ものづくり補助金平成27年度建設業佐賀県

レディメイド方式の革新的工法の確立による圧倒的工期短縮・品質改善

株式会社井手口鉄筋

成果ユニットの出荷時の積み上げ高さ 30cm→15cm

この事例のポイント

  • 現場での鉄筋溶接工程は人材に依存しており、品質にバラつきがあった。
  • 工場内で溶接作業を完結させるため、アップセットバット溶接機(TH-B100-D16)を導入した。
  • ユニットの出荷時の積み上げ高さ 30cm→15cm。溶接を工場で行えるようになり、ユニットの積み上げ高さが抑えられて集積率が1.5倍~2倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社井手口鉄筋
所在地佐賀県 武雄市
業種職別工事業
技術分野接合・実装
従業員数40人
資本金1,000万円
設立1967年

事業の背景

当社はレディメイド方式の工法としてジャバラユニット工法を採用し、通常は現場で行う組上作業を工場で行ってきた。ただし組み立てた鉄筋の溶接は現場で行っていたため、作業時間の短縮と品質の安定に課題があった。縮小しつつある業界の中で、新規の市場・分野への展開を図りたいと考えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度現場での鉄筋溶接工程は人材に依存しており、品質にバラつきがあった。
  • 生産能力現場での溶接作業時間が長く、鉄筋組立作業の生産性が低かった。
  • 新製品・新技術主筋の両末端部の圧着ができず、高層ビルなどには納品できなかった。
  • コスト・採算特殊結束バンドだけの組立では鉄筋交差部に凸凹が生じ、運搬時の積載量に限界があった。

やったこと

工場内で溶接作業を完結させるため、アップセットバット溶接機(TH-B100-D16)を導入した。選定理由は、対応剛性や形状の多様性に優れ多品種接合を効率的に行えることである。ジャバラユニット工法など当社の特殊工法と技術力を活かせるため、導入により強みを一層高められると考えた。主筋の末端部処理には閉鎖型圧着の方式を導入し、導入した圧着機械で閉鎖型のフープを作製する体制とした。

加工機アップセットバット溶接機(TH-B100-D16)
加工機圧着機械

新しい製品・サービス:ジャバラユニット工法による閉鎖型圧着を用いた鉄筋組立構造物

事業の効果

  • ユニットの出荷時の積み上げ高さ 30cm→15cm
  • 集積率 1倍→1.5倍
  • 現地でのユニット組立日数 10日→4.5日

溶接を工場で行えるようになり、ユニットの積み上げ高さが抑えられて集積率が1.5倍~2倍になった。現地でのユニット組立も約4~5日で完了できるようになった。寸法変更にも柔軟に対応でき、閉鎖型フープによりコンクリート打設時のジャンカや巣穴を大幅に減らし、品質の高い構造物を造れるようになった。今後は作業者の負担軽減により高齢者や女性など新たな人材の確保と、鉄筋加工物の品質安定による耐震・免震性の強化を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    ジャバラユニット工法という従来の特殊工法を基盤に溶接工程を工場内化したと読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    特殊工法と高い技術力を強みとして差別化を図る旨が書かれるが、市場や競合の状況には触れられていない。

  • 課題の認識と解決4

    現場溶接の品質バラつきや作業時間の長期化という課題を認識し、工場内溶接で解決する計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    現場での組立作業が平均10日から4~5日に短縮され、積上げ高さも30cmから15cmへの改善が示されており、数値目標の裏付けがある。

  • 事業を進める体制2

    経営体制や事務処理能力について言及はないが、既存の工法運用実績から一定の技術体制がうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高層ビルなどへの納品可能性、耐震・免震性、ジャンカ防止といった製品価値とターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の工程改善は書かれるが、中長期の検証や遂行スケジュールの記載は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    縮小しつつある業界で新規市場・分野への展開を図るとあるが、高付加価値化や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    耐震・免震性の強化や地域経済の雇用創出・賃金上昇への貢献が述べられているが、波及効果の定量的記載はない。

  • 費用対効果4

    ユニット組立日数の10日から4~5日への短縮や集積率1.5~2倍など、効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    溶接工程の自動化には触れるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの記載はわずかにうかがえる程度。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県の地域企業として地域の雇用創出や賃金上昇に言及しているが、地域特性の具体的活用は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

溶接工程の強化と自動化により作業者の負担を軽減し、高齢者や女性など新たな人材を確保する。鉄筋加工物の品質を安定させ、建築物の耐震・免震性を強化する。新規雇用を生み、生産性向上の成果は社員の給与増加として還元する。縮小しつつある業界の中で新規の市場・分野への展開を図る。

事業者の声

顧客の信頼と満足を第一とする。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。