ものづくり補助金平成27年度製造業鹿児島県

自社ブランド「美しい麦みそ」製造の生産プロセス改善による高付加価値商品化事業

合資会社新原味噌醤油工場

この事例のポイント

  • 発酵・熟成工程の自動化・機械化が遅れており、製造工程の生産性に課題があった。
  • 原料水には市比野温泉の地下水を使用し、大豆は九州産一等大豆フクユタカ、麦は四国産厳選裸麦を25割使用、塩は赤穂のミネラル塩を用いた。
  • 発酵工程の転倒作業が機械化され、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名合資会社新原味噌醤油工場
所在地鹿児島県 薩摩川内市
業種食料品製造業
従業員数8人
資本金380万円
設立1905年

事業の背景

明治38年に隈之城村(現・薩摩川内市向田町)で創業し、平成9年に現在地の市比野へ本社工場を移転した。主力商品は自社ブランドの「美しい麦みそ」で、味噌・醤油を製造している。創業から110余年にわたり北薩一円を中心に営業を展開してきた。近年は関東地区・関西地区にも進出している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力発酵・熟成工程の自動化・機械化が遅れており、製造工程の生産性に課題があった。
  • 品質・精度発酵工程の品質管理に課題があり、味噌製造プロセスの改善が急務であった。
  • 販路・情報発信商品の価値や品質を見える化し、競合他社との差別化、顧客満足度の向上、商圏の拡大を図る必要があった。

やったこと

原料水には市比野温泉の地下水を使用し、大豆は九州産一等大豆フクユタカ、麦は四国産厳選裸麦を25割使用、塩は赤穂のミネラル塩を用いた。漂白剤、合成保存料、甘味料、調味料は無添加とした。転倒作業を電動リフト及びステンタンクで機械化し、熟成工程では品質維持に重要なチロシン防止のための専用冷蔵庫を導入した。包装工程では味噌カップ用ハンドシール機で密封作業を機械化し、生産性と品質を向上させた。

その他転倒用電動リフト及びステンタンク
その他冷凍冷蔵庫
加工機味噌カップ用ハンドシール機

事業の効果

発酵工程の転倒作業が機械化され、生産性が向上した。熟成工程ではチロシン防止のための専用冷蔵庫により品質維持が可能になった。包装工程の密封作業も機械化され、生産性と品質が高まり、高付加価値商品化が実現した。これにより新たな販路拡大の体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業から110余年の味噌・醤油づくりを基盤に、発酵・熟成工程の自動化を進めた経緯が書かれており、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地元原料や無添加などの強みは書かれているが、市場動向や競合に対する優位性の分析は具体的に読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    発酵工程の自動化・機械化が遅れていた課題を明示し、転倒作業の機械化や密封作業の機械化で解決する内容が具体的に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性や品質の向上は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値、数値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員8名の規模は書かれているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力についての記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    無添加や裸麦25割使用など商品の特徴は明確だが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体的に読み取れない。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備は示されているが、中長期の検証や遂行スケジュールの記述は事例紹介の範囲では読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    無添加の麦みそや高付加価値化を目指す記述はあるが、同分野での高価格化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    川内川流域の食文化の継承や地域の原料利用が書かれ、地域経済への貢献はうかがえるが、波及効果は定量的でない。

  • 費用対効果2

    生産性と品質が向上したとあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    伝統の技と最新技術の融合とあるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    地元市比野温泉の地下水や九州産大豆を使い、地域の食文化を支える事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

味噌関連商品の完成度向上に加え、醤油およびその他関連商品への相乗効果が期待される。毎年恒例の「初夏みそまつり」でも企画を提案したい。川内川流域が育んだ食文化を継承していく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。