ものづくり補助金平成27年度製造業大分県

3次元CAD/CAM導入による金型加工技術の向上と新規分野開拓の実現

有限会社豊州モールド

成果プログラミングの作成のみで見ると約30%の時間短縮

この事例のポイント

  • 3次元加工を必要とする精密金型の案件が多いが、3次元CAD/CAMがないため受注の機会を逃しており、高付加価値な金型加工への参入が遅れている。
  • C&Gシステムズ社製の3次元CAD/CAMソフト「TCAM-TOOL」を導入した。
  • プログラミングの作成のみで見ると約30%の時間短縮。3次元CAD/CAMの導入により、手仕上げの磨き作業が不要になり、切削面の仕上がりが向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社豊州モールド
所在地大分県 佐伯市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工,立体造形
従業員数2人
資本金300万円
設立2001年

事業の背景

同社は医療用射出成形金型の設計・製作を主事業としている。金型製作は受注生産が中心のため、どうしても受け身の事業となりやすい。以前にものづくり補助金で3軸マシニングセンタを導入していたが、その能力を十分に引き出すため3次元CAD/CAMを導入する必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力3次元加工を必要とする精密金型の案件が多いが、3次元CAD/CAMがないため受注の機会を逃しており、高付加価値な金型加工への参入が遅れている。
  • 人手・技能手仕上げの磨き作業に手間がかかっていた。
  • コスト・採算既存の2軸NCフライス盤では粗加工用の放電電極製作が必要で、加工時間がかかっていた。
  • 新製品・新技術受注生産が中心で受け身の事業となりやすく、自社主導の事業展開が進めにくい。

やったこと

C&Gシステムズ社製の3次元CAD/CAMソフト「TCAM-TOOL」を導入した。複雑な形状の加工にこのソフトを活用し、3軸加工機と組み合わせて食品成形用の金型開発、送電線接続部のカバーの金型加工、複雑な形状の波よけブロックモデルの試作に取り組んだ。切削面がきれいに仕上がるため、手仕上げで行っていた磨き作業が不要になった。3軸の加工機で放電加工用の電極の粗加工を代替できるようになり、加工時間が短縮した。これまで大分県産業科学技術センターの設備を借りて作成していたゴム金型のNCプログラムも自社で作れるようになった。

事業の効果

  • プログラミングの作成のみで見ると約30%の時間短縮

3次元CAD/CAMの導入により、手仕上げの磨き作業が不要になり、切削面の仕上がりが向上した。放電加工用電極の粗加工を自社の3軸加工機で代替できるようになり、加工時間が短縮した。外部設備を借りていたNCプログラム作成も自社で行えるようになり、その都度発生していた出向きの必要がなくなった。マシニングセンタを稼働させながらプログラム修正を並行して行えるようになり、全体で見るとプログラミングの約30%の時間短縮以上の効果が出ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決3次元加工が必要な案件を受注できず高付加価値分野に参入が遅れていた課題を示し、多分野開拓と新規顧客獲得で経営安定を目指す計画。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、経営安定化という定性的な目指しにとどまる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    医療用射出成形金型の受注中心から自社主導へ転換する計画で、既存の3軸MCを土台に3次元CAD/CAMを導入する一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来は2軸NCフライスが主力だったが、3軸化と3次元CAD/CAMで手仕上げ磨き不要など加工力を強める内容が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    3次元加工が必要な案件を受注できず高付加価値分野に参入が遅れていた課題を示し、多分野開拓と新規顧客獲得で経営安定を目指す計画。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、経営安定化という定性的な目指しにとどまる。

  • 事業を進める体制3

    既存の3軸MCや社内の加工技術者による運用、外部設備に頼っていた工程の内製化など、遂行体制の記述がある。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    意匠性の高い仕事や顧客から形状相談を受ける体制など、ターゲットと選ばれる理由が示されている。ニーズの裏付けは限定的。

  • 事業化までの道筋3

    プログラム作成技術の習熟や実加工での凹凸・加工残りへの対策など、課題と解決方法への取組が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    精密金型や意匠性の高い加工へ参入し、付加価値の高い金型を製作する方向性が示されている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域への波及効果や雇用創出などの公的な必要性を示す記述は薄く、経営安定化が中心。

  • 費用対効果2

    加工時間の約30%短縮などの効果はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3次元CAD/CAMを活用するが、地域やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は記述されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    大分県佐伯市の小規模企業として技術力を高める記述はあるが、地域経済や雇用への牽引効果は書かれていない。

今後の展望

精度の高い仕事ができる体制が整ったことで、外観や見た目にこだわった意匠性の高い仕事が期待できる。顧客から複雑な形状の相談を受けた際にも、相談しながら作れる体制ができた。今後は企業各社への提案営業を強化し、自社製品の開発も目指す。

事業者の声

3次元加工機を導入したことでこれにかかわる仕事が増加したということはないが、これまで断っていた仕事を拒まず、何でもできるという考え方に変わっている

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。