ものづくり補助金平成28年度複合サービス事業青森県

太陽電池モジュールの分離装置の導入と高効率的な有用金属・ガラス等のリサイクルシステムの構築

三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合

この事例のポイント

  • 2030年頃に使用済み太陽電池モジュールが大量に発生する見込みがある一方、リサイクル手段が不足している。
  • 太陽電池モジュールの組成はメーカーごとに異なるため、多様なモジュールに対応可能な分離装置を導入した。
  • 最適な回収方法の検討により、廃棄パネルの9割から板状ガラスを破砕せずに取り出せるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合
所在地青森県 三沢市
業種協同組合
技術分野材料製造プロセス
従業員数0人
資本金5,000万円
設立2012年

事業の背景

当組合は太陽光発電設備のメンテナンスを主たる事業としており、自然災害や寿命によるモジュール交換に伴う使用済みパネルの処理業務が増加傾向にあった。固定価格買取制度の対象設備の大半が20年間運転を続け、2030年代に使用済み設備が大量に出てくると見込まれている。組合は使用済みパネルのリユース事業に着手し順調に推移していたが、破砕後に埋め立て処分されているパネルのリサイクルが重要な課題であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他2030年頃に使用済み太陽電池モジュールが大量に発生する見込みがある一方、リサイクル手段が不足している。
  • その他北東北エリアにはリサイクル可能な施設がなく、使用済みパネルは破砕後に埋め立て処分するしかなく、環境面・経済面から早急な解決が課題となっていた。

やったこと

太陽電池モジュールの組成はメーカーごとに異なるため、多様なモジュールに対応可能な分離装置を導入した。モジュールはガラス、セル、バックシートで構成されており、本システムで板状ガラスと電池粉を分離・回収する。そのため最適な回転刃の選定、ガラスを状態を保ったまま回収する方法の検証、有害成分を含むことの多い電池粉の適正処理技術の開発を行った。

加工機太陽電池モジュール分離装置

新しい製品・サービス:多様なモジュールに対応する高効率的な太陽電池モジュールのリサイクルシステム

事業の効果

最適な回収方法の検討により、廃棄パネルの9割から板状ガラスを破砕せずに取り出せるようになった。純度97%以上の板状ガラスはリサイクル可能であり、破砕したガラスや不純物の多いガラスも舗装材や壁材などに再利用できる。電池粉については有用金属や有害物質の適正処理方法を今後も継続して開発していく。北東北エリアの拠点となるための基盤が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    背景で当組合はメンテナンス事業を主とし、使用済みパネルリユース事業に着手して順調と記載。過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    北東北エリアにはリサイクル施設がなく埋め立てしかないという外部環境と、メーカー問わず対応できる点は示される。ただし自社の経営資源との強み・弱みの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    課題として埋め立て処分の解決が挙げられ、分離装置導入で対応する方針が示される。ただし高付加価値化や成長への数値的な道筋は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は記載されていない。廃棄パネルの9割から板状ガラスを取り出せたという成果はあるが、目標値との対応は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数は0名と記載され、人材や事務処理体制の具体的な記述はない。組合として設備メンテナンスを行う旨のみうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    メーカーを問わず多様なモジュールに対応できる点、板状ガラス純度97%以上でリサイクル可能な点など、製品価値と顧客ニーズ(北東北の処理需要)が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    回転刃の選定、ガラス回収方法の検証、電池紛の処理技術開発と課題と遂行内容は示される。ただしスケジュールや期限は記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    北東北エリアにはリサイクル施設がない状況を背景に挙げ、2030年代の使用済みパネル増加を見込む点で、新しい分野での先行的取組として読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    有用金属・ガラスの資源再利用、アスファルト舗装やコンクリート2次製品への再利用、地域の廃棄パネル処理という社会的インフラ面の理由が具体的に記載されている。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投資額や付加価値増加の数値は記載されていない。環境・経済面の効果が一般的に述べられるにとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    メーカーや廃棄物処理業者、ユーザーとのネットワーク構築による地域のリサイクル循環への貢献が展望として述べられる。ただしデジタル技術の活用は示されていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    使用済み太陽光パネルのリサイクルという成長が見込まれる分野への進出がうかがえる。ただし日本経済の構造転換への言及は具体的でない。

  • 地域経済への波及3

    北東北エリアの拠点を目指すという地域への位置付けは読み取れる。ただし雇用創出や地域経済成長への定量的な記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

太陽電池モジュールのリサイクルにおいて北東北エリアの拠点となることを目指している。今後の法整備やリサイクル施設の地域拠点化、関係者間のネットワーク構築を見据え、地域で発生した廃棄パネルの資源価値と有害性を適正に判断・処理し、リサイクルの循環を生み出す責務があると考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。