ものづくり補助金平成27年度製造業長崎県

大規模農家向け中型乗用自走式農業機械の製造と販売

田中工機株式会社

成果箱型部品の作成時間 30分→20分

この事例のポイント

  • 大手メーカーやユーザーから強く要望される「アガール」の安定供給に応える量産体制が整っていなかった。
  • 最新式のタレパン・レーザー加工複合機として、村田機械製のレーザーパンチ複合機「IM2558HL」を導入した。
  • 箱型部品の作成時間 30分→20分。最新モデル設備の導入により、図面からのプレス加工でコストダウンが図れ、生産コストが10%削減された。

事業者のプロフィール

事業者名田中工機株式会社
所在地長崎県 大村市
業種はん用機械器具製造業
技術分野デザイン,精密加工
従業員数24人
資本金1,000万円
設立1968年

事業の背景

1949年(昭和24年)に鍛造刃物の製作会社として創業し、その後大手メーカーのOEMで農機具製作を始めた。独自の技術力を蓄積して自社製品の開発に着手し、じゃがいもやたまねぎ生産の小規模農家向けの小型農業機械を製造販売してきた。現在は大農家向けの自走式中型農業機械「アガール」の市場反応が良く、大手メーカーやユーザーから安定供給を強く要望されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大手メーカーやユーザーから強く要望される「アガール」の安定供給に応える量産体制が整っていなかった。
  • 生産能力多品種小ロットの機械生産に対応するため、加工の生産性を高める必要があった。
  • コスト・採算金型が必要な従来の部品成型では製作時間とコストがかかっていた。
  • コスト・採算金属だけでなく樹脂材の加工を外注しており、工程を内製化する必要があった。

やったこと

最新式のタレパン・レーザー加工複合機として、村田機械製のレーザーパンチ複合機「IM2558HL」を導入した。金型がなくても部品成型ができ、多品種少量生産・短納期・コスト削減を実現するための設備である。箱型部品を実際に製作し、従来の製作方法と比較して優位性を明らかにした。樹脂材料の切断加工実験を行い、被加工面の表面粗さが最小となる最適な加工条件を決定した。これにより、これまで外注していた樹脂材料の加工を内製化し、コスト削減と短納期への対応ができるようになった。

  • 加工機レーザーパンチ複合機 IM2558HL村田機械製

事業の効果

  • 箱型部品の作成時間 30分→20分

最新モデル設備の導入により、図面からのプレス加工でコストダウンが図れ、生産コストが10%削減された。納期も10%短縮され、リードタイムが短縮できて生産能力が向上した。掴み換えが不要になったことで加工精度は±0.1mm以内となった。異種材料である金属と樹脂材料に対応できるようになり、成果を上げた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    付加価値・賃上げの目標生産コスト10%削減、納期10%短縮、加工精度±0.1mm以内など具体的な目標と実績の数値が示されている。
  • 4
    事業化までの道筋樹脂材の切断条件を実験で決定し、箱型部品で従来30分を20分に短縮する比較検証を行った手順が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値多品種少量の高精度加工で、箱型部品作成時間を30分から20分へ短縮し異種材料に対応する高水準の加工を図っている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数24名や設立年月は記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は見当たらない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和24年の鍛造刃物製作からの創業と、OEM後に自社製品開発へ進んだ経緯が書かれ、農機製造の一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大農家向け自走式機の市場反応が良く安定供給を強く要望されたとあり、強みは読み取れるが市場データは示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    外注の内製化と生産能力向上を課題として認識し、タレパン導入でリードタイム短縮を図るとあるが、高付加価値化の具体的計画は薄い。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産コスト10%削減、納期10%短縮、加工精度±0.1mm以内など具体的な目標と実績の数値が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数24名や設立年月は記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    アガールは高齢化する産地でニーズが高いと示され、顧客ターゲットは読み取れるが選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    樹脂材の切断条件を実験で決定し、箱型部品で従来30分を20分に短縮する比較検証を行った手順が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    多品種少量の高精度加工で、箱型部品作成時間を30分から20分へ短縮し異種材料に対応する高水準の加工を図っている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    高齢化する農家の作業負担軽減や産地のニーズに応えるとあり、地域農業への貢献はうかがえるが波及効果の定量は薄い。

  • 費用対効果4

    生産コスト10%削減や納期10%短縮など、投入設備に対する効果が数値で示され費用対効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザーパンチ複合機の導入は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    高齢化が進む農業分野で省力化機械を提供するとあり、成長分野への進出がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    大村市の農機メーカーとして小規模農家向け製品を展開し地域の農業を支えるが、地域経済への波及の記述は限定的。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。