ものづくり補助金平成27年度製造業熊本県

軽量化合金の品質安定を確保する金型加工技術の高機能化

ネクサス株式会社

成果放電加工と比較して加工時間が75%短縮した

この事例のポイント

  • マグネシウム合金の射出成型金型は高速・高圧で使うため、金型構造をより高精度化することが重要になっていた。
  • ものづくり補助金を活用して高剛性・高精度のマシニングセンターを導入した。
  • 放電加工と比較して加工時間が75%短縮した。放電加工を省く「放電加工レス」を実現し、工数を大幅に削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名ネクサス株式会社
所在地熊本県 玉名郡南関町
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数207人
資本金9,170万円
設立1964年

事業の背景

当社はマグネシウム合金を半溶融射出成型法で射出成型加工している。マグネシウム合金は実用金属で最軽量かつ剛性があり、ヨーロッパの自動車業界を中心に需要が急速に伸びている。国内自動車部品の市場も拡大が見込まれ、平成25年の自動車電装部品の出荷額は1兆8,295億6,800万円であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度マグネシウム合金の射出成型金型は高速・高圧で使うため、金型構造をより高精度化することが重要になっていた。
  • コスト・採算高精度化を追求すると金型コストが増大し、受注活動の障壁となっていた。
  • 生産能力金型製作における放電加工や切削加工の工程と工数を減らし、生産性を向上させる必要があった。
  • 品質・精度切削加工で高精度仕上げを行い、ビビリを抑えた高品位仕上げを実現する必要があった。

やったこと

ものづくり補助金を活用して高剛性・高精度のマシニングセンターを導入した。従来機より高精度で精密加工でき、高い剛性を持つ最新鋭機で、放電加工を省く「放電加工レス」を実現した。ビビリの原因は工具の突き出し量が長いときの加工機の剛性不足であり、新旧機で切削面を比較した結果、旧型に比べて磨き加工工程を削減できた。切削加工と放電加工の精度と加工時間を比較したところ、加工精度でも放電加工から切削加工へ移行でき、加工時間は放電加工と比べて75%短縮した。

  • 加工機高剛性・高精度マシニングセンター

事業の効果

  • 放電加工と比較して加工時間が75%短縮した
  • 金型製作工程で70%削減

放電加工を省く「放電加工レス」を実現し、工数を大幅に削減できた。切削面の磨き加工工程を削減でき、加工精度でも放電加工から切削加工へ移行できる。加工時間は放電加工と比べて75%短縮した。マグネシウム合金関連で10億円規模の売上を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決金型コスト増が受注の障壁との課題を示し、放電加工と切削の複合化で工程削減と工数削減を図る具体策が書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標加工時間が放電加工比で75%短縮、磨き工程削減、工数大幅削減と数値目標の成果が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け自動車分野向けに放電加工レスの高精度加工を提供し、10億円規模の売上を目指すとの顧客ターゲットと選ばれる理由が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数207人は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    マグネシウム合金の射出成型と金型の高精度化が課題とされ、既存事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ヨーロッパ自動車業界の需要増やマグネシウム合金市場の見通しに触れ、外部環境は述べられているが、自社の強み・弱みの具体的記述は少ない。

  • 課題の認識と解決4

    金型コスト増が受注の障壁との課題を示し、放電加工と切削の複合化で工程削減と工数削減を図る具体策が書かれている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間が放電加工比で75%短縮、磨き工程削減、工数大幅削減と数値目標の成果が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数207人は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車分野向けに放電加工レスの高精度加工を提供し、10億円規模の売上を目指すとの顧客ターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    数年後に10億円規模の売上を目指すとの方向性はあるが、遂行方法やスケジュールの詳細は事例からは読み取れない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    マグネシウム合金の半溶融射出成型は高付加価値分野とされ、市場規模を137億円、潜在的に数千億円と具体的に示している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    国内自動車部品メーカーの課題や地球温暖化防止に触れるが、経済波及効果や雇用創出についての記述はわずかである。

  • 費用対効果4

    加工時間75%短縮や磨き工程の削減など具体的な生産性向上効果が示され、費用対効果の根拠がある程度読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    開発部門からのアプローチによる市場ニーズ把握の体制は触れられているが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    自動車分野の軽量化ニーズに応えるマグネシウム合金加工で、成長分野への進出が示唆されるが、構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

マグネシウム合金は自動車構造部品への利用が進むと潜在市場が数千億円を超えると見込まれる。総合商社と連携して顧客開拓を進め、開発部門からのアプローチで市場ニーズを把握し、数年後にマグネシウム合金関連で10億円規模の売上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。