ものづくり補助金平成26年度学術研究、専門・技術サービス業山形県

マルチコプターによる写真測量及び航空レーザデータを使用した計測技術の更なる向上

株式会社双葉建設コンサルタント

この事例のポイント

  • 急峻地や崖、災害現場の測量は作業員が計測ポイントで座標・標高を測るため、安全性と効率性に課題があった。
  • 崩壊地や急斜面の測量で人が直接現地に立ち入らずに計測できるよう、マルチコプター(UAV)とTLSを導入した。
  • UAVの映像を現場で確認できるようになり、災害現場のリアルタイムな状況把握が可能になって顧客満足度が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社双葉建設コンサルタント
所在地山形県 新庄市
業種技術サービス業
従業員数61人
資本金1,000万円
設立1967年

事業の背景

株式会社双葉建設コンサルタントは昭和42年設立の総合建設コンサルタントで、建設・建築設計、補償コンサルティング、地理情報システムによるデータ構築、測量、地質・環境調査などを手がける。計画から維持管理までを一貫して提供することを特徴としている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度急峻地や崖、災害現場の測量は作業員が計測ポイントで座標・標高を測るため、安全性と効率性に課題があった。
  • 人手・技能災害現場で崩壊地の断面を計測するには、見張り要員を含め多くの作業員と時間が必要だった。
  • 品質・精度斜面下部から上部への横断測量では現地に立ち入れない場合があり、高い精度で図示できなかった。
  • 生産能力既存のTLSは機器の設置場所や樹木が障害となり、災害現場の全体把握ができず、顧客の急な問い合わせに充分対応できなかった。

やったこと

崩壊地や急斜面の測量で人が直接現地に立ち入らずに計測できるよう、マルチコプター(UAV)とTLSを導入した。UAVの操作訓練、性能の検証、3Dプログラムのデータ作成および解析試験を実施した。UAVによるデジタル写真撮影とTLSによるデジタル計測を組み合わせた。

その他マルチコプター(UAV)
検査測定3Dレーザースキャナー(TLS)

事業の効果

UAVの映像を現場で確認できるようになり、災害現場のリアルタイムな状況把握が可能になって顧客満足度が向上した。撮影データを送信すれば現場にいなくても状況確認ができる。UAV導入で安全性が確保され、作業時間の短縮と人員縮小によりコストを削減できた。上空からの正確なデータ収集により3D地形モデルが計画範囲全体を詳細に網羅し、その後の作業計画にも活用できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性は読み取れず、従来の測量の課題と新技術導入の経緯は書かれているが、経営戦略上の位置付けは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    災害現場の把握に対応しきれなかった課題は書かれているが、市場動向や自社の強み・弱みとの関係は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決3

    災害状況把握での対応不足や危険箇所での課題は認識されているが、高付加価値化や成長につながる計画としての具体性は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間の短縮や人員縮小、コスト削減は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    UAVの操作訓練や性能検証を実施したと書かれているが、体制や人材の詳細は記載されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    災害現場の全体把握や安全性という価値は示されているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けの具体性は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として協定に基づく初動体制や付加価値向上の方向性は書かれているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    マルチコプターによる写真測量は測量分野で新しい取組とうかがえるが、普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    災害時の初動把握や建設関連業の人材確保への言及はあるが、経済波及効果や国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    作業時間の短縮や人員縮小、コスト削減への言及はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    UAVとTLSを組み合わせ、画像データの送信や3Dモデル活用で地域の災害対応に貢献する点は読み取れるが、サプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山形県内での災害協定に基づくUAV初動体制の整備が書かれており、地域での活用は読み取れるが、雇用創出や成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

山形県測量設計業協会を通じた災害協定に基づき、国土交通省東北地方整備局や山形県と連携してUAVによる初動体制を整えつつあり、災害時以外にも活用していく。新規受注を視野に写真測量を業務の付加価値向上に用い、作業従事者の技術研鑽にも努める。測量に新技術を取り入れて新たな人材の確保にもつなげたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。