ものづくり補助金平成27年度学術研究、専門・技術サービス業長崎県

建設現場のニーズに応えた3D測量設計モデルの開発事業

青心工測株式会社

この事例のポイント

  • 従来型の2次元で作成した設計図では完成イメージがつかみにくかった。
  • 求める3D測量設計モデルを確立するため設備を選定し、3Dレーザースキャナーはライカジオシステム製の世界最高峰と言われるモデルを導入した。
  • 導入した設備により1/1モデルで建設物を再現できるようになり、作業員全員で完成イメージを共有できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名青心工測株式会社
所在地長崎県
業種技術サービス業
従業員数3人
資本金100万円
設立2014年

事業の背景

インフラ整備事業に関わる測量・調査設計と、建設業者が土木工事の着工前に行う着工前測量業務を主力としている。平成23年5月の創業当時から、2次元の設計図では完成イメージがつかみにくく、土量計算などの誤差が工事の遅れやコスト増につながるという課題があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来型の2次元で作成した設計図では完成イメージがつかみにくかった。
  • コスト・採算土量計算などに誤差が生じ、工事の遅れやコスト増を招いていた。
  • 販路・情報発信同じ設備を持つ県外企業の進出を許している現状に危機感があった。

やったこと

求める3D測量設計モデルを確立するため設備を選定し、3Dレーザースキャナーはライカジオシステム製の世界最高峰と言われるモデルを導入した。あわせて3Dデータ解析ソフト、編集ソフト、3D設計製作ソフトなどを導入し、代表者と従業員全員で基本操作の習得に努め、実務レベルに達するまで技術を習得した。既存取引先やメーカーの協力を得て、長崎県内の河川築堤建設現場で3Dレーザースキャナーによる着工前の地形測量を実施し、得られたデータを解析・編集した。これをもとに3D設計製作を行って3D測量設計モデルを構築し、盛土量・切土量の土量計算を実施した。解析・編集作業には想定外の時間を要したが、実地経験を積んだことでソフトウェアの早期習得につながり、今後の標準となり得る実績を残すことができた。この現場では作業日数が従来法と比べ半減し、ソフトウェアの習得状況によりさらに削減できる目途がついた。

  • 検査測定3Dレーザースキャナーライカジオシステム製
  • ソフト3Dデータ解析ソフト編集ソフト3D設計製作ソフト

新しい製品・サービス:3D測量設計モデル

事業の効果

導入した設備により1/1モデルで建設物を再現できるようになり、作業員全員で完成イメージを共有できるようになった。これにより既存取引先との関係が強化され、安定した受注確保につながった。建設業界以外の造船業やプラント構内など受注の幅も広がりつつある。ICT建設機械の遠隔操作の基本データとしても活用されており、災害復旧計画策定に伴う測量・調査などで市場のニーズは高い。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決土量計算の誤差による工事遅れ・コスト増という課題を示し、作業日数が従来法と比べ半減した実績で解決の方向性が具体的に読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け1/1サイズで建設物を再現し完成イメージを共有できる価値と、既存取引先や災害復旧測量などの市場ニーズが示されている。
  • 4
    イノベーションへの貢献3Dレーザースキャナーと3D設計ソフトで1/1モデルを構築し、ICT建設機械の遠隔操作の基本データとして活用する点が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標作業日数の半減や削減の目途は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、わずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    平成23年創業の測量業務が主力で、従来の2次元設計の課題から3Dモデル構築へ進んだ経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県外企業の進出への危機感や既存取引先との関係強化が書かれ、外部環境と強みの一端はうかがえるが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    土量計算の誤差による工事遅れ・コスト増という課題を示し、作業日数が従来法と比べ半減した実績で解決の方向性が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業日数の半減や削減の目途は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    代表者と従業員全員で基本操作を習得し実務レベルをめざしたとあるが、従業員3名の体制と事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    1/1サイズで建設物を再現し完成イメージを共有できる価値と、既存取引先や災害復旧測量などの市場ニーズが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    ソフト習得を進め今後の標準となる実績を残したとあるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    3D測量設計モデルは建設業界以外へ受注を広げつつあるとあるが、普及度や高水準の高付加価値化の数値的根拠は書かれていない。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    災害復旧計画策定に伴う測量の市場ニーズや県外企業への対抗の必要性が書かれ、地域インフラへの貢献がうかがえる。

  • 費用対効果3

    作業日数が従来法と比べ半減したことは費用対効果を示唆するが、補助金投入額に対する付加価値増加は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dレーザースキャナーと3D設計ソフトで1/1モデルを構築し、ICT建設機械の遠隔操作の基本データとして活用する点が具体的に書かれている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    建設業から造船業やプラント構内への受注拡大が書かれ、新分野への進出がわずかにうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    長崎県内の河川築堤現場での実施や地域の既存取引先との関係強化が書かれ、地域での事業展開は読み取れるが、雇用創出の記載はない。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。