ものづくり補助金平成27年度サービス業(他に分類されないもの)大分県

ボールカッター導入による練り製品のQCDPSの向上

地方卸売市場株式会社高田魚市場

この事例のポイント

  • 練り製品の製造では、熟練職人の臼によるすり身作りや季節に応じた調整に頼っており、作業効率を上げにくかった。
  • 練り製品の製造で最も重要な設備であるボールカッターを導入した。
  • ボールカッターの導入により、練り製品の混合・細断・ペースト化が短時間で均一に行えるようになり、作業効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名地方卸売市場株式会社高田魚市場
所在地大分県 豊後高田市
業種その他のサービス業
技術分野製造環境
従業員数33人
資本金4,500万円
設立1948年

事業の背景

大分県は豊後水道や別府湾、豊前海などに恵まれた国内屈指の漁場を持つが、近年は漁場環境の変化による水産資源の減少や魚価の低迷、漁業資材の高騰による収益率の低下が続き、漁業関係者は厳しい経営環境にある。株式会社高田魚市場は1928年に開場した大分県内唯一の民間の地方卸売市場で、競り運営の市場部、卸売を行う直販部、練り製品を製造する加工部を持つ。加工部は1950年にかまぼこ工場が市場内に移転したことを皮切りに商品開発を重ね、市場が食品メーカーの事業も手がける独自の事業展開をしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力練り製品の製造では、熟練職人の臼によるすり身作りや季節に応じた調整に頼っており、作業効率を上げにくかった。
  • 品質・精度手作業に頼る製造のため、商品の品質を均一に保つことが難しかった。

やったこと

練り製品の製造で最も重要な設備であるボールカッターを導入した。選んだ機種はステンレス製の球形容器内で高速・真空・全自動運転により水産原料を混合する最新鋭のもので、短時間で均一な混合・細断・ペースト化を実現し、作業効率の向上を目指した。製品に合わせた設定をしておけば、経験の浅いパート社員でもレシピに従って操作盤に入力するだけで、コンピューター制御により均一な商品を作ることができる。新設備は作業効率化だけでなく、でんぷんを一切使わず魚本来の旨味を活かした『真玉の汐』や『えそ蒲鉾』などの新商品開発にも貢献した。

加工機ボールカッター

新しい製品・サービス:でんぷんを一切使わず魚本来の旨味を活かした『真玉の汐』、『えそ蒲鉾』

事業の効果

ボールカッターの導入により、練り製品の混合・細断・ペースト化が短時間で均一に行えるようになり、作業効率が向上した。経験の浅いパート社員でも同じ品質の商品を作れるようになった。新設備は新商品の開発にも貢献し、『真玉の汐』『えそ蒲鉾』が生まれた。本事業で生まれた商品は全国蒲鉾品評会で『真玉の汐』が2018年に知事賞、『えそ蒲鉾』が2019年に水産庁長官賞、『手打てん』が2020年に水産庁長官賞を受賞し、3年連続の受賞を果たした。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    1928年開場の市場が加工部で練り製品を製造し、1950年の工場移転を皮切りに商品開発を続けてきた経緯が事例に具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    直販部が仲買機能を担い、規格外の魚に対応する加工部を持つ点は読み取れるが、市場動向や競争優位を数値で示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    ボールカッター導入で作業効率化と均一化を目指し、新商品開発につながった流れは読めるが、課題認識と計画の具体的な数値は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業効率の向上を目指したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値、実現可能性を示す数字は事例に書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    パート社員でも操作盤にレシピを入力すれば均一に製造できる体制が書かれているが、人材や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    『真玉の汐』『えそ蒲鉾』など製品の特徴や全国蒲鉾品評会での受賞歴が具体的に書かれ、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    海外市場への販路開拓を今後の方針として語っているが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ボールカッターで製造した『真玉の汐』がでんぷんを使わず魚の旨味を活かす高付加価値商品で、全国品評会で知事賞や水産庁長官賞を3年連続受賞している。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    大分県の水産環境や地方卸売市場の役割に触れ、地域の水産業への貢献はうかがえるが、雇用や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献3

    Webカメラによる見える化やタブレットでの競り運営などIT活用は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献の記述は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    海外市場への販路開拓に言及しており、新たな市場への進出の方向性はわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及4

    豊後高田で水揚げされた鱧を使った商品など地域の水産資源を活かした製品づくりが具体的に書かれ、地域の特性を活かしている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

作業効率化にとどまらない高付加価値商品開発の勢いは、さらなる波及効果を呼びそうだ。海外市場に向けた県産水産物の販路開拓にも力を入れていきたいとしている。

事業者の声

海外市場に向けた県産水産物の販路開拓にも力を入れていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

岩手県サービス業(他に分類されないもの)平成26年度

顧客のニーズの先を見据えたカーライフサポートの充実

板金塗装専用工場を新築し、車両塗装と乾燥を行う塗装用スプレーブース、車両の骨格修正に使うフレーム修正機、コンプレッサーの3種の設備を導入し…

効果:フレーム修正作業時間 1.7時間→1時間

広島県サービス業(他に分類されないもの)平成27年度

自動車整備のプロセス改善と高度化計画

支柱の間隔が広い門型2柱リフトワイドを2式と低床式エアーガレージジャッキを1台導入し、旧型リフト2台と入れ替えた。

効果:タイヤ脱着工程の順番待ち時間 100分/日→15分/日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。