ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

次世代型花火大会の演出のためのシステム導入と安全面配慮のための設備導入事業

有限会社糸井火工

成果配置図の作成時間 56時間→36時間

この事例のポイント

  • 従来、花火の打ち上げまでには構想、現場図面作業、プログラムデータ打ち込み、花火製造というプロセスを踏み、配置図の作成に約56時間かかっていた。
  • 花火打ち上げ前にイメージを構築し安全面も考慮するため、花火打上演出用の「シミュレーションプログラムソフト」を導入した。
  • 配置図の作成時間 56時間→36時間。作業時間が短縮され、作業効率が向上するとともに正確性も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社糸井火工
所在地福島県 須賀川市
業種その他の製造業
設立1873年

事業の背景

創業は明治6年で、初代が岩瀬村に糸井煙火製造所を設立し、現在は6代目社長が伝統を受け継いでいる。近年、煙火は複雑多様化し、金属粉の多様化や高温・明るい光による光沢のある煙火が求められ、各工程の作業内容が充実している。県内では釈迦堂川全国花火競技大会など有数の花火大会の製造・企画・演出を手掛けており、業界では音楽シンクロ花火が主流になりつつある。県内にある14の同業者の中で売上シェアは約40%。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来、花火の打ち上げまでには構想、現場図面作業、プログラムデータ打ち込み、花火製造というプロセスを踏み、配置図の作成に約56時間かかっていた。
  • 新製品・新技術音楽に合わせて花火を打ち上げる音楽シンクロ花火に対応するシミュレーションソフトが必要だった。
  • 販路・情報発信県内にある14の同業者の中で売上シェアは約40%にとどまり、他社との差別化や製品の高付加価値化、新規顧客の獲得が課題だった。

やったこと

花火打ち上げ前にイメージを構築し安全面も考慮するため、花火打上演出用の「シミュレーションプログラムソフト」を導入した。イメージする花火をPC上で動画化し、打ち上げ前の具現化を可能にした。種類は煙火玉、小型煙火、ローマンキャンドル、コメットなど約8,500種類をPC上で自由に操作できる。花火打上用の筒の配置図面や使用煙火一覧表の作成、点火プログラムとの連動もできる。併せて「無線点火システム」を導入し、マニュアル、セミオート、完全プログラム音楽花火を選択でき、各コントローラーから2,376点の打ち上げが可能になった。

ソフトシミュレーションプログラムソフト
その他無線点火システム

新しい製品・サービス:音楽シンクロ花火に対応した花火打上演出用のシミュレーションプログラムソフトを導入し、イメージする花火をPC上で動画化して打ち上げ前に具現化できるようにした。

事業の効果

  • 配置図の作成時間 56時間→36時間
  • 設置・撤収等の作業時間も1/3に短縮できた。
  • 各コントローラーから2,376点もの花火の打ち上げが可能になった。

作業時間が短縮され、作業効率が向上するとともに正確性も向上した。設置・撤収等の作業時間も大幅に短縮され、全体的に作業性が格段に向上した。立地の悪い厳しい現場でも作業ができるようになり、作業員・観覧者への安全面にも配慮できるようになった。これにより他社との差別化や顧客満足度の向上が期待され、提案型の営業活動も促進できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業明治6年、6代目社長が伝統を継ぐとあり、花火の企画・製造を手掛けてきた事業との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内14の同業者中で売上シェア約40%、他社との差別化や製品の高付加価値化を図るとあり、競争優位の方向性が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    配置図作成が約56時間かかっていた課題を認識し、ソフト導入で作業時間を約36時間まで削減したと数字で示され、高付加価値化と単価向上につなげる計画になっている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    単価向上と新規顧客獲得を期待すると記載があるが、付加価値額や賃上げの目標値は数値で示されていない。

  • 事業を進める体制2

    専門家が電気点火やコンピューターを駆使するとあるが、補助事業を遂行する人員や事務処理体制の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    約8,500種類の花火をPC上で操作でき、イメージを事前に動画化できる点や、花火大会での利用実績が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の作業時間短縮や提案型営業への展開が示されるが、スケジュールや中長期の課題解決方法の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    音楽シンクロ花火は業界で主流になりつつあると記され、同分野で高付加価値化を図る取組であることが具体的に読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の魅力発信や地域活性化への言及はあるが、経済波及効果や雇用創出の数値・根拠は示されていない。

  • 費用対効果3

    作業時間の36時間への削減や設置・撤収作業の1/3短縮などの効果は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    電気点火やコンピューターを活用し、音楽と花火の連動を実現する点は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    釈迦堂川全国花火競技大会など地域の大会を手掛け、地域活性化を図るとあるが、雇用や地域成長の数値的根拠は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

花火をきっかけに地域活性化を図っていきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。