ものづくり補助金平成28年度製造業青森県

輸出向けリンゴ、梨加工品の生産

なんぶ農援株式会社

この事例のポイント

  • ガスを使う加熱で温度管理がうまくいかず、加熱不足になることがあった。
  • 回転式蒸気釜と簡易貫流ボイラを組み合わせたボイル・冷却システムを導入した。
  • 温度管理が自動化されたことで、一定の温度を保てるようになり、品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名なんぶ農援株式会社
所在地青森県 南部町
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数15人
資本金300万円
設立1988年

事業の背景

当社は食品加工場「なんぶの台所」で、地元で獲れた野菜や果物を使い、ジャムやシロップ漬けなどのオリジナル商品と、県内のホテルやレストラン向けの業務用加工品を製造している。オリジナル商品は土産品として「渓流の駅おいらせ」などの土産店で販売している。新型コロナウイルスの影響で土産品の売上が落ち、業務用のカット野菜や果物ピューレの取引も落ち込んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ガスを使う加熱で温度管理がうまくいかず、加熱不足になることがあった。
  • 品質・精度加熱不足の影響で、常温保存にすると変色したり煮崩れしたりする課題があった。
  • 人手・技能従来のボイラでは温度管理ができず、作業員が常に釜を見てガスの調整を行う必要があった。

やったこと

回転式蒸気釜と簡易貫流ボイラを組み合わせたボイル・冷却システムを導入した。回転式蒸気釜は従来のガス直火釜の2分の1から3分の1の時間で沸騰させることができ、燃費も2分の1までカットできた。デジタル温度管理が可能なボイラに替えたことで、釜の前に作業員がいなくても一定の温度を保てるようになった。小型真空ガス包装機では、果物とシロップを同じ袋に入れて30から40分間湯煎してゆっくり加熱し、その後一気に冷却する工程とした。コンポートとドライフルーツのサンプル品を試作し、一般生菌数、大腸菌群、水分活性、pH、糖度を調査して評価した。

  • 加工機小型真空ガス包装機回転式蒸気釜簡易貫流ボイラ

事業の効果

温度管理が自動化されたことで、一定の温度を保てるようになり、品質が向上した。ゆっくり加熱することで果物が味を含みやすくなり、ゼネラルレクラークなども形を保てるようになった。その結果、煮崩れによる商品ロスが減り、生産性が向上した。冷却システムの導入により、サンプル検査で一般生菌数と大腸菌群が陰性と確認され、HACCPの基準にも対応して衛生管理を強化できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.4 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性土産品やホテル向け業務用加工品を製造してきたことはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。
経営戦略との整合性2.3
  • これまでの取組との一貫性2

    土産品やホテル向け業務用加工品を製造してきたことはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    地元の野菜や果物を使い、台湾輸出できる市場性があるとの記述はあるが、強み・弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    ガス加熱の温度管理が難しく加熱不足や変色・煮崩れが課題だったと具体的に書かれ、課題認識は読み取れる。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    燃費半減や加熱時間が2分の1から3分の1になるといった効果は書かれるが、付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員15名や「なんぶの台所」の製造体制はわかるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ホテル・レストラン向け、土産品、台湾輸出可能な商品など顧客や販路は示されるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    サンプル品で一般生菌数や大腸菌群などを調査し評価した点は書かれているが、スケジュールや中長期の検証計画は読み取れない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    ジャムやコンポートは一般的な加工食品で、同分野での高付加価値化を示す記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    農家の傷ものを加工して収入を生み、地元果物を活かす取組とわかるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    ロス削減や生産性向上は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル温度管理の導入は読み取れるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    地元の果物を加工し農家を支え、地域の特産品開発も進める点は読み取れるが、地域成長への効果は具体性が薄い。

今後の展望

地元の新たな特産品「ジュノハート」の加工品を開発し、年間を通して食べられる土産品として提供することを考えている。農家のためのOEM製造として、預かった野菜や果物の品質を保ちながら、安定した製品の製造を続けていきたい。

事業者の声

「農家さんを応援したい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。