ものづくり補助金平成27年度製造業熊本県

足底装具、インソール製作のためのCAD/CAMシステムの導入

有園義肢株式会社

この事例のポイント

  • インソールの製作は手作業が中心で、時間がかかっていた。
  • インソール製作に特化したCAD/CAMシステム「go-tec」を導入した。
  • CAD/CAMシステムの導入により手作業だった工程が自動化され、短納期で高精度のインソールを製作できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有園義肢株式会社
所在地熊本県 八代市
業種その他の製造業
技術分野機械制御,精密加工,測定計測,立体造形
従業員数58人
資本金2,000万円
設立1969年

事業の背景

当社は義肢装具の製造をはじめ、整形靴、座位保持装置の製造、コンフォートシューズの販売、装具関連部材の開発などを行っている。糖尿病の合併症である末梢神経障害により足の感覚が低下し、足のトラブルが起こりやすいため、足の状態に合った靴や装具を選ぶことが大切とされている。医療保険や障害者福祉の状況は会社設立時と大きく異なり、医療・福祉に関わる者にとって厳しい時代になりつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力インソールの製作は手作業が中心で、時間がかかっていた。
  • 品質・精度手作業では短納期で高精度のインソールを製作することが難しかった。
  • 生産能力形状をデータとして保存できず、再製作が容易ではなく生産効率が低かった。
  • 新製品・新技術糖尿病患者の早期装着と高い適合性を実現するオーダーインソールの開発が必要と考えられた。

やったこと

インソール製作に特化したCAD/CAMシステム「go-tec」を導入した。専用のスキャナーでユーザーの足底面の形状を計測し、採型したトリモルドをスキャンして、そのデータをコンピューター上に読み取れるようにした。これにより手作業だったものが自動化され、短納期で高精度の製作が可能になった。硬い素材による矯正や軟らかい素材による保護など様々な疾患に対応でき、素材の厚みに加えて前足部・後足部の部分ごとに厚みを調整できるようになった。足部に潰瘍等ができた患者を対象にいくつかの試作を行い、治療効果を確認するとともに、納期や品質を他社と比較しながら本格的な事業化を目指している。

新しい製品・サービス:オーダーインソールと既製品装具を組み合わせた新しい製品

事業の効果

CAD/CAMシステムの導入により手作業だった工程が自動化され、短納期で高精度のインソールを製作できるようになった。これにより適合性の高いオーダーインソールの製作が可能になった。形状データを保存できるため再製作も容易になり、生産効率が向上した。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性糖尿病の合併症で足の感覚が低下する患者の需要を踏まえ、早期装着・高い適合性を実現する点で差別化している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け糖尿病患者の足のトラブルに対応する需要を整理し、早期装着と高い適合性という選ばれる理由が明確。
  • 4
    イノベーションへの貢献3Dスキャンを使ったデータ化を導入し、今後は国産のCAD/CAMシステム構築へ向けソフト業界と協働する構想がある。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値化や賃上げの数値目標は書かれておらず、生産効率が上がったとの記述にとどまる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    義肢装具製造の本業に加え、既製品装具との組み合わせによる新製品の事業化を考えた経緯が書かれ、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    糖尿病の合併症で足の感覚が低下する患者の需要を踏まえ、早期装着・高い適合性を実現する点で差別化している。

  • 課題の認識と解決3

    手作業の自動化で短納期・高精度を実現し、再製作も容易になったと、課題に対する導入効果が示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの数値目標は書かれておらず、生産効率が上がったとの記述にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力についての記述は見当たらず、従業員数58人の記載のみ。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    糖尿病患者の足のトラブルに対応する需要を整理し、早期装着と高い適合性という選ばれる理由が明確。

  • 事業化までの道筋3

    足部潰瘍の患者を対象に試作と治療効果の確認を行い、本格的事業化へ進める段階が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    オーダーメイドのインソールと既製品装具の組み合わせで、他社に先駆けた新しい製品の創出を目指している。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    医療・福祉の現況の厳しさに触れるが、地域経済や雇用への波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャンを使ったデータ化を導入し、今後は国産のCAD/CAMシステム構築へ向けソフト業界と協働する構想がある。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    八代市の地域企業として営業しているが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

今後の展望

足を切断せずに治すためのフットケアを基本として、潰瘍のある患者を対象に試作と治療効果の確認を行い、本格的な事業化を目指す。今後はソフトウェア業界などと協働し、国産のCAD/CADシステムの構築も検討している。

事業者の声

身体機能でお困りの皆様やそのご家族を支えていきたいですね

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。