ものづくり補助金平成27年度製造業鹿児島県

高品質オーガニック化粧品製造のための特注常圧蒸留器の整備

株式会社ボタニカルファクトリー

成果全社売上高 850万円→2,000万円

この事例のポイント

  • 銅製アランビック蒸留器ではかすかな金属臭(焦げ臭)が入った精油が抽出され、高品質製品に使用できなかった。
  • 特注常圧蒸留器を導入し、テスト加工により有効性を確認した。
  • 全社売上高 850万円→2,000万円。設備の導入により、金属臭のない高品質な蒸留水と精油(芳香成分)が抽出できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ボタニカルファクトリー
所在地鹿児島県 南大隅町
業種その他の製造業
技術分野製造環境
従業員数9人
資本金990万円
設立2016年

事業の背景

化粧品の品質において「芳香」分野のウエイトが高い。銅製アランビック蒸留器では、かすかな金属臭(焦げ臭)が入った精油が抽出されてしまい、高品質製品に使用できなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度銅製アランビック蒸留器ではかすかな金属臭(焦げ臭)が入った精油が抽出され、高品質製品に使用できなかった。
  • 生産能力香り成分を損なわず焦げ臭のない精油を取り出し、素材の特徴を最大限に引き出した蒸留水を安定的に抽出できる体制を整える必要があった。

やったこと

特注常圧蒸留器を導入し、テスト加工により有効性を確認した。蒸留器は事前にメーカーと性能・仕様を十分協議し、小型の実験器で確認したうえで導入した。テスト加工の結果、芳香成分(精油)と植物の有効成分を含む蒸留水を効率的に抽出できることを確認した。あわせて、製造時に生じていたわずかな金属臭を取り除けることも確認した。

その他特注常圧蒸留器

事業の効果

  • 全社売上高 850万円→2,000万円
  • 3~5時間かかっていた仕上げ時間が1時間短縮した

設備の導入により、金属臭のない高品質な蒸留水と精油(芳香成分)が抽出できるようになった。仕上げ時間が1時間短縮され、ガスの使用量も削減できた。最初の自社商品「ボタニカノン」が東京、大阪などの百貨店で好評を博し、全社売上高も急増した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業3年目で独自処方のナチュラルコスメ製造を事業の柱にしていることは読めるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けまでは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    「ボタニカノン」が2016年かごしま新特産品コンクールで奨励賞を受賞し、東京・大阪の百貨店催事に出展して好評を得た点が書かれ、強みの裏付けが読める。

  • 課題の認識と解決4

    金属臭による高品質化の課題を特注常圧蒸留器で解決し、売上は平成29年2月期850万円から同30年2月期2千万円に急増したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    今期の黒字化を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの目標数値は書かれておらず、実現可能性を判断する数値が読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員9名で製造現場・人材・ネット販売などを周到に準備していると審査コメントにあるが、体制の具体的な内容は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地産原料と天然由来成分100%、ケミカル・フリーという特徴と、都市部の環境意識が高い主婦層から高評価を受けた点が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    東京・大阪の催事販売や受託製造、大型製窯などの導入予定は書かれているが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    今後の資金調達に向けて金融機関と良好な関係を維持することが求められると書かれているが、財務状況や調達見込みの数値は示されていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    オーガニック化粧品の需要増加や、焦げ臭のない精油抽出という差別化は読めるが、市場の普及度を示す数値は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    大隅半島の地産原料利用や創業者出身地の南大隅町での地域貢献が挙げられているが、雇用創出や経済波及の規模は書かれていない。

  • 費用対効果3

    蒸留器導入で仕上げ時間が3~5時間から1時間短縮しガスの使用量も削減できたと書かれ、効率化の効果は読めるが投入額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    大隅半島の地産原料と南大隅町の地域貢献が事業の柱になっており、地域の特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

東京、大阪の百貨店催事販売を中心に、高級路線の「ディライト」シリーズを積極的に販売していく。上海からの受託製造の注文を確実にこなし、今期の黒字化を目指す。そのためには製造能力増強が必要となるため、大型の製造窯、攪拌用自動ミキサー、ロット印刷プリンターを導入する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。