業で行っていたため、製品精度を維持しながら大量に生産することが難しかった。
  • 「丸印専用半自動精密研磨機」を独自に開発・導入し、従来手作業で行っていた丸棒印の仕上げ作業を機械化した。
  • 作業効率 1倍→2倍。2工程を1台の機械で処理できるようになり、同じ時間での作業効率が従来の2倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 アイテク
所在地佐賀県 吉野ヶ里町
業種木材・木製品製造業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数19人
資本金1,500万円
設立1989年

事業の背景

当社は木製印鑑材料を製造しており、卒業シーズンの記念品である卒業印は一度の出荷量が通常より非常に多い。現在主流の黒水牛印材は原材料の枯渇で安定供給が難しくなり、印鑑以外の記念品に切り替える学校が増えている。また、同業他社の廃業もあり、その需要を担う量産体制が必要とされていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力丸棒印の仕上げ作業を手作業で行っていたため、製品精度を維持しながら大量に生産することが難しかった。
  • その他主流の黒水牛印材が原材料の枯渇により安定供給が難しくなっており、代替素材の供給体制が求められていた。
  • 品質・精度印章業界では高い寸法精度が求められるため、作業速度と精度の向上が必須だった。

やったこと

「丸印専用半自動精密研磨機」を独自に開発・導入し、従来手作業で行っていた丸棒印の仕上げ作業を機械化した。機械は荒研磨で0.5mm、仕上げ研磨で0.2mmの研磨を施し、バリや欠けを取り除いて均一な長さに仕上げられる。印材の出荷時に印面をサンディングペーパーで2度研磨し、一定の厚みを削ったうえで垂直度を出す機械を設計・製造した。サンディングペーパーのメーカーを調査して適正なものを選定し、両研磨ユニットの傾きを試行して入口を広く取れるように修正した。傾きを大きくしたことで減った接触面積は、ドラムの回転速度を落として接触時間を増やすことでカバーした。

加工機丸印専用半自動精密研磨機

新しい製品・サービス:黒色のエコロジー印材

事業の効果

  • 作業効率 1倍→2倍

2工程を1台の機械で処理できるようになり、同じ時間での作業効率が従来の2倍になった。連続した手作業による従業員の負担も軽減された。品質が安定し、今後の新規雇用時の技術習得も容易になる見込みである。機械導入により想定される需要増にも高品質かつ安定して対応でき、同業他社の廃業分を含め注文の増加も期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成26年度補正に次ぐ2度目の補助事業で、28年度も設備投資を続けたと書かれ、継続的な投資の流れはうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    黒水牛印材の枯渇による代替需要を狙い、黒色のエコロジー印材を開発したと書かれ、外部環境への対応は読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の丸棒印仕上げを機械化し、2工程を1台で処理して作業効率が従来の2倍になったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業効率2倍や需要増への対応は書かれているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    機械を自社で開発・導入し試行調整したと書かれているが、補助事業を担う人員や事務体制の具体的な記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    卒業シーズンの需要ピークや同業廃業による需要の取り込みが書かれ、顧客ニーズの裏付けはあるが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    サンディングペーパーの選定、傾きの調整、ドラム回転速度の変更など、課題と解決の順序が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    黒色のエコロジー印材を開発し、動物性印材の代替として高精度・量産の仕組みを整えた点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    卒業印の安定供給と印章文化の維持に貢献すると書かれているが、雇用や波及効果の規模は示されていない。

  • 費用対効果3

    作業効率が従来の2倍になったと書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    伝統的な印章業界の課題への対応として書かれているが、日本経済の構造転換に関する記述はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県吉野ヶ里町の事業者として印章文化の継続に貢献すると書かれているが、地域の雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新しい素材による新商品開発や拡販に必要な印材知識の啓蒙活動を進める。必要に応じて技術への投資を積極的に行い、新技術の情報を定期的に入手して生産活動への活用を検討していく。28年度補助事業でも歩留りを効率化する設備投資を行い、3年連続で単年度ごとに設備投資を実施して量産技術を確立している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。