ものづくり補助金平成28年度製造業北海道

水産系廃棄物「サケひれ」由来機能性食品原料「アンセリン」の製造技術開発

株式会社リナイス

この事例のポイント

  • サケの尾ヒレ・胸ヒレに含まれる機能性食品原料「アンセリン」は製造方法が確立しておらず、抽出のための設備が必要だった。
  • 「アンセリン」抽出のための設備を導入し、検証を行った。
  • 導入した機械装置の効果により、アンセリン抽出に係る歩留まりと純度の向上を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社リナイス
所在地北海道 札幌市
業種化学工業
技術分野バイオ
従業員数21人
資本金2,440万円
設立2011年

事業の背景

株式会社リナイスは北海道産サケの鼻軟骨から「プロテオグリカン」と「Ⅱ型コラーゲン」を抽出し、健康食品や化粧品原料を製造販売している。「プロテオグリカン」は日本国内でのトップメーカーである。マグロ、カツオや鳥類の筋肉から抽出されるアンセリンは抗疲労効果などが期待され、近年注目が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術サケの尾ヒレ・胸ヒレに含まれる機能性食品原料「アンセリン」は製造方法が確立しておらず、抽出のための設備が必要だった。
  • 生産能力アンセリンの抽出に係る歩留まりと純度を向上させる必要があった。

やったこと

「アンセリン」抽出のための設備を導入し、検証を行った。導入した機械装置は酵素処理プラントシステムなどで、必要部位のカットから製品になるまで15の製造工程を通る。本事業で導入した機械装置に関連するのは必要部位カット・洗浄、酵素処理・酵素失活、精製分離、乾燥の工程で、いずれもアンセリンの抽出を合理的かつ効率化する狙いがある。新規設備導入とその製造実験を行い、機械装置の効果により歩留まりと純度の向上を達成した。

加工機酵素処理プラントシステム

新しい製品・サービス:サケ由来の機能性食品原料「アンセリン」

事業の効果

導入した機械装置の効果により、アンセリン抽出に係る歩留まりと純度の向上を達成した。他社の既存商品との競争力がついたため、国内販売の開拓や代理店との新商品共同開発に積極的に取り組む。アンセリン市場の10%シェア獲得を目指し、韓国、台湾、タイ、ベトナムなどへの海外展開も計画している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のプロテオグリカン製造販売の延長として、アンセリン抽出を新たな可能性と位置付けているが、経営戦略上の明確な位置付けは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内トップメーカーである強みや、マグロ等に比べ注目されるアンセリン市場に触れているが、競争優位の根拠の具体性は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    歩留まりと純度の向上を達成したとあるが、現状課題の具体的な認識や数値目標は示されず、わずかにうかがえる程度。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    アンセリン市場の10%シェア獲得を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の判断材料は限定的。

  • 事業を進める体制3

    第2工場の稼働や原料調達・処理能力の増強に触れており、事業遂行体制の一端はうかがえるが人材や事務処理能力の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    健康食品メーカーへのサンプル提案や機能性の説明はあるが、顧客ターゲットの明確性やニーズの裏付けは具体的数字を伴わない。

  • 事業化までの道筋3

    国内販売開拓、代理店との共同開発、韓国・台湾等への海外展開を計画とあり、方向性はあるがスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    アンセリンは近年注目が高まる機能性食品原料とされ、既存のプロテオグリカン等とは別の新分野への挑戦として読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    未利用資源となるサケ非可食部の有効活用に触れるが、雇用創出や波及効果などの国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果2

    歩留まりと純度の向上は記載されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    酵素処理プラントの導入など工程の効率化はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの言及は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    健康寿命の延伸や海外展開に触れるが、日本経済の構造転換に資する成長分野としての位置付けは明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    北海道の未利用資源を活用する地域性は明確だが、地域の雇用や経済成長への波及効果は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

アンセリン市場の10%シェア獲得を目指し、国内販売の開拓、代理店との新商品共同開発、韓国・台湾・タイ・ベトナム等への海外展開を計画している。

事業者の声

当社の主力商品である「プロテオグリカン」は国内市場はもとより、世界的にも注目されつつあります。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。