ものづくり補助金平成27年度農業、林業鹿児島県

郷土保存食製法の桜島灰干しによる長期保存可能な 豚肉加工品開発

有限会社大成畜産

この事例のポイント

  • 熟成肉の問い合わせが取引先企業から多く寄せられていたが、熟成肉の製造設備を持っていなかった。
  • 鹿児島に昔から伝わる桜島灰干し製法を応用し、自社ブランド豚「やごろう豚」を使った長期保存可能な豚肉加工品を開発した。
  • 内臓のドライエージング商品は競合他社に類を見ない商品で、これまで取引のなかった新たな企業との取引を目指している。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社大成畜産
所在地鹿児島県 曽於市
業種農業
技術分野製造環境
従業員数53人
資本金300万円
設立1998年

事業の背景

弊社は自社ブランド豚「やごろう豚」を年間3万頭、一貫して生産している。熟成肉ブームの影響で取引先企業から熟成肉の問い合わせが多く寄せられていたが、製造設備を持っていなかった。また、内臓(モツ)の処理は手作業に頼っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術熟成肉の問い合わせが取引先企業から多く寄せられていたが、熟成肉の製造設備を持っていなかった。
  • 人手・技能内臓(モツ)のぬめりや臭いの除去を食塩を使った手作業で行っており、時間と労力がかかっていた。
  • 生産能力完全な加工に適した設備を保有しておらず、内臓を活用することに課題を抱えていた。

やったこと

鹿児島に昔から伝わる桜島灰干し製法を応用し、自社ブランド豚「やごろう豚」を使った長期保存可能な豚肉加工品を開発した。豚肉の桜島灰干しは弊社のみが行っている製法である。保存期間と旨味成分が大きく高まる商品を目指した。内臓のドライエージング商品を製造するための設備を導入した。この設備により、これまで手作業で行っていた内臓の処理を機械で行えるようになった。現在は農場4箇所で、5農場の母豚2,000頭、肉豚35,000頭の規模に拡大している。

加工機内臓のドライエージング用の製造設備

新しい製品・サービス:桜島灰干し製法を応用した長期保存可能な豚肉加工品(豚肉の桜島灰干し)

事業の効果

内臓のドライエージング商品は競合他社に類を見ない商品で、これまで取引のなかった新たな企業との取引を目指している。豚肉の桜島灰干しにより、保存期間と旨味成分が大きく高まることが期待される。内臓の除去処理を機械化したことで、手作業による時間と労力が減ることが見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成10年設立で養豚業55年の歴史があり、自社ブランド豚やごろう豚を軸にした事業の一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは記載が少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    年間3万頭一貫生産や4箇所の農場、熟成肉の取引先からの問い合わせが多いという外部環境に触れ、自社の生産規模を強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    内臓のぬめり・臭い除去が手作業で時間と労力を要していたという課題を認識し、設備導入で内臓活用を進める方向が書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、新規取引先の獲得を目指すとの記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員53名、農場4箇所、設立からの運営実績は読み取れるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    灰干し製法は弊社のみで、ステーキや鹿児島のおつまみなど商品例はあるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体的に書かれていない。

  • 事業化までの道筋2

    今後の取組として展示会出展や商品のバージョンアップが挙げられているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    桜島灰干しによる豚肉加工は弊社のみとされ、内臓のドライエージング商品は競合他社に類を見ないと記載されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    鹿児島の伝承製法の継承や地域の食文化への言及はあるが、波及効果や雇用創出の具体的数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    保存期間と旨味成分が飛躍的にアップすると記載されるが、費用対効果を示す数値や付加価値額の増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    熟成肉ブームへの対応は触れられているが、日本経済の構造転換に資する具体的な位置付けは読み取れない。

  • 地域経済への波及4

    大隅エリアの伝承製法を活かし、自社ブランド豚と郷土の保存食を組み合わせて地域の食文化を生かす事業として書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は販路拡大のため、展示会や商談会への出展に取り組む。炭火焼以外にも味のバリエーションを増やす必要があると考え、商品のバージョンアップを進める予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。