ものづくり補助金平成27年度製造業沖縄県

革新的な高度紙折加工システムの実現による事業競争力強化

光文堂コミュニケーションズ株式会社

この事例のポイント

  • 一包み10kgの紙を足元から持ち上げて印刷台にセットする手作業の紙積みは肉体的負担が大きく、担当者はほぼ全員が腰痛に苦しんでいた。
  • 手作業だった紙積み工程を機械化するため、高機能な紙積み機を導入した。
  • 導入後は業務効率が大きくアップし、紙を持ち上げたりひっくり返したりする作業が楽になって作業者の肉体的負担が大幅に軽減された。

事業者のプロフィール

事業者名光文堂コミュニケーションズ株式会社
所在地沖縄県 南風原町
業種印刷・同関連業
技術分野機械制御,製造環境
従業員数145人
資本金4,900万円
設立1950年

事業の背景

当社は1950年に創業し、沖縄県内を中心に、チラシなどの印刷と広告全般を手がけるワンストップ事業を行っている。印刷工程全般が機械化・高度化される中で、紙積み工程だけは手作業が続いていた。紙積みは一日平均240回繰り返す作業である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能一包み10kgの紙を足元から持ち上げて印刷台にセットする手作業の紙積みは肉体的負担が大きく、担当者はほぼ全員が腰痛に苦しんでいた。
  • 人手・技能紙積み作業は離職が多く(1年で2名)、ある程度の熟練を要するため人材の確保も難しかった。
  • 生産能力紙を積んだりひっくり返したりする間は印刷機を止めざるを得ず、業務効率の面でも改善が必要だった。

やったこと

手作業だった紙積み工程を機械化するため、高機能な紙積み機を導入した。導入機は紙ぞろえの誤差が100分の5mm以下と高精度で、紙押さえ位置を1mm単位で指定できる。紙のふぞろいが印刷機停止の主な要因だったため、これらの機能により停止時間が大幅に短くなることが期待された。

事業の効果

導入後は業務効率が大きくアップし、紙を持ち上げたりひっくり返したりする作業が楽になって作業者の肉体的負担が大幅に軽減された。熟練がほぼ不要になり、簡単なレクチャーでアルバイトでも一日目から紙積み作業ができるようになった。また同業他社からの仕事も受注できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性沖縄県内でパッケージ印刷が拡大する中、紙折加工の約半分を外注していた現状を踏まえ、内製化で対応する方針が具体的に読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決紙積みは1日平均240回で離職者が1年で2名と具体的に課題を示し、高機能機で生産効率を10〜15%上げる計画が読み取れる。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標生産効率を10〜15%向上させる目標が示され、紙折り機では約25%向上させたとの実績も記載されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数145人の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての具体的な記述はほぼない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1950年創業のワンストップ印刷事業で、紙折り内製化による一貫生産体制の強化を掲げており、過去からの流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    沖縄県内でパッケージ印刷が拡大する中、紙折加工の約半分を外注していた現状を踏まえ、内製化で対応する方針が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    紙積みは1日平均240回で離職者が1年で2名と具体的に課題を示し、高機能機で生産効率を10〜15%上げる計画が読み取れる。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産効率を10〜15%向上させる目標が示され、紙折り機では約25%向上させたとの実績も記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数145人の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての具体的な記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    名刺サイズの紙折りや特殊折り加工に対応し、同業他社からも受注できるようになったと記載があり、顧客像はうかがえるが具体性は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の稼働状況は書かれているが、中長期の課題検証やスケジュール、課題解決の方法についての記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    沖縄県内で初めての導入となる高度な機械制御技術の紙積み機であり、県内でも最先端の紙折機と記載され、高水準の高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    観光客増加による地域経済の発展や、地域産業との協力体制による地域貢献が言及されているが、波及効果の数値的な裏付けはない。

  • 費用対効果2

    生産効率の向上率は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加額など費用対効果を示す数字は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献3

    高度な機械制御技術やタッチ画面でのコンピュータ化により、経験の少ない人材でも作業できるようにした点が記載されている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    パッケージ印刷や土産品の需要拡大に触れているが、日本経済の構造転換に資するという観点での記述は薄い。

  • 地域経済への波及3

    沖縄県内の観光客増加を背景にした地域の印刷需要に応えており、地域に貢献する企業を目指すとの記述がある。

今後の展望

生産効率を10〜15%上げて受注量を増やし、付加価値も取り込んでいきたいと考えている。新規採用者の定着率向上や女性の作業への広がりも期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。