ものづくり補助金平成27年度製造業長崎県

下降線をたどる島原手延べ製麺業界で、生き残るための新しい麺開発

この事例のポイント

  • 島原手延べ素麺の需要は平成15年頃をピークに減少傾向にあり、安価品の台頭もあって生き残るための新しい麺製品が必要だった。
  • 麺全体に螺旋状の「ヨリ」をかけた「よりかけ麺」の量産体制を構築するため、製造機械を導入した。
  • 長崎アンテナショップ「日本橋長崎館」や「アミュプラザ長崎」での取り扱いが始まった。

事業者のプロフィール

所在地長崎県 南島原市
業種食料品製造業
技術分野材料製造プロセス,製造環境
従業員数3人
設立1993年

事業の背景

歴史と技術に定評のある島原手延べ素麺の製造業者の1社として、高品質な製品を供給してきた。しかし安価品の台頭などで平成15年頃をピークに需要は減少傾向となった。代表は素麺に代わる新たな麺製品の開発の必要性を感じ、素麺の製造を続けながら新製品の開発に着手した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他島原手延べ素麺の需要は平成15年頃をピークに減少傾向にあり、安価品の台頭もあって生き残るための新しい麺製品が必要だった。
  • 生産能力「よりかけ麺」を量産するための製造機械が必要だった。

やったこと

麺全体に螺旋状の「ヨリ」をかけた「よりかけ麺」の量産体制を構築するため、製造機械を導入した。螺旋形状に対応する機械をメーカーと検討し、当初の回転機能付中空ガイド管だけでは最適な捻じり形状を維持できなかったため、受けるタライも同時に回転させて安定した捻じり形状の維持に成功し、生産性も向上させた。麺の切断ではダイヤモンドカッター刃を用いた切断機に回転速度を調節する機能を付加し、割れの少ない長さの揃った麺を安定的にカットできるようにした。使用する小麦粉は大手メーカーと協力して約20パターンのブレンド試作を行い最適なものを選定した。さらに螺旋形状の乾麺や製造装置、量産対応装置について実用新案登録を進め、平成28年4月に「よりかけ」を商標登録した。

  • 加工機回転機能付中空ガイド管麺捻じり部品ダイヤモンドカッター刃を用いた切断機回転速度調節機能付き麺の製造機械

新しい製品・サービス:よりかけ麺

事業の効果

長崎アンテナショップ「日本橋長崎館」や「アミュプラザ長崎」での取り扱いが始まった。テレビ番組や雑誌で紹介され、平成29年3月には第48回長崎県特産品新作展で優秀賞を受賞するなど知名度が高まった。楽天市場内で「よりかけ麺」の検索履歴が多かったことから出店の打診を複数回受け、現在出店に向けて最終調整に入っている。また商社との商談も進めている。生産性も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    新しさ・高付加価値素麺の業界では見られない螺旋状ヨリをかけた新麺で、商標登録や実用新案登録を行い、独自ブランドとして確立している。
  • 4
    課題の認識と解決素麺需要減少という課題を認識し、ヨリをかけた新麺で量産体制を構築する計画が具体的に書かれ、高付加価値化の方向性が読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け茹でてもヨリを維持しスープやソースが絡む特徴と国産小麦100%の食感が明示され、顧客や選ばれる理由が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    費用対効果機械導入の投入額や付加価値額の増加に関する数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    素麺製造の傍ら平成15年頃から新麺開発に着手し、手延べ素麺の技術を活かした経緯が読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    素麺需要が平成15年頃をピークに減少し安価品が台頭したことが書かれ、外部環境は読み取れるが、競争優位の定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    素麺需要減少という課題を認識し、ヨリをかけた新麺で量産体制を構築する計画が具体的に書かれ、高付加価値化の方向性が読み取れる。

事業の実現可能性3.3
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    代表の開発経緯や機械メーカーとの協議、実用新案・商標登録の記述はあるが、従業員3名の体制と事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    茹でてもヨリを維持しスープやソースが絡む特徴と国産小麦100%の食感が明示され、顧客や選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    機械の試行錯誤や量産対応の流れは書かれているが、中長期のスケジュールや今後の課題解決方法の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    素麺の業界では見られない螺旋状ヨリをかけた新麺で、商標登録や実用新案登録を行い、独自ブランドとして確立している。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    島原手延べ素麺業界の下降線を背景に、新たな麺製品の開発と販路拡大で地域産業を支える姿が読み取れるが、雇用や波及効果の数値は薄い。

  • 費用対効果2

    機械導入の投入額や付加価値額の増加に関する数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用やサプライチェーン全体への貢献は書かれておらず、製造機械の導入にとどまるためわずかにうかがえる。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    島原の手延べ素麺の技術を活かした新麺で、長崎県特産品新作展優秀賞や百貨店・アンテナショップでの取扱いが具体的に書かれ、地域特性の活用が読み取れる。

今後の展望

楽天市場への出店に向けて最終調整中であり、商社との商談も進めている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。