ものづくり補助金平成27年度製造業大分県

地元特産品を使った和洋新商品開発と設備導入による商品開発力・品質・生産性の向上

成果生地を均等に伸ばす作業時間 180秒→10秒

この事例のポイント

  • 大手コンビニやカフェチェーンのオリジナルスイーツが台頭する中で、独自性のある商品をどう開発するかが大きな課題になっていた。
  • 生地自動絞り出し機を導入した。
  • 生地を均等に伸ばす作業時間 180秒→10秒。生地自動絞り出し機により熟練職人でなければできなかった生地伸ばしが自動化され、作業時間が大幅に短縮されてスタッフの作業…

事業者のプロフィール

所在地大分県 津久見市
業種食料品製造業
従業員数2人
設立1965年

事業の背景

広戸菓子舗は津久見市でチーズケーキの名店として知られ、1965年に和菓子店として創業した。洋菓子の修業を積んだ2代目の廣戸和彦氏と娘のパティシエが親子三代で店に立ち、『セメント饅頭』『22才の別れ』などのオリジナル商品を展開していた。スイーツ市場は贈答品や手みやげ需要が広がる一方で新規参入が続き、地方の和洋菓子店は独自性のある商品開発が大きなテーマになっていた。2017年9月の台風18号で一時営業を中断したが、店は復活した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術大手コンビニやカフェチェーンのオリジナルスイーツが台頭する中で、独自性のある商品をどう開発するかが大きな課題になっていた。
  • 人手・技能熟練職人でなければできなかった生地を均等に伸ばす作業に180秒を要し、スタッフの作業負担が大きかった。

やったこと

生地自動絞り出し機を導入した。シート状(ロールケーキ、バームクーヘン等)、スティック状(エクレア、スティックケーキ等)、ボール状(シュークリーム、マカロン等)と様々な形状の絞り出しができ、生地の種類や当日の気温に合わせて絞り出しスピードをパネル操作で微調整できる。あわせてスチームラックオーブンを設置した。従来より気密性が高く高圧加熱が可能な構造で、高品質の菓子を大量に短時間で焼き上げられるようにした。これにより『セメント饅頭』等の新商品の開発に至った。

加工機生地自動絞り出し機
加工機スチームラックオーブン

新しい製品・サービス:『セメント饅頭』等の新商品、『ふくさラスク』、『求肥入りプリン』

事業の効果

  • 生地を均等に伸ばす作業時間 180秒→10秒
  • オーブンの天板枚数 4枚→10枚

生地自動絞り出し機により熟練職人でなければできなかった生地伸ばしが自動化され、作業時間が大幅に短縮されてスタッフの作業負担も減った。スチームラックオーブンの導入で天板枚数が増え、短時間で高品質に焼き上げられるようになり生産量も増えた。柑橘の香りを保てることや内外を同時に加熱できることから、『ふくさラスク』や『求肥入りプリン』の開発にもつながった。作業効率の向上と生産量の増大に加え、新商品開発への意欲も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の和菓子店からチーズケーキ等の洋菓子へ展開し、セメント饅頭など商品開発に熱心だと読み取れる。戦略上の位置付けは明記されない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    スイーツ市場の競合激化と地方菓子店の独自性の必要性が書かれ、津久見らしさを出した商品で差別化する方針がうかがえる。自社の強み分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決3

    手作業の生地伸ばしが180秒から10秒に短縮されたと書かれ、課題と効果は読み取れる。ただし事業計画上の目標値や高付加価値化の具体策は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間の短縮や天板枚数の増加は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    親子三代の菓子職人やパティシエ資格者が記載されるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    チーズケーキの名店として知られ、セメント饅頭など津久見らしい商品と顧客の支持(ロングセラー化)が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    本事業後に新商品開発へ至ったと書かれるが、中長期の検証や遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    スイーツ市場は競合が多く普及したジャンルだが、地元素材を使った独自の和洋菓子で差別化しようとしている。高水準の高価格化は読み取れない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地元特産品を使った商品開発で地域色が出ると書かれるが、経済波及や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    作業時間の大幅短縮や生産量の増大は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    自動絞り出し機とスチームラックオーブンという機械化は読み取れるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    津久見の地元素材や地域出身者にちなんだ商品を開発し地域の知名度を高めたと書かれ、地域特性の活用はうかがえる。雇用創出は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

競合が増える一方のスイーツ市場で、地元ならではの素材を生かして差別化を図り、販路を広げていく考えである。

事業者の声

地元ならではの素材を活かしながら差別化を図り、販路拡大につなげていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。