ものづくり補助金平成27年度製造業鹿児島県

冷凍キャッサバイモの商品化に係る技術開発

合同会社あまみ徳之島絆ファーム

この事例のポイント

  • キャッサバは青果で流通させると品質の低下が速い。
  • 低温加熱処理によりキャッサバを煮崩れさせないようにしつつ、確実に除毒を行える加工方法を開発した。
  • キャッサバ芋の加工品「きゃっポテ」の販売を開始し、ふるさと納税の返礼品として出品した。

事業者のプロフィール

事業者名合同会社あまみ徳之島絆ファーム
所在地鹿児島県 徳之島町
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数8人
資本金300万円
設立2012年

事業の背景

就労継続支援B型事業所として、従業員と利用者が一緒に農作物を育てて販売まで行っている。空き家を利用した民泊の運営や、町からの委託による野菜の水耕栽培も手がけ、キャッサバ芋、きくらげ、落花生を主に栽培している。日本在住のブラジル人、東南アジア出身の外国人、インド人向けに食料品を販売する企業から、キャッサバの問い合わせが増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度キャッサバは青果で流通させると品質の低下が速い。
  • 新製品・新技術キャッサバにはシアン化合物が含まれるため除毒加工処理が必要である。
  • 新製品・新技術食品関連企業からの問い合わせが増えているなか、安全で品質の高いキャッサバを流通させるための加工技術が必要である。

やったこと

低温加熱処理によりキャッサバを煮崩れさせないようにしつつ、確実に除毒を行える加工方法を開発した。キャッサバの食感を良好にするための乾燥及び冷凍技術の開発を行い、高品質な冷凍キャッサバイモの製造をめざした。補助事業では回転釜、急速冷凍庫、ホットパック真空包装機を導入し、ガス回転釜でキャッサバ芋を加熱したのち、加熱後すぐに急速冷凍庫へ入れ、真空包装まで進める工程を確立した。さらに野菜乾燥機を導入し、品質管理を勘ではなく数値で比較できるようにした。

加工機回転釜
加工機急速冷凍庫
加工機ホットパック真空包装機
加工機野菜乾燥機

新しい製品・サービス:キャッサバ芋の加工品「きゃっポテ」。補助事業で導入した機材を使って製造し、現在販売を開始している。徳之島町のふるさと納税返礼品としても出品している。

事業の効果

キャッサバ芋の加工品「きゃっポテ」の販売を開始し、ふるさと納税の返礼品として出品した。加熱ムラと煮崩れが防げるようになり、急速冷凍と真空包装によって工程のスピードアップと品質の安定につながった。畑から収穫して最短で真空包装までできるため、鮮度が抜群によい。野菜乾燥機により品質を具体的に比較できるようになり、キャッサバの需要拡大と離島の農業振興への効果が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    農作物の栽培・販売を続けてきた法人が、キャッサバ加工品を新たに手掛けた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    食料品店からのキャッサバ問い合わせ増加と青果での品質低下が示され、外部需要はうかがえるが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    青果で品質が速く落ちる課題を挙げ、加熱・急速冷凍・真空包装で収穫から保存までを一貫させる解決策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値の創出や賃上げの目標値は記載がなく、通年販売や周知拡大が目指されている程度しか読み取れない。

  • 事業を進める体制4

    就労継続支援B型事業所として従業員8名と利用者が農作物の栽培から販売まで行う体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    鮮度の良さや除毒と食感の両立は読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ふるさと納税返礼品の出品開始や今後の周知・野菜乾燥機による安定生産の方向は示されるが、スケジュールは具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    キャッサバは国内で一般的な食材ではなく、除毒加工を要する点は読み取れるが、高水準の高価格化を示す記述はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    離島の農業振興や地域活性、キャッサバ需要拡大への期待が書かれており、地域への波及はうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    急速冷凍と真空包装による工程短縮はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    徳之島の離島で空き家民泊や町委託の水耕栽培も行い、地域特性を活かした農業と雇用の取り組みが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

商品の周知と販路拡大を進め、野菜乾燥機を活用して一層の安定生産をめざす。補助金で導入した機材を活用し、安定した収穫・加工・保存・販売のサイクルを確立して通年販売ができるようにする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。